経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、当年度100%であり、過去4事業年度においても、ほぼ100%の水準であることから、経営の健全性は概ね良好といえるが、総収入の大半を一般会計からの繰入金に依存しているため、更なる経費削減等により繰入金の縮減を図る必要がある。また、今後の更新投資等に充てる財源の確保がないことが課題である。企業債残高対事業規模比率は、例年同様、分流式下水道に要する経費として地方債現在高の一部を一般会計が負担しているため、類似団体と比較して低くなっている。経費回収率は、90%程度となっているものの、今後は世帯数の減少に伴う使用料収入の減少が見込まれることから、今後も継続的に維持管理費の節減に取り組む必要がある。汚水処理原価は、類似団体と比べて低いが、維持管理費の節減により、更に逓減するものと見込んでいる。施設利用率は、類似団体と比較して高いものの、6割程度であることから、中長期的には、終末処理場の統廃合等を検討する余地があるものと考える。水洗化率は、類似団体と比較して高く、概ね良好といえるが、安定的な使用料収入の確保、及び水質保全の観点から、更なる水洗化率の向上と、同指標の推移を注視する必要がある。
老朽化の状況について
昭和61年8月の供用開始から概ね30年が経過するが、管渠の更新等の老朽化対策には着手していない。
全体総括
施設の維持管理費は全て使用料収入で賄うことを経営方針の基本に据えた事業運営を今後も継続していく。今後必要となる更新投資を見据え、引き続き経費削減に取り組むなど、健全経営に向け努力する必要がある。中長期的には、3つある終末処理場の統廃合も検討し、持続可能な事業運営に努めていく。