経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は60%台で推移しており100%には程遠い。また、経費回収率も60%前後で類似団体に比べても低い。また、水洗化率は類似団体に比べて高いが、これは普及促進による収益の上がり幅が少ないとも言え、経費の削減や使用料体系の見直しによる経営健全化が必要となる。汚水処理原価は類似団体とほぼ同等だが、県の流域下水道に接続しており、大きく削減するのは困難だと思われる。企業債残高対事業規模比率は類似団体に比べて低いが、今後は下水道事業が整備事業から更新事業へ推移していくことが想定され、更新事業のための企業債の増加が懸念される。
老朽化の状況について
当市においては、管路施設の修繕・補修については随時行ってきたところであるが、布設後50年を経過した管渠がまだないことから改善率は非常に低い。
全体総括
収益的収支比率や経費回収率が低く、経費の削減や収益の向上のための方策が必要である。また、企業債残高は平均値よりも低く、整備事業のピークも過ぎているものの、今後は下水道事業が整備事業から更新事業へ推移していくことが想定され、更新事業のための企業債の増加が懸念される。実際、最も古い管渠の50年経過が2年後に迫っており、老朽化した管渠の改築を計画的に行うために、ストックマネジメントと経営計画の策定による速やかな財政状況の見直しが健全化に直結すると考えられる。