大町市:大町総合病院

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収録データの年度

2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度

経営比較分析表(2020年度)

地域において担っている役割

当地域は、高齢化の進展により、一人暮らしや高齢者のみの世帯が増加する中、医療・介護の資源が不足し、その受け皿として公的医療機関である当病院が役割を担っている。また、地域の中核病院として急性期から慢性期まで幅広い医療を提供するとともに、地域で唯一の産科医療を有し、安心できる子育て環境に大きく寄与してきた。療養支援は、長期にわたる支援を実施し、在宅サービスでは訪問看護や訪問リハビリテーションの提供体制を有している。併設する老人保健施設と連携し、地域包括ケアシステムの一員として、地域の高齢者の生活を支えている。
201220132014201520162017201820192020202188%90%92%94%96%98%100%102%104%106%108%110%112%経常収支比率
201220132014201520162017201820192020202178%80%82%84%86%88%90%92%94%医業収支比率
201220132014201520162017201820192020202120%30%40%50%60%70%80%累積欠損金比率
201220132014201520162017201820192020202155%60%65%70%75%80%85%90%病床利用率
20122013201420152016201720182019202020213,350円3,400円3,450円3,500円3,550円3,600円3,650円3,700円3,750円3,800円3,850円3,900円3,950円4,000円入院患者1人1日当たり収益
20122013201420152016201720182019202020211,040円1,060円1,080円1,100円1,120円1,140円1,160円1,180円1,200円1,220円1,240円1,260円1,280円外来患者1人1日当たり収益
201220132014201520162017201820192020202163%64%65%66%67%68%69%70%71%72%73%74%職員給与費対医業収益比率
201220132014201520162017201820192020202114%14.5%15%15.5%16%16.5%17%17.5%材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

平成23年度以降、有利な施設基準を取得するための経営戦略として職員を増員してきたが、恒常的な医師不足により患者数が伸びず、職員増に見合う収益確保には至らなかったことが、赤字運営が継続してきた大きな要因となった。加えて、平成29年度決算では、入院収益が目標に達せず、退職給与費が増加したことなどにより資金収支がさらに悪化したことから、資金不足を補うための一時借入金が増加し、資金不足比率が経営健全化基準を超える事態となった。そのため、平成30年度において経営健全化計画を策定し、優位な診療報酬の確保のため許可病床数を278床から199床への変更や職員給与及び賞与の抑制など、計画の着実な取り組みを進めたことにより、③累積欠損金の削減が図られた。しかし、令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響による受診控え等があり患者数が減少したことから経営健全化の収益目標値は未達成となった。
201220132014201520162017201820192020202154%55%56%57%58%59%60%61%62%63%64%65%66%67%有形固定資産減価償却率
201220132014201520162017201820192020202168%70%72%74%76%78%80%82%84%器械備品減価償却率
20122013201420152016201720182019202020213,000,000円3,500,000円4,000,000円4,500,000円5,000,000円5,500,000円6,000,000円1床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

当病院は昭和46年建築の西棟、平成6年建築の東棟に加え、東日本大震災を教訓として平成27年に整備した南棟(被災患者受入施設)により構成される。南棟建設により①有形固定資産②機械備品の経年指標は改善しているが、療養病棟が入る西棟は建設から49年、急性期病棟・地域包括ケア病棟が入る東棟は26年が経過し、配管や設備の老朽化が進んでいる。しかしながら、厳しい経営状況にあることから、施設の維持管理や器械備品の更新に関しては、当面の間、必要最小限に止め、緊急性・必要性の高いものに優先順位を付けて行う。債務等の返済が落ち着く令和7年度を目標に、経営状況や医療需要等を考慮しながら、施設の建替え等を含めた総合的な検討を進め、今後の方向性を定めたい。

全体総括

安定的な収益確保の要である医師確保が進まない状況下であったにもかかわらず、他の医療スタッフ採用を先行し、その後の適正配置への対応が遅れたことが、⑦職員給与費対医業収益比率を押し上げてきた一因となってきた。そのため、許可病床数を199床に変更して入院、外来収益の増収に努めるとともに、職員給与費の抑制や委託料・材料費など支出の削減に取り組んだことにより、各指標において経営状況の改善が見られた。令和2年度末においては、一時借入金が減少し資金不足比率は解消が図られた。職員一丸となって収益確保とコスト削減意識を共有し、組織全体で効率的な病院経営への取り組みを進めるとともに、経営健全化計画を着実に実行することにより、さらなる経営改善につなげたい。