経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、102.03%であり、主な経常収益は給水収益である。②累積欠損金比率は0%であり、累積欠損金はない。しかしながら、施設の老朽化が進んできているため、更新費用がかかることにより、今後数値が上昇していく懸念がある。③流動比率は全国平均を大きく上回っており、不良債務はない。④企業債残高対給水収益比率は、H28・H29年度に公営企業会計適用のため資産調査等を実施するための町債が反映されており、類似団体平均値、全国平均と比較してもかなり低くなっている。⑤料金回収率は、給水に係る費用を給水収益で賄えている。⑥給水原価は、類似団体平均値、全国平均を大きく下回っているが、更新工事が始まると急上昇する恐れがあるため、収益を黒字に保ちながらの更新計画が必要であると考える。⑦施設利用率は類似団体平均値、全国平均のいずれも上回っており、一定の施設効率性を保っていると考える。⑧有収率は類似団体平均値、全国平均と比較して低く、配水管や給水装置の老朽化による漏水等が考えられる。漏水の早期発見と計画的な管更新が必要であると考える。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率の状況は、類似団体平均値、全国平均を下回っているが、令和元年度より法適用へ移行した際に資産価値を経過年数分減じて評価し直したうえで減価償却をおこなったことが原因と考えられる。②管路経年化率は、簡易水道管路の大半が民営による水道事業からの受贈によるものであるため、0%としていたが、精査した結果、R2年度は67.54%となった。既に耐用年数を超えた管路が多数あることから、計画的な管路更新が必要になると考える。③管路更新率は、各簡易水道事業とも経営規模が小さく、予算の制約が大きいため進んでいない。財源確保のためには使用料金の値上げ等も検討していかねばならないと考える。
全体総括
例年同様、施設及び管路更新が進まず有収率は低水準のままである。経営は黒字であり、健全であるように見えるが、今後想定される人口減少や更新工事が始まると赤字に転じる可能性は否めない。起債や使用料の値上げ等多角的に経営の健全化を図りつつ施設の更新計画を作成する必要がある。また、各簡易水道事業において、経営戦略を策定し、効率的な事業運営を推進するとともに更なる経費削減に努めていく。