山陽小野田市
団体
35:山口県
>>>
山陽小野田市
地方公営企業の一覧
末端給水事業
公共下水道
農業集落排水
山陽小野田市民病院
厚狭駅南口駐車場
工業用水道事業
収録データの年度
2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
人口の推移
財政比較分析表(2017年度)
財政力
財政力指数の分析欄
平成29年度の財政力指数(単年度)が、前年度から0.01ポイント低下したことから、平成29年度の財政力指数(3か年平均)は、前年度から0.02ポイント低下し、0.64となった。これは、包括算定経費の減などにより基準財政需要額が減少したものの、市町村民税(法人税割)や地方消費税交付金の減などにより、基準財政収入額が減少した結果によるものである。類似団体より低い数値となっているのは、前年度までの傾向と同様、個人住民税の低迷などにより、地方税が類似団体より低い水準にあること、また、これに加えて、大学の公立化により基準財政需要額の規模が拡大していることが主な要因となっている。このため、企業誘致や転入促進策による定住人口増を図る取組を進めることにより税収の確保を図るとともに、予算編成においては、事業の「選択と集中」の観点から歳出の重点化を図り、財政運営の効率化に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
平成29年度の経常収支比率は90.3%で、前年度から1.0ポイント低下した。分母となる歳入における経常一般財源等は、対前年度で、地方交付税が18百万円の減となったものの、地方税が325百万円の増となったことなどにより、合計で397百万円の増となった。一方、分子となる経常経費充当一般財源等は、対前年度で、公債費が121百万円の減となったものの、扶助費が89百万円の増、補助費等が126百万円の増、繰出金が80百万円の増となったことなどにより、合計で218百万円の増となった。市町合併以後、職員数の削減による人件費の抑制等を行ってきたが、今後、公共施設等の老朽化に伴う物件費の増加や高齢化に伴う扶助費の増加が見込まれており、また、近年の大型建設事業の実施により、これまで減少傾向にあった公債費が増加に転じることが予測されている。このため、事務事業の見直しや公共施設の統廃合に取り組むことで、経常的経費の圧縮に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費については、人事院勧告に準じた給与改定による勤勉手当や地方公務員共済組合負担金の増に加えて、退職手当の増などにより、対前年度で87百万円の増となった。また、物件費については、ごみ処理施設における旧焼却施設の煙突解体工事及び旧厚狭公民館の解体工事が平成28年度に完了したことなどにより、対前年度で169百万円の減となった。本市においては、公立保育所、市民館・文化会館、ごみ処理施設・し尿処理施設などの公共施設等を有しており、施設維持に係る物件費、維持補修費を押し上げる要因となっている。事務事業の見直しに取り組むとともに、公共施設の統廃合や管理運営の委託等を進め、更なるコスト削減に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
給与については、平成18年4月1日から独自給料カットを行ってきたが、平成26年4月1日をもって給料カットを廃止したため、それ以降はラスパイレス指数が100を超えている状況である。類似団体、全国平均と比較しても、高い指数となっているため、給料構造等の見直し等により給与水準の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
職員数(公営企業会計部門職員を含む)は、平成30年4月1日現在744人であり、合併直後の平成17年4月1日時点の1,092人から348人の減となっている。人口千人当たり職員数は、類似団体との比較において、0.43ポイント下回っているが、直営の公共施設等が多いため、施設の運営に相応の職員数を要している。今後、公共施設の統廃合や組織・機構の見直し、業務の民間委託等を検討し、定員規模の適正化に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
実質公債費比率は、昨年度から0.3ポイント低下し9.8%となった。数値は改善傾向にあるものの、類似団体や県内他市との比較においては、依然として高い水準となっている。これは、元利償還金、公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金や公債費に準ずる債務負担行為に係るものが多額であることが主な要因である。近年の普通建設事業の実施状況から、将来的な公債費の増加に伴う実質公債費比率の悪化が見込まれている。このため、今後の地方債発行については、交付税算入率を勘案するとともに、一般会計だけでなく、特別会計においても地方債発行の抑制に努め、公債費負担の適正化に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担比率は、昨年度から18.2ポイント上昇し、70.8%となった。