経営の健全性・効率性について
本年度は、法非適用から法適用に移行した年度で、3月31日をもって打切決算となりました。そのため、未収金及び未払金が生じ、全体的に健全経営に映ります。しかし、①収益的収支比率は、100%を超えていますが未払金があり、それを含めると前年度と同様の状況です。処理区域内人口が非常に少なく、使用料収入では経費を賄えず、一般会計繰入金で収支比率100%を保持している状況です。早急の料金改定が必要ですが、収支均衡となる料金改定は困難であり、今後も一般会計繰入金が必要です。④企業債残高対事業規模比率は、全国・類似団体の2倍以上となっており、計画人口が実人口と大きく乖離していたことが要因と判断しています。⑤経費回収率は、全国・類似団体と比較し高水準となっていますが、未払金があるためです。設備は耐用年数を超えており、修繕・更新が必要な時期となるため、今後は低下すると予測しています。⑥汚水処理原価は、全国・類似団体よりも安価ですが、接続率が100%のため使用料収入の増加は見込めません。⑦施設利用率は、全国・類似団体を下回っており、20%と低く事業計画が過大であったと言わざるを得ません。近隣処理区まで遠く統合は困難なため、今後も人口減少による利用率低下を予測しています。⑧水洗化率は、100%ですが、少子高齢化により接続世帯数及び人口減少が考えられます。
老朽化の状況について
小規模集合排水処理事業は、平成8年度に供用開始し、20年以上を経過しています。処理水量は非常に少ない状況です。設備の経年劣化が進み、今後修繕・更新費用が必要になります。平成27年度に最適整備構想を策定しており、設備の更新時期等の計画を策定していきます。
全体総括
処理人口30人の汚水処理施設であり、今後も人口増加は見込めず、少子高齢化による人口減少が想定されます。今後、処理場の機能強化の際は、適切な規模の処理場改修費と個別排水処理事業への切替費用を比較検討する必要があります。少子高齢化・節水機器等の普及により料金収入の増加は見込めない状況にあるため、計画的な使用料改定を視野に入れていく必要があります。