経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は前年度から1.80ポイント低下したものの黒字決算であったため、②累積欠損金比率は前年度同様に0%となっている。その反面、⑤経費回収率は80%前後で推移しており、一般会計繰入金への依存度が高い状況である。持続可能な経営基盤を確立するためには、経費削減の取り組みを継続するとともに、使用料体系の見直しを行う必要がある。③流動比率は、預金残高の増加に加え、元金償還額の減少などにより0.79ポイント改善しているが、類似団体との比較ではまだ低い水準にある。④企業債残高対事業規模比率は、企業債残高の減少により120.64ポイント改善した。大規模な整備事業の予定がないことから今後も改善傾向が続くが、類似団体との比較では高い水準にある。⑤経費回収率は、水洗化率向上に伴う使用料収入の増加や利子償還金の減少と経費削減による汚水処理費用の減少により1.54ポイント改善し、類似団体を上回ったが、全国平均を19.93ポイント下回っている。⑥汚水処理原価は、利子償還金の減少や経費削減により前年度から2.88円/㎥減少し、類似団体より安価となった。一方、使用料単価は0.02円/㎥減の119.14円/㎥となり、今後も節水型機器の普及や世帯人員の減少などにより減少することが想定される。⑧水洗化率は、1.2ポイント改善し、類似団体や全国平均との差は着実に埋まっている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率が前年度と同様の伸び率で、②管渠老朽化率と③管渠改善率が低いことから、新しい管渠が多い状況である。①有形固定資産減価償却率は、3.31ポイントの増で前年度と同様の伸び率となっている。大規模な整備事業の予定がないことから当分の間は同様の伸び率となる見込みである。②管渠老朽化率は0%であり、類似団体や全国平均に比べ新しい管渠が多い状況である。③管渠改善率は、昨年度同様に類似団体と同水準で、長寿命化も含めて改築更新が平準化されるよう布設替等を実施している。
全体総括
一般会計繰入金への依存体質からの脱却に向け、使用料体系の適正化が今後の最重点課題となる。また、持続可能な経営基盤を確立するためには、水洗化率の向上を図るとともに、維持管理の効率化、投資の適正化による新規企業債の発行抑制などによる更なる費用の削減に努めていく必要がある。なお、経営戦略は令和元年度中に策定し、公表する予定である。