将来負担額については、公営企業債等繰入見込額及び退職手当負担見込額の減があったものの、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業等に関する借入れにより、地方債現在高が3,595百万円の増となったことなどから、2,395百万円の増となった。一方、充当可能財源等については、基準財政需要額算入見込額が1,024百万円の増となったものの、財政調整基金及び公立大学法人運営基金等の取崩しにより充当可能基金が672百万円の減となり、充当可能特定歳入が583百万円の減となったことなどから、231百万円の減となった。類似団体や県内他市との比較では、債務負担行為に基づく支出予定額、病院事業会計及び下水道事業特別会計に対する繰入見込額が多額となっているが、今後、普通建設事業等の実施に伴う地方債現在高の更なる増加が見込まれており、将来負担比率の悪化が予測される。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)
人件費
人件費の分析欄
平成29年度の人件費に係る経常収支比率は、前年度から0.1ポイント低下し、19.3%となった。類似団体との比較において、平均を3.4ポイント下回った。前年度との比較では、人件費決算額の増に加えて、特定財源の減により、経常経費充当一般財源等は、71百万円の増となった。市町合併以後、職員数の削減により人件費の抑制に努めてきたが、現行の機構や職員数においては、人件費の更なる減少を見込むことが困難である。このため、事務の効率化を図るとともに、一部の業務について、民間活力の活用を検討するなど、行財政改革の推進により人件費の抑制に努める。
物件費
物件費の分析欄
平成29年度の物件費に係る経常収支比率は、前年度から0.4ポイント低下し、12.0%となった。類似団体との比較において、平均を4.1ポイント下回った。コスト削減等による経費の抑制効果は現れているものの、施設の統廃合等に伴う老朽施設の解体や、公共施設の維持管理に多額の経費がかかっているため、公共施設の再編が喫緊の課題となっている。
扶助費
扶助費の分析欄
平成29年度の扶助費に係る経常収支比率は、前年度から0.2ポイント上昇し、10.2%となった。類似団体との比較においては、平均を0.4ポイント下回った。前年度との比較では、扶助費決算額の増などにより、経常経費充当一般財源等は89百万円の増となった。社会保障制度の充実に伴い扶助費は増加傾向にあるため、健康寿命の延伸に向けた取組や単独事業における支給対象者や支給額等の水準の見直しにより、経費の抑制に努める。
その他
その他の分析欄
平成29年度のその他(維持補修費、投資及び出資・貸付金、繰出金)に係る経常収支比率は、前年度と同じ18.1%となった。類似団体との比較において、平均を3.7ポイント上回った。前年度との比較では、繰出金における経常的経費充当一般財源等が80百万円の増となったものの、地方税の増などにより歳入における経常一般財源等が397百万円の増となったことにより、比率の増減は生じなかった。他団体との比較では、住民の医療費負担や下水道の建設費用が高い水準にあることなどにより、国民健康保険特別会計や下水道事業特別会計等に対する繰出金が多額になっていることが、ポイントを引上げている主な要因である。
補助費等
補助費等の分析欄
平成29年度の補助費等に係る経常収支比率は、前年度から0.4ポイント上昇し、14.5%となった。類似団体との比較において、平均を2.8ポイント上回った。補助費等における経常的経費は、前年度との比較では、市立山口東京理科大学に対する運営費交付金が225百万の増となったことなどから、119百万円の増となり、経常経費充当一般財源等は、126百万円の増となった。今後も、市立山口東京理科大学に対する運営費交付金や病院事業会計に対する繰出金などの支出があることから、普通会計内外の会計における財務状況や事業計画を把握することで、適正な歳出水準の維持に努める。
公債費
公債費の分析欄
平成29年度の公債費に係る経常収支比率は、前年度から1.1ポイント低下し、16.2%となった。類似団体との比較においては、平均を0.1ポイント上回った。普通建設事業債等の償還額の減により、公債費の減少傾向が続いているため、前年度との比較では、経常経費充当一般財源等は121百万円の減となった。今後も、合併特例債等を活用した大型建設事業が予定されているが、プライマリーバランスを意識し、堅実な事業の実施に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成29年度の公債費以外の経常収支比率は、前年度から0.1ポイント増加し、74.1%となった。前年度との比較では、地方税の増などにより、歳入における経常一般財源等が増となったものの、補助費等や繰出金に係る経常経費充当一般財源等の額が大きく、比率は、前年度を上回る結果となった。今後も、高齢化の更なる進行などにより、扶助費や繰出金が、高い水準で推移する見込みであることから、公共施設の再編や事務事業の見直しなどにより、行財政運営の効率化を図り、経常的経費の削減に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
