経営の健全性・効率性について
○経営の健全性は、収益的収支比率が70%を割り、類似団体平均値よりも約11%ほど低く、企業債残高対給水収益比率や給水原価が高い状態である。このことは、簡易水道統合事業に伴い、起債の借入の増加により、起債残高および償還額が増加した影響が主な原因となっている。簡易水道統合による起債の償還額は今後、3年ほどは増加するが、その後は改善傾向に転じる見込みである。簡易水道の統合に伴い給水原価が減少したことにより、料金回収率が29年度より増加し、30年度は横ばいとなっているが、依然として平均値を下回っており、一般会計からの繰入金の依存度が高く、経営的に厳しい状況が続いている。○経営の効率性は、施設利用率が低く、施設能力としては余裕がある状態である。その原因は、給水人口の増加を見込んで整備された施設が、過疎化が進み、給水人口が減少したことにより使われていない施設が増加したことによるものである。
老朽化の状況について
管路更新率が低く、管路の更新が進んでいない状況であり、年月の経過とともに漏水の発生が増加すると予想できる。令和2年度より法適用化するため、老朽化の状況を把握するとともに、適切な更新計画を立て、管路の更新を実施し、有収率を悪化させないよう努めていく。
全体総括
事業経営は収益的収支比率や料金回収率の値が低いことや、簡易水道統合事業の影響により、企業債残高対給水収益比率や給水原価が高いことから、毎年、一般会計からの繰入を行っており、厳しい状況である。今後は、給水人口の減少により施設利用率が低く施設能力に余裕があることから、給水人口に合わせた施設のダウンサイジングにより費用の削減を目指し、令和2年度からの簡易水道事業の法適用化により資産や経営の状況を把握し、適切な管路の更新計画や水道料金の設定について検討していく必要がある。