経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、料金収入の減少により若干下降している。料金回収率は、経常経費が増加し給水原価が上がったため、若干下降している。累積欠損金比率は、0%で安定している。流動比率は向上し、類似団体及び全国平均より高い水準となってきた。企業債残高対給水収益比率は、対類似団体と比べ若干低い値であるが、起債残高は減少傾向であるため、今後は下降が期待できる。給水原価は、他団体と比較して高い傾向にあり、ここ数年は横ばいの状態である。当町は全町水道計画を実現する中で地形的な要因から人口に対する施設規模が比較的大きくなり、建設改良費が増大してきた。このことにより営業費用に占める維持管理費並びに減価償却費及び資産減耗費が大きくなっており、給水原価を上げる要因となっている。今後、人口減少による有収水量の減少からさらなる給水原価の上昇が予測される。不断の経費節減に努め、将来を見通した施設の見直し、抜本的な経常費用削減を進める必要がある。施設利用率は、昨年より減少しているが、類似団体と比べ高い水準であり、施設が有効利用されている。老朽管の更新が概ね完了し、経年管がなくなったことから漏水がほぼなくなり高い有収率を確保している。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、固定資産台帳の見直しに伴い、類似団体と同程度の水準を維持している。管路は、計画的に老朽管更新を進めてきた結果、最も古いもので30年を経過しており、法定耐用年数を超えた施設はない。このことが高い有収率を支えている。管路以外の施設は40年を超え、耐用年数を超えるものも出始めてきているが、現時点では、早急に更新が必要な施設はない。機械や電気設備については、突発的な修繕に対応する一方で計画的な更新を進めている。今後、平成元年度に簡水統合整備事業において整備した施設の更新時期が到来する。人口減少や有収水量減に対応するため、施設のダウンサイジングやスペックダウンを検討する必要がある。アセットマネジメントの手法も利用して計画的な設備更新が必要である。
全体総括
現在、当町の水道事業の経営状況は概ね健全でありますが、今後、給水人口及び給水戸数の減少とともに、給水収益の減少が見込まれます。一方で、老朽化した施設の更新、管路の耐震化などによる費用の増加が今後見込まれます。アセットマネジメントにより老朽化施設の更新及び管路の耐震化を計画的に実施しするとともに、適正な時期に必要に応じて料金改定を行うことが求められます。平成29年3月に策定した「経営戦略」に基づき、引き続き効率化等を推進し、今後とも健全経営に努めていきます。