・民生費は、住民一人当たり159,983円となっている。構成割合として最も大きい児童福祉費は、今後も、子ども・子育て関連施策の充実により、住民一人当たりのコストの増加が予測されており、また、社会福祉費や老人福祉費については、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計に対する繰出金や扶助費が、引き続き高い水準で推移することが見込まれている。・教育費は、住民一人当たり134,721円となっている。これは、市立山口東京理科大学において、平成30年4月に薬学部を設置することとしており、関連して、薬学部校舎整備事業費や運営費交付金が増加したことに加えて、事業の進捗により学校給食共同調理場建設事業費が増加したことなどが主な要因である。・公債費は、住民一人当たり47,023円となっており、類似団体と比較して高い水準となっているものの、計画的な償還により年々減少傾向にある。しかしながら、近年の大型建設事業に関する借入れにより、公債費の増加に伴う財政の硬直化が懸念されるため、今後は、地方債の発行抑制に努めるとともに、事業債の選択に当たっては、交付税措置等の有利な地方債の活用を徹底する。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり499,456円となった。・人件費は、類似団体と比較して、若干低くなっているものの、扶助費、補助費等、普通建設事業費、公債費及び繰出金など複数の項目において、類似団体を上回る水準となっている。・本市は、住民の医療費負担が高く、これが、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計に対する繰出金や扶助費の水準を引上げている原因と考えられる。また、下水道事業特別会計に対する繰出金については、地理的要因により建設費用が割高となっていることなどを要因として、過年度から、類似団体を上回る水準で推移している。・市立山口東京理科大学において、平成30年4月に薬学部を設置することとしており、これに伴う研究機器類の整備等に係る運営費交付金の増により、補助費等が増加しており、また、薬学部校舎整備事業の実施により普通建設事業費が大幅に伸びている。
実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)
分析欄
市町合併以後、財政調整基金残高と実質収支額の合計が標準財政規模比で10%に満たない状況が続いていたが、財政の健全化に向けた取組の結果、比率は改善傾向にある。平成29年度においては、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業の実施に伴う財源不足への対応として、事業計画に基づき、財政調整基金の取崩しを行ったことから、実質単年度収支が標準財政規模比で、-3.61%となった。今後、市税の減少と社会保障経費の増加が同時に進行し、必要な事業を実施するために一定の基金の取崩しを想定せざるを得ないなど、財政状況は厳しさを増していくものと予測されていることから、事業の選択と集中により歳出の重点化を図るとともに、民間活力の活用や公共施設の適正化などを進め、財政基盤の強化に努める。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)
分析欄
小型自動車競走事業特別会計は、平成19年度以降、包括的民間委託により、民間ノウハウを活用した経営の建て直しに取り組んでおり、JKA交付金猶予残額、リース料返済残額及び累積赤字額を3つの累積債務と捉え、その解消に努めているところである。3つの累積債務の合計額は、着実に減少しているが、近年、JKA交付金猶予残額及びリース料返済残額の解消を進めている一方で累積赤字が増加しており、平成29年度末の累積赤字額は1,262百万円となっている。病院事業会計は、平成26年度に、新病院建設期間中の収益の悪化を原因として資金不足が生じ、-1.01%の実質赤字比率となった。病院改革プランに基づき、収支改善に向けた経営改革の取組を行っているが、資金不足に対応するため、平成27年度に297百万円、平成29年度に350百万円を一般会計から繰り出している。一方、水道事業会計及び工業用水道事業会計は、安定して実質収支が黒字となっており、また、一般会計及びその他の会計においても実質赤字額は生じていない。市全体での連結実質収支比率は、11.09%の黒字となっており、引き続き適切な財政運営に努める。
実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄
元利償還金は、過年度の建設事業等に伴う地方債の償還額が着実に減少していることから、前年度との比較で130百万円の減となった。一方で、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、前年度との比較で118百万円の増となった。算入公債費等が高い水準で推移していることもあり、実質公債費比率の分子は、昨年度と同程度となっているが、比率は、類似団体や県内他市との比較において依然として高い状況にある。
分析欄:減債基金
将来負担比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄
