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令和2年度は、地方消費税の引き上げによる地方消費税交付金の増などで基準財政収入額が増加し、新たに創設された地域社会再生事業費の増などで基準財政需要額が増加した。基準財政収入額の増加が基準財政需要額の増加を上回ったため指数は前年度から0.01ポイント増加した。類似団体と比較し、平均値を下回っていることから、今後も市税改革プログラムによる徴収体制・啓発の強化や、企業誘致・中小企業支援などによる地域経済の活性化を図り、更なる税収を確保するなど、指数の改善に努める。
行財政改革努力により、経常経費の抑制、自主財源の確保に努めていることから、類似団体と比較し良好な水準を確保している。令和2年度は、生活保護支給事業の減などで歳出は減少したものの、地方交付税の減などで歳入の減少がそれを上回ったため、前年度から0.5ポイント増の89.9%となった。今後も扶助費や保険給付費等の社会保障経費は増加傾向で推移すると思われ、自助努力による数値の根本的な改善は困難な状況であると考えられる。
松山市人材育成・行政経営改革方針に沿って定員管理及び給与等の適正化による人件費の抑制を図るとともに、委託契約事務の執行の適正化に関するガイドラインに基づき指定管理者制度導入等による民間委託等の推進や競争性のない随意契約の見直しに努めていることから、類似団体と比較し良好な水準を確保している。令和2年度は、会計年度任用職員制度の開始による人件費の増などにより、前年度より増加している。
人事院や愛媛県人事委員会の勧告を参考に、給与制度を見直すことにより、国等と概ね均衡を保っている。今後も引き続き、国・愛媛県・類似団体との均衡を図るとともに、本市の財政状況等を踏まえた適正な給与水準を維持する。
松山市人材育成・行政経営改革方針に基づき、計画的な職員採用や業務の簡素化・効率化、民間委託の活用などにより、職員数の適正化に努めており、類似団体よりも少ない水準を維持してきた。今後も、引き続き定員管理の適正化に努める。
公営企業債等繰入見込額や地方債現在高が減り、将来負担額が減少したことから、令和2年度の単年度実質公債費比率は8.3%と前年度比0.3ポイントの増となった。また、3か年平均では、7.9%と前年度比0.2ポイントの増となっている。今後も「健全な財政運営へのガイドライン」に基づき、市債残高を抑制することによる公債費の減少や交付税措置の高い起債を優先し、実質負担の軽減に努めるものの、公共施設の老朽更新や大型事業が控えていることから、一定期間、数値の上昇が懸念される。
基準財政需要額への算入額が過年度の地方債の算入終了や満期一括償還などで減少したことから、令和2年度の将来負担比率は43.0%となり、前年比8.8ポイントの減となった。今後も本市策定の「健全な財政運営へのガイドライン」に基づき、交付税算入率の高い起債を効果的に活用するとともに、償還能力に留意しつつ、計画的で健全な市債の発行に努めるものの、今後の大型事業の実施や公共施設更新等の財源として、充当可能基金の取崩しを見込んでいる状況等を鑑み、比率の上昇が見込まれている。
令和2年度は、会計年度任用職員制度の開始などにより、前年度から1.5ポイント増加している。松山市人材育成・行政経営改革方針に沿った定員管理及び給与等の適正化や指定管理者制度等民間委託の推進等により人件費の縮減を図っており、類似団体の平均値を下回る健全な水準を維持している。
健全な財政運営へのガイドラインを遵守した財政運営に努めており、類似団体の数値を下回る健全な水準を維持している。今後も引き続き市債借入の抑制など将来負担の軽減を図り、健全な財政運営に努める。
扶助費が類似団体の平均値を大きく上回っているが、厳しい財政状況の中、行財政改革による人件費などの抑制に努めていることから、令和2年度は0.6ポイント増加したものの、類似団体の数値より1.5ポイント低く、概ね適正な水準を維持している。
(増減理由)・「財政調整基金」が0.5億円減少した一方、「減債基金」が2億円、「21世紀松山創造基金」が約4億円、「のびのび教育推進基金」が約4億円増加したことなどにより、基金全体としては、約22億円の増加となった。(今後の方針)・短期的には、公共施設の更新等大型事業などに備え、基金積立てによる財政負担の平準化を図るため、「21世紀松山創造基金」、「のびのび教育推進基金」等へ積立てを行うことにより増加する予定だが、中長期的には減少していく見込み。
