農業集落排水施設 小規模集合排水 簡易水道事業(法適用) 公共下水道 簡易水道事業(法適用)
2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度
令和3年に公表された国勢調査で、村の人口は4,649人と5年前の同調査に比べ201人減少、比率にして-4.1%となり、今後も減少傾向は続く見込みとなっている。さらに65歳以上の割合は5年前に比べ3.7ポイント悪化し、5.4%に達しており、それに伴い生産年齢人口も年々減少している。これら人口減少及び少子高齢化、また、これに伴う地域の担い手不足は、本村の存続にも関わる喫緊の課題となっている。村では、第6次総合計画や第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略及び過疎地域持続的発展計画などの長期計画を基本とし、課題である少子高齢化、地域力の維持、子育て支援、農地保全や農業などの地域資源を活かした村の魅力創生と商工業振興施策などに重点に置き、DXなど行政効率化を進める努ことにより財政健全化を図っていく。
令和2年度決算では、経常収支比率が前年度比2.8%減の75.2%となっている。比率を下げた主な要因は、特別交付税を含む交付税の増と公債費の減少によるところが大きい。一方で数値を押し上げる要因となっている公営企業会計や特別会計への基準内操出にあたる補助費が今後、比率を押し上げる要因になってくる可能性が高い。対策として、公営企業である下水道事業においては、更なる水洗化率と使用料徴収率の向上を図り、DX化などの事務事業の見直し、近隣市町村との広域化などの検討を進め経営基盤の強化に取り組んでいく。国保・介護保険の特別事業においては、受給者の増加に伴い給付費も増加することから、予防事業を推進することにより受給者数及び給付費の減少に努めていく。
人口一人当たりの人件費・物件費は類似団体平均を下回っている。当村では、平成18年度から一部の公共用施設について指定管理者制度を導入し職員・委託費の軽減及び施設の利活用の促進を図っている。また、事務経費については、加除法規などのWeb化、事務消耗品や受信料等の一括支払い等により経費節減に努めており、さらに大規模施設の高圧電気料について、平成30年度からプロバイダーを通じて入札を実施し、最低価格を提示した事業者から電力供給を行い、高圧電力使用の5施設で年間約450万円(中電比)の節減を図っている。今後低圧電力についても同様に供給先の見直しを進めていく。
平成18年度実施の給与構造見直しの中で一部国の見直しと差違があり類似団体平均を1.8ポイント上回った。それ以降は、類似団体平均をと1ポイント上下する状態が続いているが、いずれも国の給与水準を下回っており、今後も類似団体平均値とほぼ同水準で推移するよう各種手当や給与等の適正化に努めていく。
昨年度に比べ若干増となっているが、この要因として会計年度任用職員制度の導入などがあげられる。また令和2年度の人件費に係る経常収支比率は20.5%であるが、硬直化率が高いと言われる40%を大きく下回っている。令和2年10月には組織機構の見直しを実施し、適正な人員配置に向けた取り組みを進めている。今後、職員配置が必要な施設の精査や課数の適正化なども検討する必要がある。なお、令和3の地方公務員法改正による職員の定年退職年齢引き上げに伴う役職定年制の導入で人事の硬直化を招かない取り組みも重要となる。条件不利地域であり、さらに人口が少なく職員数も限られる当村では、一人ひとりの職員に頼る割合が大きいため、人材に係る経費を単純にコストと捉えず社会投資として捉える視点を持つことが重要である。
公債費負担比率は前年度比0.8%減の1.5%となり、類似団体平均を下大幅に下回った。主な要因として、過去に実施した大型事業(文化センター建設や下水道事業など)の公債費のピークが過ぎたことや、数年にわたって実施した地方債の繰上償還による地方債残高の負担軽減策が挙げられる。しかし、平成18年度までの14年間にわたり実施した下水道事業に係る起債の償還については、長期に渡り一般会計からの繰り出しに依存せざるを得ない状況が続くことから、更なる水洗化率と使用料徴収率の向上を図り、償還財源の確保策を進め、今後の老朽化した施設の大規模改修や建替えなど大型事業を行う際は、国県の補助金や交付金とセットで起債借入れを行うなど、できる限り公債費の抑制策と平準化策を併せて財政運営を行っていく。
前年度に引き続き将来負担算定比率は、算定数値「無し」で類似団体平均値を大きく下回り、健全と判断される指標となっている。主な要因としては、過去に実施した大型事業(文化センター建設や下水道事業など)の公債費のピークが過ぎたこと、さらに数年にわたって実施した地方債の繰上償還による地方債残高の負担軽減策が挙げられる。今後も、公債費等義務的経費の抑制及び平準化を中心とする財政運営を進め健全化に努める。