一般会計等に係る地方債現在高は、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業等の実施に伴い、前年度との比較で3,595百万円の増となった。一方、公営企業債等繰入見込額は、前年度との比較で723百万円の減となった。これらにより、将来負担額は、前年度との比較で2,396百万円の増となった。また、充当可能基金は、市立山口東京理科大学の薬学部校舎や研究機器類の整備等に対応するため、財政調整基金及び公立大学法人運営基金の取崩しを行ったことなどにより、前年度との比較で671百万円の減となった。以上の要因により、将来負担比率の分子は、昨年度と比較して2,626百万円の増となった。次年度以後も、引き続き、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業や合併特例債等を活用した普通建設事業の実施が計画されており、地方債現在高の更なる増加が見込まれることから、当面、将来負担比率は上昇するものと推測される。
基金残高に係る経年分析(2017年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)前年度決算の剰余金処分等として、財政調整基金に216百万円の積立てを行ったものの、市立山口東京理科大学の薬学部校舎や研究機器類の整備等に対応するため、財政調整基金から848百万円、公立大学法人運営基金から478百万円の取崩しを行ったことなどから、基金残高合計は、前年度比で1,069百万円の減となった。(今後の方針)基金設置の目的にしたがって、適正に積立て及び取崩しを行う。また、将来の財政需要に照らし、単年度の財政負担を軽減できるよう、必要額を積み立てる。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)財政調整基金については、前年度決算の剰余金処分等として、216百万円の積立てを行ったものの、市立山口東京理科大学の薬学部校舎や研究機器類の整備等に対応するため、848百万円の取崩しを行ったことから、残高は、前年度比で631百万円の減となった。(今後の方針)財政調整基金及び減債基金については、目標残高を5,000百万円とし、財政基盤の強化に努めることとしている。短期的には、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業に伴い、多額の財源調整が必要となることから、財政調整基金の残高が大きく減少するが、この事業に関連した取崩しは、後年度の積戻しを予定しているため、目標額の設定は従前のとおりとしている。財政調整基金については、市の財政に影響を及ぼす諸般の要素を考慮すると、更なる積み増しを行う必要があるが、市の財政計画においても、今後、市税の減少と社会保障経費の増加が同時に進行し、必要な事業を実施するために一定の基金の取崩しを想定せざるを得ないなど、早期の目標達成は、困難な状況である。
減債基金
減債基金
(増減理由)減債基金については、地域総合整備資金貸付事業における負担の平準化を目的として過年度に積立てを行っており、平成29年度において9百万円の取崩しを行ったことなどにより、残高は、前年度比で10百万円の減となった。(今後の方針)財政調整基金及び減債基金については、目標残高を5,000百万円とし、財政基盤の強化に努めることとしている。減債基金については、現状の残高を適正水準と考えているため、更なる積み増しを計画していないが、財政調整基金については、市の財政に影響を及ぼす諸般の要素を考慮した上、一層の残高確保に努める。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)まちづくり魅力基金:心豊かでうるおいと活力に満ち、自然と共生した住みよいまちを具現化するために設置公立大学法人運営基金:公立大学法人山陽小野田市立山口東京理科大学の健全な運営等を支援するために設置退職手当基金:退職手当に要する財源を確保することにより年度間の財源調整を図るために設置教育文化振興基金:教育文化事業の振興及び奨励を図るために設置江汐公園施設整備基金:江汐公園の施設の整備に必要な財源の確保を図るために設置(増減理由)公立大学法人運営基金は、平成28年度に設置した基金であるが、平成29年度において市立山口東京理科大学の薬学部校舎や研究機器類の整備等に対応するために取崩しを行ったことから、残高は、前年度比で478百万円の減となった。また、退職手当基金の残高は、前年度比で70百万円の増となった。以上のことなどにより、その他特定目的基金の残高合計は、前年度比で428百万円の減となった。(今後の方針)現在、市役所本庁舎の耐震補強工事及び老朽化対策工事に取り組んでいるが、将来的には、新たな庁舎建設に向けた議論が行われる見込みである。このため、庁舎建設に関する財政負担の軽減を目的とした基金の設置について、調査・検討が必要である。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
平成28年度における有形固定資産減価償却率は、昨年度から1.4ポイント増加し61.1%となった。県内他市の平均(65.5%)は下回っているものの、全国平均(57.8%)は上回っている状況である。これは、複数年に跨る大型建設事業により建設仮勘定は増加したものの、有形固定資産(償却資産)額は微増となり、減価償却累計額の割合が増加したことが要因である。今後においては、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画を踏まえ、その対応方針である個別施設計画を策定し、公共施設等の総量や老朽化の度合いを把握し、維持管理・更新費用を見込んだコスト分析等を行い、公共施設等の適切な維持管理や長寿命化対策等に取り組む。
