経営の健全性・効率性について
公共下水道事業は,平成7年度から一部地域での供用を開始し,平成27度末での普及率は54.32%である。経費回収率は,100%を下回っており,使用料収入では,汚水処理費が賄えない状況である。不足は一般会計からの繰入金で賄っている。企業債残高対事業規模比率は,類似団体に比べて低いが,過去に借入れた建設改良の企業債の影響によって企業債の元利償還額が増加傾向にあり,その負担が経営を圧迫している。水洗化率は,類似団体に比べて低い数値になっている。要因としては,建設段階であり,供用開始後年数が浅いためと考えられる。
老朽化の状況について
公共下水道の供用開始時期は,平成7年度からで,管渠施設等は法定耐用年数の半分にも満たないものが多い。
全体総括
安定的な下水道事業を経営するためには,水洗化率の向上,維持管理費の削減,受益と負担のあり方などの見直しが必要となってくる。また,下水道計画区域の見直しといった投資の合理化を図る必要も出てくる。そのため,28年度から経営戦略の策定に向けて審議会を設置し,下水道経営のあり方について検討していく。また,水洗化率を向上させるため,引き続き専任職員による個別訪問を行い,未接続世帯の解消に努めていく。