収益等の状況について
①収益的収支比率は129.5%で昨年度に引き続き、黒字決算となったが、新型コロナウィルスの感染拡大により、収益が大幅に減少したため、他会計からの繰入を行ったことによるもの。よって、②他会計補助金比率は、59.3%に上昇、③駐車台数1台当たりの他会計補助金額も408円となっている。(グラフのR02数値は桁誤りによるもの)④売上高GOP比率及び⑤EBITDA額についても、前年度と比べ落ちている。
資産等の状況について
⑦令和2年度の施設敷地の土地単価は、駅前であることから、近接の固定資産税の路線価で94,500円/㎡、相続税路線価で110,000円/㎡である。しかし、敷地は、JRの駅舎に沿った間口狭小の細長い土地で、土地価格はこれら単価から更に減価が予想される。他用途への転換は困難であり、現在の駐車場(建設から23年が経過)としての用途は、最有効利用の一つである状況。⑧設備投資見込額は、当面の修繕費用として自動精算機の新紙幣、硬貨への対応のため、5,200千円が見込まれる。⑩企業債残高対料金収入比率は、H29年度に施設改修工事を行う際、新たに起債したが、今後についても、収益状況や基金の積立状況をみながら資金調達し、また、計画的な修繕により、修繕費用の平準化を図る。
利用の状況について
⑪H30年度は、平均値並みの稼働率であったが、R01年度からは、年度末に新型コロナウイルス感染症により新幹線利用者の減少による影響が出始め、R02年度も前年度の4割と大幅な減少となった。上田駅(JR、しなの鉄道、上田電鉄別所線)駅舎に隣接しており、場所的な優位性があるが、新型コロナ感染拡大による影響で、新幹線利用者が大幅に減少していることから、駐車場利用状況にも影響が出ていると思われる。
全体総括
本施設の収入は駐車場使用料、支出は施設管理費用と限定的な収支構造であり、また、施設管理費用は人件費に係る支出が多くを占める状況である。一方、利用状況は、本施設の立地上の優位性により、安定的な利用料収入の確保が見込まれるが、上田駅や駅前ビル周辺施設の利用者は、ある程度の時間を駐車していることから、回転率を上げる方法での稼動率アップは見込めない。新型コロナの全国的な感染拡大により、都心への移動が自粛されるなどで新幹線利用者が大幅に減少したため、駐車場利用者数が大幅に減少した。今後、新型コロナウィルスの状況について注視していくとともに、引き続き人件費を含めた経常的な経費の削減と、計画的な修繕実施による修繕費用の平準化を図り、収益の回復に努めたい。