(参考)債務償還比率
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
平成28年度における将来負担比率と有形固定資産減価償却率の推移は、将来負担比率については、昨年度から7.7ポイント減少したものの、有形固定資産減価償却率については、昨年度から1.4ポイント増加した。類似団体との比較においては、いずれも類似団体を上回っている状況である。将来負担比率については、充当可能基金が増加し、また、普通交付税額等の増により標準財政規模が増加したことが要因である。有形固定資産減価償却率については、有形固定資産(償却資産)額は微増となり、減価償却累計額の割合が増加したことが要因である。今後においては、大型の普通建設事業の実施に伴い、地方債現在高の増加が見込まれるため、地方債発行の抑制に努めるとともに、公共施設等の適切な維持管理や長寿命化対策等に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率及び将来負担比率は、事業の選択と集中の観点から普通建設事業の実施を抑制し、また、交付税算入率を考慮した地方債の発行等により、数値の改善に努めてきたが、類似団体との比較においては、依然として高い水準となっている。平成29年度決算に基づく比率は、前年度との比較では、実質公債費比率において、既往債の一部償還終了に伴う元利償還金額の減少等により比率が低下したものの、将来負担比率において、山口東京理科大学薬学部校舎整備事業の実施に伴う地方債現在高の増加等により、比率が上昇した。近年の普通建設事業の実施状況から、公債費や地方債現在高の増加が予測されるため、一般会計だけでなく、特別会計においても地方債発行の抑制に努め、公債費負担の適正化に努める。
施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
道路における有形固定資産減価償却率は、昨年度から1.4ポイント増加し24.3%となったものの、類似団体や県内他市との比較においては、他団体を大きく下回っている状況である。公営住宅における一人当たり面積は、昨年度から0.007ポイント増加し1.279㎡となり、これは県内他市を下回っているものの、類似団体を大きく上回っている状況である。昭和40年代以前に建設された住宅への新たな応募はほとんどなく、量的には充足傾向にあるため、公営住宅の供給量を見極め、適正配置等の対策を行う。認定こども園・幼稚園・保育所における有形固定資産減価償却率については、昨年度から1.8ポイント増加し92.6%となり、類似団体や県内他市との比較においては、他団体を大きく上回っている状況である。公立保育所については、平成29年1月に策定した公立保育所再編基本計画に基づき市内に5園ある公立保育所について、統廃合を含めた再編整備を進めているところである。そのほかの施設においても、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画を踏まえ、その対応方針である個別施設計画を策定し、公共施設等の適切な維持管理や長寿命化対策等に取り組むことで、必要な行政サービスを適切に提供していくため、健全な財政運営と利用者の安全の確保を図る。
施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
体育館・プールにおける有形固定資産減価償却率は、昨年度から1.9ポイント増加し72.4%となり、類似団体や県内他市との比較においては、他団体を大きく上回っている状況である。各施設とも、建設からの経年による老朽化が見られるため、将来的には施設の集約化や市の垣根を越えて近隣市との連携による広域的な施設整備についての検討をはじめ、民間施設による代替という点からの施設のあり方についても検討する必要がある。福祉施設における有形固定資産減価償却率は、昨年度から4.7ポイント減少し65.3%となったものの、類似団体や県内他市との比較においては、他団体を上回っている状況である。各福祉会館については、建設後16年以上が経過しており、今後、施設の維持・継続のための大規模修繕等に係る費用の増嵩が懸念されるため、適正配置等の検討が必要である。そのほかの施設においても、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画を踏まえ、その対応方針である個別施設計画を策定し、公共施設等の適切な維持管理や長寿命化対策等に取り組むことで、必要な行政サービスを適切に提供していくため、健全な財政運営と利用者の安全の確保を図る。
