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中山間地域に位置し、確固たる基幹産業や企業がないため、財政基盤が脆弱である。また、大阪等のベットタウンであったが住み替えや世代交代が進まず、勤労世代の退職・高齢化により、主たる税収である個人市民税は、平成19年度以降逓減している。固定資産税においても、地価や家屋の新築が低迷しており、ほぼ横ばい。ただし、基準財政収入額は、地方消費税交付金及び株式等譲渡所得割交付金等により微増。しかし、基準財政需要額も増加しているため、指数は0.01ポイント減少し、類似団体内で、昨年より順位が上がった。今後は、さらに、高齢社会の進展に加え、人口の減少による過疎化が進む中、第3次宇陀市行政改革大綱(平成27から31年度)、宇陀市まち・ひと・しごと創生総合戦略(平成27年12月)に基づき、人口の増、収入の増を図り、一方で、時代に即した組織体制の見直しや持続可能な財政運営を行うよう努める。
経常収支比率は合併後年々改善していたが、隔年で悪化、改善を繰り返している。平成28年度は、昨年度と比べて2.5%悪化した。これは、平成27年国勢調査の人口減影響により譲与税、交付金、普通交付税が減少した事が大きい要因である。また、普通交付税においては、合併算定替縮減が開始されたことにもよる。経常一般財源充当額は、人件費・公債費の減少により減ってはいるが、歳入の減が上回った。人件費、公債費については、宇陀市行政改革大綱等により職員定数管理と地方債新規発行の制限をしていることから、年々減少してはいるものの、物件費については、職員が減少した分を委託や臨時職員で補っていることや、施設の維持修繕費の増などで減らず、また、人口の減少が経費の減少には結びつかず、逆に病院への繰出等が増加している。今後、第3次宇陀市行政改革大綱により、適正な組織体制の検討や、事務見直しを進め、人件費のみならず、物件費等においても節減に努めるが、補助費等の節減は難しい。
類似団体を上回る要因は前年度と同様、人件費総額にある。しかし、合併後、勧奨退職制度の導入や新規採用者の抑制、施設の統廃合など様々な方策を講じていることにより、年々減少しており、平成17年度から比べると人件費は、32.2%減少している。この指標額の類似団体平均との差は、昨年度と比べて、半分ほど縮まり、平均値に近づいている。人件費・物件費等の決算額が昨年度より98,280千円減少する一方、人口も昨年度と比べ、630人減少している。そのため、一人あたりの指標は、増加している。今後は、第3次行政改革大綱(平成27から31年度対象)により、社会経済情勢の変化を踏まえ、対応すべき行政需要の範囲や事務事業の見直しを行い、行政組織のスリム化及び公共施設等総合管理計画の作成に取り組み、公共施設の適正管理を図る。
平成19年4月より継続して2.5%職員給を削減していることにより、類似団体平均を下回っている。職員経験年数など構成の変更により、昨年度より改善したが、今後も、引き続き年齢構成の平準化を行っていく。平成24年は、ラスパイレス指数が100を超えているが、これは、国家公務員の時限的な(2年間)給与改定特例法による措置によるもので、宇陀市においても、平成24と25年の基準日の間(平成25年7月1日~平成26年3月31日)に、国と同様の特例減額措置を実施した。平成25年4月1日は、同措置がないとした場合と同様であるので、指数の変化はない。平成25、26年は、同措置がなくなり、平成22年と同水準に戻っている。
地理的要因や合併前の職員を引き継いだこと、施設が多数あるのが現状であり、類似団体と比較して総枠的に多い。平成18年度に制定した集中改革プランにおいて、平成21年度末までに57人(10.1%)の減を目指し、結果として83人(14.8%)の減となるなど職員数は減少している。また、平成22年度から平成26年度において、第2次宇陀市行政改革大綱による定員の適正化を図るため、早期勧奨退職制度の導入等により、普通会計職員48人の削減を目標としていたが、結果は、91人の減となり目標を大幅に超えた。職員数は、年々減少しているが、依然として類似団体平均より1.22人多い状態であり、年齢構成の補正を行いながら、今後も引き続き第3次宇陀市行政改革大綱において類似施設の統廃合、民間委託の導入などにより適正な定員管理に取り組む。
合併以前より財源を地方債に求めてきたため、旧町村での過疎債や公住債、土地開発公社の健全化による用先債、合併特例債等の償還により、高い水準で推移しているが、新規発行額の抑制及び普通交付税算入率の高い起債借入により、前年度より1.2%改善し15.5%と年々減少している。しかし類似団体平均も減少しているので、依然、平均と比較して5.5%高い。平成29年度以降も、第3次宇陀市行政改革大綱による発行総額の抑制により、さらに、比率を減少させるよう努めるが、合併特例債の発行期限が近づいているため高い水準で市債を発行していくと、改善のスピードは鈍る可能性がある。
