収益等の状況について
駐車場建設時の地方債の償還の影響から、収益的収支比率(図①)は100%未満となっていたが、地方債の一部償還が完了したことに伴い、平成29年度は100%を超えた。また、料金収入で施設の維持管理費を賄えたことから、他会計補助金比率(図②)及び駐車台数一台当たりの他会計補助金額(図③)は0となった。今後も、地方債の償還額の減少に伴い収益的収支比率もさらに増加していくものと考えられる。売上高GOP比率(図④)及びEBITDA(図⑤)からも、類似施設の平均を大幅に上回る高い収益性が読み取れる。
資産等の状況について
駐車場周辺の地価公示価格が110,000円(駐車場の敷地より若干条件が良い)、駐車場の隣接地の固定資産評価額が94,240円となっている。駐車場建設時に隣接地で営業していた大型商業施設が撤退して以来、当該地域を民間に譲渡して高度利用を図ることが困難なエリアと考えられ、市民の利便性の向上に資する観点からも駐車場としての利用を継続することが妥当であると考える。設備投資見込額については、平成29年度に施設の一部老朽化に対応するための改修工事及び精算機器類等備品の更新を行った。地方債の償還については、企業債残高対料金収入比率(図⑩)が年々減少してきていたが、平成29年度に駐車場改修工事等を行うため新規に起債したことから増加した。
利用の状況について
稼働率(図⑪)は年々増加しており、平成28年度には類似施設平均を上回ったが、平成29年度に駐車場改修工事等により一時的に駐車場の利用制限をしたことから、稼働率が減少した。平成29年度後半、隣接地に民間駐車場が営業を開始したことから、今後も同様の傾向を維持できるかは不透明な状況である。
全体総括
駐車場の運営については、駐車場建設時の地方債償還の比重が重く、料金収入のみでは足りないため、一般会計からの繰入に頼っていた状況が続いていた。平成29年度以降、順次、地方債の償還が大幅に減少することや、図④、⑤から収益性の高い駐車場であることから、健全な運営が見込めるが、隣接地の民間駐車場の影響により、収入減も考えられるため、利用者向上に向け、指定管理者との連携を図り、民間能力の活用など行っていく。平成29年度に大規模な駐車場改修工事等を行ったが、今後も、施設の維持管理を計画的に行うことができるよう関係部署との調整を図っていく方針である。