財務書類に関する情報①(2017年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、昨年度との比較については、資産の部における固定資産では、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業等の実施により建設仮勘定(事業用資産)が45億82百万円の増となったことに加えて、市立山口東京理科大学の設立に合わせて土地及び建物の出資を行ったことにより、その他(投資及び出資金)が37億86百万円の増となったため、総額で71億19百万円の増となった。負債の部における固定負債では、過年度修正等により退職手当引当金が13億67百万円の減となったものの、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業に係る借入れ等により地方債等が36億70百万円の増となったことなどにより、総額で19億64百万円の増となった。特別会計及び公営企業を加えた全体では、昨年度との比較については、資産の部における固定資産では、一般会計等の要因に加えて、水道事業において工作物(インフラ資産)が4億2百万円の増となったことなどにより、総額で67億48百万円の増となった。負債の部における流動負債では、病院事業において1年内償還予定地方債等が4億9百万円の減となったものの、一般会計等の要因を加えて、総額で9億31百万円の増となった。また、一部事務組合や地方独立行政法人などを加えた連結では、昨年度との比較については、資産の部における流動資産では、全体の要因に加え、市立山口東京理科大学において現金預金が8億84百万円の増となったことなどにより、総額で34億3百万円の増となった。負債の部における流動負債では、市土地開発公社において1年内償還予定地方債等が2億18百万円の減となったものの、全体の要因を加えて、総額で8億56百万円の増となった。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は251億19百万円となり、対前年度比17億43百万円の増となった。そのうち、業務費用については、退職手当引当金繰入額の増などにより人件費が4億1百万円の増(+8.7%)となった。また、移転費用については、市立山口東京理科大学薬学部設置に伴う研究機器類の整備に係る運営費交付金の増などにより補助金等が8億18百万円の増(+16.3%)となった。市立山口東京理科大学薬学部設置に伴う研究機器類の整備は終了したものの、今後においては、高齢化の進展に伴う社会保障関連経費のほか、公共施設等の長寿命化を図るための維持管理費などの増加が見込まれるため、事業の選択と集中により経費の抑制に努める。全体における一般会計等との比較では、小型自動車競走事業における勝車投票券発売収入や払戻金等により、経常収益及び経常費用の規模が大きく拡大していることに加えて、病院事業における医業収益等により経常収益が131億99百万円多くなり、国民健康保険及び介護保険における保険給付費等により経常費用が258億74百万円多くなったことなどから、純行政コストが123億25百万円多くなった。また、連結における一般会計等との比較では、全体との比較における要因に加えて、山口県後期高齢者医療広域連合における保険給付費等により経常費用が増加したことなどから、純行政コストが234億80百万円多くなった。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(234億55百万円)が純行政コスト(240億50百万円)を下回っていることから、本年度差額は5億95百万円となり、また、これに無償所管換等による増減を加えた本年度純資産変動額は51億55百万円となった。これにより、前年度末に310億31百万円であった純資産残高は、本年度末に361億86百万円となった。本年度差額が15億34百万円の減となったものの、その他(投資及び出資金)などに過年度の修正が生じたためその他(余剰分(不足分))が58億44百万円の増となったことなどにより、純資産残高が51億55百万円の増となった。全体における一般会計等との比較では、国民健康保険及び介護保険における保険料等により税収等が88億44百万円多くなり、国県等補助金が41億17百万円多くなったことから、財源が129億61百万円多くなった。また、本年度末の純資産残高は、464億9百万円となり一般会計等と比べ102億23百万円多くなった。また、連結における一般会計等との比較では、全体との比較における要因に加えて、山口県後期高齢者医療広域連合における支払基金交付金等により税収等が158億79百万円多くなり、国県等補助金が86億90百万円多くなったことから、財源が245億69百万円多くなった。また、本年度末の純資産残高は、475億49百万円となり一般会計等と比べ113億63百万円多くなった。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支が15億10百万円となったが、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業等の実施に伴い公共施設等整備費支出が59億21百万円となったことなどから、投資活動収支が▲43億93百万円となった。また、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業等に係る借入れにより地方債等発行収入が63億61百万円となったことなどから、財務活動収支が35億68百万円となった。これらにより、本年度資金収支額は6億85百万円となったため、前年度末に4億22百万円であった資金残高は、本年度末に11億7百万円となった。全体における一般会計等との比較では、病院事業の影響等により業務活動収支が12億54百万円多くなった一方、水道事業における公共施設等整備費支出などにより投資活動収支が9億6百万円少なくなった。また、病院事業において、地方債等償還支出が地方債等発行収入を上回ったことなどから、財務活動収支が5億95百万円少なくなった。また、連結における一般会計等との比較では、全体との比較における要因に加えて、市立山口東京理科大学の影響等により業務活動収支が23億10百万円多くなった一方、同法人における公共施設等整備費支出などにより投資活動収支が10億43百万円少なくなった。また、市土地開発公社において、地方債等償還支出が地方債等発行収入を上回ったことなどから、財務活動収支が8億58百万円少なくなった。
