地域において担っている役割
兵庫県北西部に位置し人口減少及び高齢化が進む地域において、市内唯一の急性期病院であり、へき地拠点病院の指定を受けている当院は診療所では提供が困難な救急・急性期医療を提供していくことに加え、地域包括ケアシステムの基幹病院としての役割も担っている。
経営の健全性・効率性について
地域の医療ニーズに沿った病床数・病床機能の見直しにより、地域完結型の医療を確立するため、回復期病棟の1床あたりの床面積を増やし療養環境の改善を図りました。これにより、上位の施設基準を取得し、200床未満の病院としたことに伴う診療報酬の算定変更などにより、入院・外来とも1日1人当たり収益は増加した。費用については、後発医薬品使用拡大による材料費の抑制、電力供給契約の見直しや院内照明のLED化などにより経費削減に努めた。病床利用率は減少傾向だが、1日1人当たり収益の増加や費用抑制により医業収支比率は昨年並みを維持している。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は68.4%と平均値を14.3ポイント上回っています。平均値との差が大きく、施設・設備の老朽化は進んでいる状況です。特に医療機器の老朽化が進んでおり、減価償却率は80.7%と高くなっています。現病院は建築後34年が経過し、老朽化や新しい設備を導入する場所がない等の状況になっています。現在病院建替え事業を進めており、長期的・計画的な設備投資を行っていく。
全体総括
市内唯一の急性期病院であり、二次救急病院として急性期・回復期医療を維持確保し、地域包括ケアシステムの基幹病院としての役割を担っていく。施設の老朽化が進んでおり、適切な病床機能・医療ニーズに沿った病院建替えには、経営基盤の安定化が喫緊の課題であるため、新たな施設基準を取得することにより増収に努め、施設整備や医療機器の更新は計画的に最低限とし、病院改革プランに基づき経営改善に努めていく。