磐田市：磐田市立総合病院

地域において担っている役割

中東遠二次医療圏を中心とした静岡県西部地域における中核病院として、医師・看護師・薬剤師・その他医療技術者の確保と、地域の医療ニーズに対応するため必要な医療機器や設備の充実を図り、病診連携・病病連携を推進している。①高度急性期・急性期医療の提供②公立病院として政策医療の提供③各種センター機能の維持強化④地域医療機関との連携強化⑤教育支援・医療情報の発信

経営の健全性・効率性について

経常収支比率が0.7ポイント悪化したのは、消費税率のアップと医業外収益への市からの繰入金の減少が影響している。また、医業収支比率は、前年並みとなっている。累積欠損金比率が高いのは、高額な減価償却費等により純損失が続いているためである。病床利用率は、新入院患者が増えたため前年より0.2ポイント改善している。1人1日当たり入院収益・外来収益は、平均値を下回っているが、診療科構成や医師の偏在等の影響もあるため、すぐに改善することは難しい。職員給与費対医業収益比率が平均値より高い理由は、入院・外来収益が平均より低いことと、初任給が高く、周辺より地域手当が高いことなどが影響している。医師・看護師不足の地域であり、制度上の問題もあるため短期間での改善は難しい。材料費対医業収益比率は、薬品費や診療材料費の増加により昨年より1.2ポイント上がっている。

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率は65.9％であり、平均値よりも13.4ポイント高く、有形固定資産の老朽化が進んでいる。これは平成10年の病院開院から22年が経過したことによるものである。器械備品減価償却率は前年から2.3ポイント上がっている。１床当たり有形固定資産が約6,470万円と平均値を約750万円上回っているが、これは備品の購入・更新に積極的に投資しているためである。

全体総括

令和元年度は、前年度と比べ収益・費用共に増加した結果、ほぼ前年並みの赤字額となった。収益面では、平均在院日数を短縮しながらも新入院患者を増やし病床利用率を維持できたことや手術件数を増やしたことで、入院収益を増やすことができた。外来収益も抗がん剤などの高額薬剤の使用が増えたことにより増加している。しかし、入院・外来とも１人1日当たり収益が平均値より低いため、引き続き単価アップに努めていく。費用面では、今いる人材の有効活用に努め職員数を増やさないことで職員給与費を抑制し、黒字化を目指していく。施設の老朽化には、2031年までの修繕計画をたて、計画的に対応している。