地域において担っている役割
地域の中核的病院として、急性期医療を提供しており、輪番制による救急医療を担っている。回復期機能にも強みを持ち、地域包括ケア病床や回復期リハビリテーション病床の充実に加えて、ホスピス病床を備え、患者が住み慣れた地域で必要な医療を受けられる機能を確保している。災害拠点病院として、大規模災害発生時医療救護活動の拠点としての役割を担っている。また、研修医の受け入れや連携リハビリテーション医学講座による地域の医療従事者の育成にも貢献している。
経営の健全性・効率性について
新病院開院に伴う減価償却費の増加により②医業収支比率は減少したが、長期前受金など医業外収益の増加により①経常収支比率は95.3%と増加した。また昨年度除却した旧病院施設等の資産に対応する資本金等を処分し欠損補填を行ったことにより③累積欠損金比率は減少した。効率性について、④病床利用率は新病院移転後全ての病床において昨年度を上回った。収益面について、医業収益は増加し、患者1人1日あたり収益は⑤入院⑥外来共に増加した。費用面では、職員の増加、患者数の増加により給与費・材料費は増加したが、医業収益の増加により⑦職員給与費対医業収益比率及び⑧材料費対医業収益比率は減少した。
老朽化の状況について
新病院開院に伴う整備・更新により、①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率は平均を下回っている。③1床当たり有形固定資産については、駐車場整備工事の完了に伴い当該資産を取得したことから前年度と比べ増加した。平均と比べ固定資産は多く減価償却費が重荷となるため、資産の効率的な利用を促進するよう留意する必要がある。
全体総括
令和元年度は新病院完成後の実質的な1年目となった。患者数は増加し、病床利用率も平均を上回るなど、順当なスタートとなった。一方で減価償却が重荷となり医業収支比率が悪化していることから、診療収入の増加が安定的な経営の確立に重要であると考えられる。引き続き急性期医療及び救急医療を基本としながら地域に必要な医療を提供し、地域包括ケア病床、回復期リハビリテーション病床及びホスピス病床を最大限活用し、他の医療機関等との連携強化により医療機能を効率的に発揮して経営の健全化に取り組んでいく。