(増減理由)・決算剰余金など14.5億円を積み立てた一方、新型コロナウイルス感染症対策などの財源に15億円を取り崩したため0.5億円の減少。(今後の方針)・今後も、景気の変動による税収の減少や自然災害など不測の事態に備えるため、引き続き国や県の補助金を十分に活用し、本市の財政負担をできるだけ減らすほか、予算の執行段階での経費節減にも努め、財政調整基金の計画的な積立てと取崩しを行うことで、本市の「健全な財政運営へのガイドライン」(平成31年3月改定)に定める数値基準である標準財政規模の10%以上の残高を確保していく。
(増減理由)・他会計からの貸付金元利収入などを積み立て、2億円の増加。(今後の方針)・今後も、金利変動や大型投資に伴う公債費の増嵩リスクに備えて、計画的に積み立て、市債の償還財源を確保することで、公債費負担の平準化を図っていく。
(基金の使途)・21世紀松山創造基金:日本一のまちづくりに向けた重要施策等のほか、地球にやさしい都市政策・環境政策等に関する施策を推進する。・合併振興基金:市民の連帯の強化と地域を振興する。・観光開発等産業活性化基金:観光振興及び健全な産業の振興を促進する。・のびのび教育推進基金:教育の諸施策を推進する。・城山公園整備基金:城山公園の整備を推進する。(増減理由)・21世紀松山創造基金:公共施設の更新に備えて積み立てたことなどにより約4億円の増加。・のびのび教育推進基金:学校給食共同調理場の更新や学校の長寿命化等の整備に備えて積み立てたことなどにより約4億円の増加。(今後の方針)・21世紀松山創造基金:今後の公共施設の更新に備えて、毎年積立て予定。・のびのび教育推進基金:学校給食共同調理場の更新に備えて令和13年度を目途に計画的に積立て予定。(今後の方針)
有形固定資産減価償却率は類似団体平均よりも低いが、5割を超えている状況にあるため、今後計画的な老朽化対策が必要となってくる。そこで、令和3年3月に策定した「個別施設計画」に沿って施設の老朽化等の対策に取り組み、施設の適正管理に努める。
債務償還比率は前年度比で0.5ポイント悪化し、類似団体平均を上回っている。この要因としては、市債残高や公営企業債等への繰入金見込額が多く、類似団体に比べ将来負担額が高い一方で、充当可能特定歳入が類似団体と比べ低いこと等が挙げられる。今後も、公共施設更新等の財源に基金を見込んでいることに加え、社会保障経費など経常的経費の増加も避けられないことから、早急な改善は難しいが、本市策定の「健全な財政運営へのガイドライン」に基づき、計画的な借入を行うなど持続可能な財政運営に努める。
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均よりも低い水準ではあるが、増加傾向にあり、今後計画的な老朽化対策が必要となってくる。このため、これらの対策に伴う市債の発行により、類似団体より高い水準で推移している将来負担比率が更に悪化する懸念があるため、交付税算入率の高い起債の優先借入に努めるなど、将来負担比率への影響にも配慮しながら健全な財政運営に努める。
将来負担比率及び実質公債費比率は、類似団体に比べ高い水準で推移しており、令和2年度の実質公債費比率は、標準税収入額等の増加により標準財政規模が増加したものの、元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額の影響などにより、前年度比で、単年度では0.3ポイント、3ヵ年平均では0.2ポイント悪化した。また、将来負担比率は、公営企業債繰入見込額及び退職手当負担見込額の減による将来負担額の減少や地方消費税率の引上げによる地方消費税交付金の増加に伴い標準税収入額等が増加したことで、前年度比で、8.8ポイント改善した。今後も、本市の「健全な財政運営へのガイドライン」に基づき、交付税算入率の高い起債を効果的に活用するとともに、市債の償還能力に留意しつつ、計画的な市債の発行に努めるなど、将来負担比率や実質公債費比率への影響にも配慮しながら健全な財政運営に努める。
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