経営の状況について
本市では、山宮地場ソーラー、コウノトリ但馬空港地場ソーラー、竹貫地場ソーラーの計3ヵ所(5基)の発電所で発電を行い、関西電力株式会社に電力を供給している。【収益的収支比率】収益的収支比率は平均値を下回る数値となっているが、売電収入から営業費用を差し引いた余剰金(およそ3施設の営業費用分かそれ以上)を一般会計に繰り出し事業費に充てているため、収益的収支比率は100を少し超える値で推移している。【営業収支比率】固定価格買取制度により安定的に売電収入を得られているため、高い数値で推移している。営業費用のうち、大規模修繕費用、撤去費、建設改良費について施設設置から20年で見込み額を達成するように、毎年一定額を積み立てている。更に、一般会計に繰り出した金額が不要になった場合や売電収入が見込みより多かった場合も追加で積み立てるようにしている。【供給原価】営業費用の中に一般会計繰出金(営業収益分)が含まれているため、平均値よりも高い数値で推移している。【EBITDA】本市の電力事業特別会計では、売電収入から必要経費を差し引いた利益額を一般会計に繰り出し、温暖化対策に活用している。収益力を表すEBITDAの数値はこの繰出金を含めた額を差し引くため本市では本来毎年度0になるはずである。しかし、毎年、差額見込額を繰り出しているため0になっていない。※EBITDA=税引き前・利払い前・償却前利益
経営のリスクについて
【設備利用率】他地域と比べ雨量の多い地域のため、設備利用率(発電量)は平均値より低い数値で推移している。また、雪の影響により昨年度と比べ0.1%減少した。【修繕費比率】R02年度はR01年度よりも修繕が少なかったため、0.1%減少した。【企業債残高対料金収入比率】事業開始以降、企業債を利用していないため企業債残高対料金収入比率は毎年0%である。【FIT収入割合】すべての発電施設が固定価格買取制度の適用を受けているため、FIT収入割合は毎年度100%である。また、全収入がFITで占められているため、FIT適用期間が終了する令和14年度以降は、収入が大きく変動するリスクを抱えている。
全体総括
・営業開始以来、収益的収支比率及び営業収支比率が常に100%を超え、安定した売電収入の下で健全な事業経営が行われている。・売電収入から通常の維持管理費や基金積立金を差し引いた差額を一般会計に毎年繰出し、太陽光発電システム設置補助金や木質バイオマス機器導入補助金等の財源に充当しており、市の温暖化対策にも大きく寄与している。・経営のリスク対応としては、固定価格買取制度調達期間終了後の事業廃止を視野に入れて、事業開始時から基金を創設し、毎年、定額を積立て、施設の撤去費用の確保に努めている。また、安定的、継続的な売電収入を確保するため、定期的にパワコンや受電設備などを取替え、施設のメンテナンスも常時行っている。・今後についても、電気事業を取り巻く環境の変化に対応できるように、現状分析や将来見通しを踏まえた経営戦略に則り、引き続き安定した経営が可能となるよう努めていく。