類似団体平均と比較して高い理由は、地方債現在高が高いこと、公営企業等繰出額が高いこと、職員数が多いため退職手当負担額が高いことが要因となっている。昨年より、6.3%改善した理由は、地方債現在高の減少、繰出見込額の減少、職員数が減少したことに伴う職員手当負担額の減少である。しかし、県広域消防組合等一部事務組合(宇陀消防事業)への負担は年々増加している。公営企業債繰出額や地方債現在高については、今後も高い水準が続く見込みである。合併特例債の発行期限が近づいており、引き続き、新規発行額の抑制を行うことが難しくなり、職員の定員適正化計画の推進などを行うが、分母である、標準財政規模も減少しており、比率が今後悪化していくことが考えられる。
類似団体平均と比較して人件費が多い要因は、合併前の職員を引き継いでいること、施設が多いことによるものである。職員数については、第2次宇陀市行政改革大綱において、平成22から26年度の5年間で普通会計職員数を10%削減することを目標としていたが、早期退職制度の導入等により20%近く削減することができた。年々職員数は減少しており、平成28年度も昨年度に比べ11名減っている。人口1000人当たりの職員数も、類似団体に年々近づいている。職員給料カットも平成28年度も引き続き行っている。しかし、他団体と比べ年齢構成が高い傾向にあり、依然として人件費が多い状況にあるので、第3次宇陀市行政改革大綱に基づき、人件費の抑制に努めていく。
物件費については、類似団体平均と比較して、良好な状態にある。類似団体が0.6ポイントの増加に対し、宇陀市は0.2ポイントの増となった。昨年同様増加の理由は、委託料や修繕料等の増加による。今後も、職員数削減に伴い、委託料が年々増加していくことも考えられる。また、施設の老朽化に伴い修繕料も増加していく。歳出全体のバランスを考慮しながら、物件費についても適正な執行を行っていく。
扶助費については、類似団体平均を下回っており、比較して良好な状態にある。児童福祉費は少子化により減少しているが、生活保護費や障害福祉費等は増加しており、扶助費総額は、年々増加していることから、今後も適正な資格審査等、管理に努める。
その他については、類似団体平均と比較して、良好な状態にある。率は、昨年度と比較して3.8ポイント増である。これは、後期高齢者医療広域連合負担金の計上科目を補助費等より繰出金へ変更したことによる。他団体と同様の取り扱いをしたことにより、両科目とも類似団体平均に近づいた。高齢化による医療費増に伴う国民健康保険事業会計、後期高齢者医療事業会計と介護保険事業会計繰出金の増、施設等老朽化による下水道事業会計への繰出金、維持補修費の増は続く予想であるが、第3次宇陀市行政改革大綱により、各特別会計の安定運営に向けて推進し、その結果、普通会計の負担額を減らすよう、今後も適正な管理に努める。
補助費等が類似団体平均と比較して高い要因は、法適公営企業への繰出金が多いことであるが、それ以外に、近年では消防業務やごみ収集業務、し尿処理などの一部事務組合への負担金の増、また公共交通維持のための負担金増などがあげられる。昨年度に比べて減少したのは、後期高齢者医療広域連合負担金の計上科目を平成28年度より繰出金へ変更したことによる。地理的要因や高齢化などにより、消防やごみ等処理施設、公共交通維持、については、今後も負担金が多くなる可能性がある。また、法適公営企業に対しての補助金も増加が見込まれるため、各企業の経営戦略策定による事業見直しにより縮減に努めていく。
償還額の減少により、年々率は改善しているが、依然として類似団体平均と比較して6.6ポイント上回っている。自主財源に乏しいため、普通会計において合併以前は、地総債、過疎債、公住債等に、合併後は、特に合併特例債に財源を求めてきた。公債費比率を抑制するため、第3次宇陀市行政改革大綱において、投資的事業における新規発行額の抑制を策定し、また、奈良県市町村財政健全化支援事業貸付金などの有利な借換え利用により、改善を進めてきた。しかし、合併特例債の発行期限が近づいていること、施設の老朽化が進んでいることなどにより、公債費の抑制が鈍化する可能性がある。
公債費以外については、今年度は、平均値と同率になった。これまでは、若干、類似団体より良好な値であったが、昨年度より3ポイント増、類似団体平均で2.1ポイント増加した。経常一般財源の減少に伴い、一部事務組合負担金や公営企業繰出金、公共交通維持への補助等、補助費等の高止まりや国民健康保険事業会計や介護保険事業会計、下水道事業会計など特別会計への繰出金が増加しているためである。今後も財源の減る中、高止まりが見込まれるが、適正な管理を維持するように努める。
合併以前より財源を地方債に求めてきたため、旧町村での過疎債や、公住債、土地開発公社の健全化による用先債、合併特例債等の償還により、高い水準で推移しているが、宇陀市行政改革大綱による新規発行額の抑制及び普通交付税算入率の高い起債借入により、年々改善してきている。しかし、今後は、合併特例債の発行期限が平成32年に迫り、各公共施設等の老朽化による更新・改修などの増加により起債発行額が増加していくことが予想される。公営企業も含めた施設等の老朽化に伴う対策と、持続可能な財政運営による地方債の新規発行抑制とのバランスを考えた適正な施設等管理について検討を進める必要がある。