集中改革プランにより定数等について行政改革を行い、平成21年度以降は減少を続け、平成26年度からは類似団体平均を下回っている。当村は条件不利地域であり、さらに人口が少なく職員数も限られることから、一人ひとりの職員に頼る割合が大きい。人材に係る経費を単純にコストと捉えず社会投資として捉える視点を持つことが重要である。
平成18年度以降、公共用施設について指定管理者制度を導入し委託費の軽減を図っている。また、事務経費については、加除法規などのWeb化、事務消耗品や受信料等の一括支払い等により経費節減に努めている。さらに大規模施設の高圧電気料について、平成30年度からプロバイダーを通じて入札を実施し、最低価格を提示した事業者から電力供給を行い、高圧電力使用の5施設で年間約450万円(中電比)の節減を図っている。
扶助費は年々増加しており、平成27年度以降、類似団体を上回っている。令和元年度以降、福祉医療費給付や自立支援医療給付(重度利用サービス等)の増加など当該費目は今後も上昇傾向が続く見込みのため、適正な給付となるよう適正な資格審査を行いつつ、住民が安心して暮らし続けられる村となるよう、福祉・扶助費に充分な額を確保できるようバランスのとれた財政運営を行っていく。
その他分については、全国及び県平均を大きく上回っていたが、令和2年度に公共下水道事業及び農業集落排水事業が法適用の公営企業会計に移行したことで操出金が大幅減となり類似団体平均を下回った。その他数値を上げる要因となる国保・介護保険事業会計への操出について、保険料の適正化や予防事業を推進することにより受給者数及び給付費の減少に努めていく。
令和元年度まで類似団体平均を下回っていたが、令和2年度に公共下水道事業及び農業集落排水事業が法適用の公営企業会計に移行したことで補助費が大幅増となっている。引き続き、下水道事業においては、更なる水洗化率と使用料徴収率の向上を図り、またDX化などの事務事業の見直し、近隣市町村との広域化などの検討を進め、経営基盤の強化に取り組み補助費の軽減を図っていく。
一般会計の公債費では、平成10年度までに集中的に実施した教育文化施設整備等の負担が徐々に縮小してきたことなどにより、平成21年度を境に類似団体を下回る状態まで改善している。公債費に準ずる費用では、下水道事業会計において、平成5~平成18年度までの14年間にわたり実施した下水道事業の償還に対するもので、維持管理中心の事業構成となっていることから、現在減少傾向となっている。
住民が必要とする事業を見極め、子どもからお年寄りまでが安心して暮らし続けられる村となるよう、福祉や教育、防災に充分な額を確保できるハードとソフト事業のバランスのとれた財政運営を行っていく。その中でも、住民が安心して暮らしていくための医療・福祉の充実、教育・子育て支援、さらには防災など公でしかできなことに重点を置き、民間事業者や住民とは支援を通じた伴走を目指していく。
・令和2年度末の基金残高は、一般会計で約22億8,200万円となっており、前年度から約1億3,500万円の増加となっている。これは、公共施設等整備基金に約6,000万円、災害対策基金に4,000万円、地域づくり基金1,700万円などの積立てをした一方で、福祉基金から3,900万円の取り崩しを行い、生活福祉資金貸付制度創設交付金の財源としたものが主な要因である。(今後の方針)・村税の減収などの不測の事態への対応に加え、老朽化した公共施設の更新整備や大規模改修など、今後の財政需要の増大にも適切に対応していけるように一定額を確保していく。しかし、現在の基金残高では、短期的な歳入不足や災害などの緊急に不測の事態には十分な額を備えているが、長期的な財源不足が生じた場合には不足する恐れが高いことから、さらなる積立てや収入確保策に努めていく。今後も長期的な財政の持続可能性を見据えたうえで、各種施設の更新計画や長寿命化策を示した中長期計画に基づく予算編成により、村債や基金の適切な管理と公共施設の管理を行い、次世代へ負担を先延ばししない責任ある財政運営を堅持していく。
(増減理由)・令和2年度末の基金残高は約10億7,100万円となっており、前年度から250万円の増加となっている。・平成18年度以降、財政構造改革として、歳入歳出両面にわたる取組を進めてきたが、そうした取組をしてもなお、解消できない財源不足額や、災害や国補正等の対応については、財源調整的な基金の取り崩し等により対応してきた。令和2年度においては、例年見込んでいる250万円のみ積立てを行った。(今後の方針)・景気後退による村税の減収や、東海地震や南海トラフ地震等甚大な被害の発生をもたらす大震災等不測の事態に備えるため、これまで同様、予算編成や予算執行における効率化及び健全財政の運営を着実に進め、最低でも標準財政規模の1/2、予算規模の1/3である約12億円の残高を確保できるよう引き続き努めていく。