財務書類に関する情報②(2017年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は、昨年度から11.8万円増加し、119.8万円となり、類似団体平均値の169.1万円を大きく下回り、また、歳入額対資産比率は、昨年度から0.10年増加し、2.32年となり、類似団体平均値の3.91年を大きく下回った。これは、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業等の実施により資産合計が71億1,853万円増加したものの、道路、河川等の敷地に係る評価額について、取得原価が不明なものなどは、備忘価額1円としていることが主な要因と考えられる。一方、有形固定資産減価償却率は、昨年度から1.5ポイント上昇し、62.6%となり、類似団体平均値の58.4%を上回り、他団体と同様に老朽化した施設等を多く保有している状況が明らかになった。※市ホームページで別途公表の「平成29年度決算に係る財務書類について」における「有形固定資産減価償却率」は、減価償却累計額及び有形固定資産に物品を含めて指標を算定しているため、本資料の「有形固定資産減価償却率」と値が一致しません。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は、昨年度から2.6ポイント上昇し、47.5%となり、類似団体平均値の72.3%を大きく下回ったものの、将来世代負担比率は、昨年度から3.1ポイント上昇し、35.6%となり、類似団体平均値の14.9%を大きく上回った。これは、市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業に係る借入れ等により地方債残高が31億12百万円増加したものの、市の資産として計上されない、県道、海岸施設、港湾等といった県が管理する施設の整備に係る市の負担に対して、地方債を発行していることなどが要因と考えられる。今後も、基金の繰入れに頼らない、収支の均衡を基本とした予算編成を行うともに、地方債の借入れに当たっては、適切な償還期間を設定するなど、資産と負債のバランスを意識した財政運営に努める。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、昨年度から3.8万円増加し、37.8万円となり、類似団体平均値の35.1万円を若干上回った。これは、市立山口東京理科大学薬学部設置に伴う運営費交付金の増などにより補助金等が増加したことに加え、病院事業会計繰出金の増などにより他会計への繰出金が増加したことにより、純行政コストが23億1,368万円増加したことが主な要因である。これらの要因は一過性であるものの、公共施設等に係る維持補修費等の増加に加えて、扶助費が高い水準で推移することなどが予測されており、財政面で厳しい状況が続くことが見込まれている。このため、事務の効率化を図るとともに、一部の業務について、民間活力の活用を検討するなど、行財政改革の推進に努める。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、昨年度から3.4万円増加し、62.9万円となり、類似団体平均値の46.9万円を大きく上回り、また、基礎的財政収支は、昨年度から26億74百万円減少し、▲37億24百万円となり、類似団体平均値の3億160万円を大きく下回った。これは、地方債を財源として市立山口東京理科大学薬学部校舎整備事業や学校給食共同調理場建設事業等に取り組んだことが主な要因である。近年の大型建設事業により、地方債の現在高が大幅に増加しており、公債費の増加に伴う財政の硬直化が懸念されるため、今後は、事業の選択と集中を徹底し、地方債の発行抑制に努める。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、昨年度から3.1ポイント減少し、4.2%となり、類似団体平均値の4.6%を下回った。これは、市立山口東京理科大学の公立化に係る収入の減などにより経常収益が6億56百万円の減となったことに加え、市立山口東京理科大学薬学部設置に伴う運営費交付金の増などにより、経常費用が17億43百万円の増となったことによるものである。今後においては、老朽化した公共施設等の維持管理費などの増加が見込まれているため、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の複合化や民間活力の活用等を行うことにより、経費の削減に努めるとともに、施設使用料等の見直しに当たっては、地方公会計のデータを用いた分析等を行い、受益者負担の適正化に努める。