収益等の状況について
①収益的収支比率は127.3%でH29年度に引き続き、黒字決算。要因はH28年度に当初建設費用のための地方債の一部を償還(返済)したことによる、当該支出の減による。これに伴い、①他会計補助金比率及び③駐車台数1台当たりの他会計補助金額の各指標も0.0%、0円となっている。H30年度決算において、将来的な施設改修や更新に備え、利益剰余金の一部について基金への積立てを行った。④売上高GOP比率及び⑤EBITDA額については、類似施設平均値及び平成30年度全国平均値を上回る高い値で推移。このうち、⑤のH29年度の減事由は施設改修工事費用の支出によるもの。
資産等の状況について
⑦H30年度の施設敷地の土地単価は、駅前であることから、近接の固定資産税の路線価で94,500円/㎡、相続税路線価で110,000円/㎡である。しかし、敷地は、未接道で、JRの駅舎に沿った間口狭小の細長い土地で、土地価格はこれら単価から更に減価が予想される。他用途への転換は困難であり、現在の駐車場(建設から22年が経過)としての用途は、最有効利用の一つである状況。⑧設備投資見込額は、料金精算機器の更新や施設躯体の修繕費用等として、今後10年間で10,000千円を見込む。⑩企業債残高対料金収入比率は、H29年度に施設改修工事を行うため、新たに起債したが、今後についても、収益状況や基金の積立状況をみながら資金調達し、また、計画的な修繕により、修繕費用の平準化を図る。
利用の状況について
⑪稼動率は、H29年度は施設改修工事により利用できない期間があったため、類似施設平均値を下回ったが、H30年度は、平均値並みの稼働率となった。近隣には民間の時間貸し駐車場等の同種施設が多く、上田駅(JR、しなの鉄道、上田電鉄別所線)駅舎に隣接して在る、場所的な優位性もあり、引き続き、それらの利用客などの一定程度の利用が見込まれる。
全体総括
本施設の収入は駐車場使用料は、支出は施設管理費用と限定的な収支構造であり、また、施設管理費用は人件費に係る支出が多くを占める状況である。一方、利用状況は、本施設の立地上の優位性により、安定的な利用料収入の確保が見込まれるが、上田駅や駅前ビル周辺施設の利用者は、ある程度の時間を駐車していることから、回転率を上げる方法での稼動率アップは見込めない。このような中、引き続き人件費を含めた経常的な経費の削減と、計画的な修繕実施による修繕費用の平準化を図り、安定的な経営に努めたい。