経営の状況について
収益的収支比率が100%以上であるが、前年と比較して上昇している原因は、平成26年度には地方債の元金返済(13,200千円)があったが、平成27年度は元金返済がなかったことから大幅な上昇となった。営業収支比率は100%以上である。前年度と比較して営業収支比率が増加している要因として、営業費用の増加(受託工事費対前年比+296千円)はあったものの、日射量の増加による発電量の増加(1,367kw/h→1,694kw/h+24%)が寄与したことから営業収支比率が増加した。供給原価が低下した原因は、年間発電量が増加したことに加えて、一般会計で実施する自然エネルギー活用促進事業の補助金が減少したことにより、一般会計への繰出額が減少(2,180千円→1,648千円)し、総費用が減少したためである。EBITDAが上昇している原因として総費用、支払利息とも僅かに(総費用約3%、支払利息約7%)増加しているが、売電収入が59,103千円から74,148千円と約25%の上昇があったことによるもの。これら電気事業全体における経営状況から安定的な経営状態といえる。
経営のリスクについて
設備利用率が上昇した原因として、年間発電量が24%上昇したことによる(1,367kw/h→1,694kw/h)。よって発電施設の効率的な運用が行えている。発電施設の完成からわずかな期間しか経過しておらずこの間について修繕を行う必要がなかったため、修繕費比率はゼロ。企業債残高対料金収入比率について、平成29年度から元金の償還を行う計画としている。今後償還財源の確保を行う計画である。基金積立総額174,300千円。公募債償還基金を積み立てているので償還については、既に賄える状況にある。FIT収入割合については、平成26年度は100%であったが平成27年度は45.2%となり、収益の安定性の面において改善が図られた。設備を効率的に最大限活用しており、太陽光発電における経営のリスクは少ないといえる。
全体総括
収益的収支比率並びに営業収支比率とも目標値を上回り、継続して100%以上を維持している。経営リスクも少ない現状において、経営の健全性及び効率性は確保されている。太陽光発電に係る発電電力量は、環境的要因に左右されるが、効果的な施設の維持管理と併せて引き続き安定的な経営を見込む。計画値を上回る売電収入を得ており、引き続き発電した収益の一部を住宅用太陽光発電システム等の補助金など住民への新エネルギー機器設置の普及促進に充当することで再生可能エネルギーへの転換を促進していく。経営戦略は未策定であるが、資金実績収支シミュレーションと電力実績等を用いて収支状況から毎年見直しを行い、建設経過年数と施設設備の状況を考慮しつつ、売電収入が安定して確保できるよう、計画的に老朽化対策を推進する。