経営の健全性・効率性について
令和元年度より、公営企業会計に移行し、法適用となって初めての決算を迎えた。①経常収支比率は、104.22%であり、その主な経常収益は給水収益である。また、②累積欠損金比率も0%であり、欠損金はない。しかしながら、施設の老朽化が進んできているため、更新費用がかかることにより、今後数値が下降していく懸念がある。④企業債残高対給水収益比率はH28・H29年度に公営企業会計適用のため資産調査等を実施するための町債が反映されており、類似団体平均値、全国平均と比較してもかなり低くなっている。⑤料金回収率は、給水収益で給水費用を賄えている。⑥給水原価は、類似団体平均値、全国平均を大きく下回っているが、更新工事が始まると急上昇する恐れがあるため、収益を黒字に保ちながらの更新計画が必要であると考える。⑧有収率は類似団体平均値、全国平均と比較して低く、管の老朽化に伴う漏水等が考えられる。漏水の早期発見と計画的な管更新が必要であると考える。
老朽化の状況について
①施設全体の減価償却の状況は、平均を大きく下回っているが、令和元年度より法適へ移行した際に資産価値を経過年数分減じて評価し直したうえで減価償却をおこなったことが要因と考えられる。②管路の経年劣化率は0%となっているが、これは、簡易水道管路の大半は民営による水道事業からの受贈によるものであり、正確な経年化率が不明であるため0%となっている。実際は耐用年数を超えた管路が多数あると考える。③管路更新については、各簡易水道事業とも経営規模が小さく、予算の制約が大きいため進んでいない。財源確保のためには、使用料金の値上げなどの検討もしていかねばならないと考える。管路の老朽化に伴い、漏水による修繕が増加することが予想されるため、更新計画の作成をしていく必要がある。
全体総括
例年同様、施設及び管路の更新が進まず有収率が低水準のままである。経営は黒字であり健全であるように見えるが、今後想定される人口減少や更新工事が始まると赤字に転じる可能性を否めない。起債や使用料の値上げ等多角的に経営の健全化を図りつつ更新を始める計画を作成する必要がある。また、公営企業会計に移行し、経営の可視化を図ることが出来たため、効率的な事業運営を推進するとともに更なる経費節減に努めていく。