経営の健全性・効率性について
・当年度より地方公営企業法の財務規定等を適用し、事業を運営している。・「①経常収支比率」は101.81であり経営成績は良好である。類似団体平均と比較して「⑤経費回収率」が高く、「⑥汚水処理原価」が低いため、効率のよい経営ができているといえる。全国平均と比較すると改善の余地があると思われるものの、当市の事業規模が小さく規模の経済の効果が得にくいためである。・一方で「②累積欠損金比率」は平均より高く解消すべき欠損金が多いこと、「③流動比率」は平均より低く資金の流動性が低くなっていること、「④企業債残高対事業規模化率」においては事業規模に比して高いことから将来の資金確保が課題である。・前年度に引き続き水洗化人口が増加したことにより「⑧水洗化率」が上昇した。・今後も事業規模の拡大を行っていく予定であり、事業開始から30年程度経過後の令和20年度ごろまでは企業債の残高が上昇する見込みである。
老朽化の状況について
・全体的には「①有形固定資産減価償却率」の割合が3.39と低いことから老朽化の状況は小さい。・汚水施設については、整備が直近10年程度と比較的新しいため老朽化の状況はない。・雨水施設については、本市は低地にあり、昭和30年代より汚水処理に先行して雨水排除のため都市下水路として整備してきた。・汚水施設の整備に合わせて、雨水施設を公共下水道の施設として位置付け、順次整備している。雨水管の整備とともに老朽化した雨水ポンプ場の改築更新が急務となっている。・平成29年度に策定した下水道ストックマネジメント計画に基づき、老朽化した雨水管渠について計画的に更新を行っていく予定である。今後、重要な幹線の点検に向けて準備を進めていく。
全体総括
・令和元年度は供用開始から8ヶ年度目、かつ地方公営企業法の財務規定等の適用初年度であり、経営の健全性・効率性を分析するにあたっては過渡的な状況である。・引き続き汚水の面整備に努め、規模を拡大し、処理原価の低減・収益性の向上を図っていく。・合わせて、都市下水路として整備した雨水施設を順次公共下水道に取り込み、老朽化した雨水施設の改築更新を行っていく。・令和2年度より年度間の比較を行う。・令和元年度に地方公営企業法の財務規定等を適用したことに伴い同年度末に経営戦略の見直しを行った。令和7年度までは現行の経営戦略に基づき事業運営を行い、同年度に見直しを行う。