経営の健全性・効率性について
・「経常収支比率」は115.60%で、維持管理費や支払利息等の経常経費を給水収益等の経常収益で賄えている。「累積欠損金」は生じていない。・平成30年4月に簡易水道事業を統合し、多額の起債の償還元金が流動負債に計上されたため、「流動比率」は、平成30年度決算値で大幅に低下したが、令和元年度は若干改善している。・「企業債残高対給水収益比率」についても簡易水道事業の統合の影響により、平成30年度決算値で大幅に上昇している。・「料金回収率」は、平成30年度決算値で80%を下回る水準まで低下したが、平成30年10月から段階的な料金改定を実施し、供給単価の引き上げに取り組んでいる。・「施設利用率」は、類似団体平均値を上回っている。・「有収率」は、前年度対比で改善したものの、類似団体平均値を大きく下回っている。漏水調査等の取り組みを強化するとともに、老朽管路の計画的更新に継続的に取り組む必要がある。・安定した給水収益を確保しつつ、経常経費の削減等の経営合理化に取り組むことにより、経営基盤の強化に努める必要がある。
老朽化の状況について
・「有形固定資産減価償却率」は、年々増加傾向にあり、資産の老朽化度合は進みつつある。・「管路経年化率」は、簡易水道事業の統合により低下し、類似団体平均値より低い水準にある。・「管路更新率」は、依然として低い水準にあり、現行の更新水準では更新需要に追いつかない状況にあるため、更新スピードを速める必要がある。・アセット・マネジメントによる今後の更新需要の見通しに基づき、計画的な更新事業を実施していく。
全体総括
・平成30年4月に経営基盤の脆弱な簡易水道事業を統合したことから、経営の健全性・効率性を表す指標は悪化している。・また、老朽化する水道施設、管路等の更新需要の増加に十分に対応できていないことが各種指標から見てとれる。・このような現状を踏まえたうえで、「水道事業経営戦略」に基づき、毎年度の進捗管理と計画と実績の乖離の検証を行い、対応策を検討することにより、将来にわたって持続可能な水道事業経営に取り組む。