(増減理由)・令和2年度末の基金残高は約1億4,300万円となっており、基金の利子分を積み立てたことにより前年度から5万円の増加となっている。(今後の方針)・今後の金利変動等の公債費の償還リスクに備えるため、本村が実施している健全な財政運営を引き続き進め、日々の長期貸付等利率の変動状況をチェックし、リスクの高い村債については繰上げ償還の実施を引き続き検討していく。
(基金の使途)①公共施設等整備基金:将来における公共施設等の維持補修・整備に必要な費用の財源に充てる資金の積み立て②地域医療確保対策基金:地域医療の確保対策に必要な費用の財源に充てる資金の積み立て③福祉基金:福祉の向上、快適な生活環境の形成等を図る費用の財源に充てる資金の積み立て④災害対策基金:災害予防対策、災害応急対策及び災害復旧に要する経費等の財源に充てる資金の積み立て⑤美しい村づくり基金:美しい村づくり事業、空き家対策事業等の推進に必要な費用の財源に充てる資金の積み立て(増減理由)①公共施設整備基金:長期計画に則った財政運営を行ったことにより約6千万円の積立てを実施。②地域医療確保対策基金:基金の利子分を積み立てたことにより前年度から5万円の増加となっている。③福祉基金:介護保険事業特別会計操出金へ充てるため、390万円を取り崩したことにより減少。④災害対策基金:長期計画に則った財政運営を行ったことにより約4千万円の積立てを実施。⑤美しい村づくり基金:基金の見直しに伴う統廃合・新設による増加(今後の方針)①公共施設等整備基金:今後、昭和50年代以降に建設した学校や文化施設の老朽化に伴う建替えや大規模改修の課題が、2020年代後半から顕在化してくるため、毎年5千万円程度を積立て、予算規模の1/3である約12億円の残高を確保できるよう引き続き努めていく。②地域医療確保対策基金:高度医療機器の整備などを含め、条件不利地域が医療の不利地域とならないよう1億円の残高を確保できるよう努めていく。③福祉基金:高齢者や障がい者が住み慣れた地域で安心して生活ができる施策に活用するため1億5千万円の残高を確保できるよう努める。④災害対策基金:昭和36年(1961年)発生の三六災害級の大型豪雨災害に備えるため、2億円の残高を確保できるよう引き続き努めていく。⑤美しい村づくり基金:三遠南信自動車道やリニア中央新幹線開通を見据えた関係人口創出の取り組みを図れるよう積立てを行う。
有形固定資産減価償却率については、建設から20~30年を経過した施設が増えているため、増加傾向にあり、類似団体内平均値を上回っている。特に昭和50年代に建設された学校教育施設等の更新時期が迫っており、さらに上昇することが予想される。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、施設更新時期等にはその施設に係る事務事業や利用価値について再検討し、縮減、統合、廃止の可能性についても検討していく。
平成8年度から9年度にかけて実施された文化センター建設事業に係る過疎債償還の終了、また平成5年度から約10年間続いた下水道事業の償還のピークが過ぎたこと、さらに平成20年度から28年度にかけての約10億円の繰上償還による地方債残高の増加抑制等により、類似団体内平均値と比較すると若干低い値となっており、全国平均及び長野県平均と比較しても低い値となっている。今後も債務償還比率については300%を上限の目安と捉え、今後も借入総額の制限を行い、償還額の平準化に取り組んでいく。
将来負担比率は、算定数値「無し」で類似団体内平均値を大きく下回っている。一方で、有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値よりも高く、上昇傾向にあるが、主な要因としては昭和40年代に建設された中学校1校が有形固定資産減価償却率96.8%、昭和50年代に建設された役場庁舎が同80.0%であることなどが挙げられる。老朽化対策に取り組むとともに、施設更新時期等には利用価値等についても再検討し、縮減、統合、廃止の可能性についても検討していくことが必要である。
実質公債費比率は、ここ数年の繰上償還により元利償還金が減少しており、準元利償還金を含めた実負担額についても減少傾向にある。ただし、今後想定される公共施設の老朽化に伴う整備を見込み、過疎債のソフト事業を有効に活用し、計画的な起債発行とより効率的な財政運営に努める。
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