経営の健全性・効率性について
③流動比率については、令和3年度全国平均及び類似団平均値と比較してもかなり低く、資金繰りが苦しい状態が続いています。これを解消するため、一時借入、資本費平準化債の導入により対応していますが、抜本的な解決とはなっていないことから、使用料の見直し、経費削減などにより3条予算の黒字化を図り、国が示す繰出基準に基づく一般会計からの繰出金の確保、適切な起債額の発行を設定を行うことより、現金等の流動資産の確保に努めます。④企業債残高対事業規模比率については、令和3年度全国平均及び類似団平均値よりも高い状況となっています。管渠整備に対する投資が概ね一段落する一方、施設の耐震化等の長寿命化対策に要する経費が必要となると見込んでおり、一定程度の事業費は確保することが必要となります。一方で、世代間負担の公平性を担保するため、資本費平準化債を有効に活用していくことが必要と考えられ、企業債残高の減少率は鈍化していくと予想されますが、徐々に健全な経営状態へ移行すると見込んでいます。⑤経費回収率については、100%を超え、令和3年度全国平均及び類似団体平均値を上回っている状態となっています。引き続き、接続率の向上による有収水量の増加に努めるとともに、適切な使用料となるよう、継続的な見直しを実施してまいります。⑥汚水処理原価については、令和3年度全国平均及び類似団体平均値と同程度となっています。汚水処理費(公費負担除く。)の削減及び接続率の向上による有収水量の増加に努め改善してまいります。⑦施設利用率については、令和3年度全国平均及び類似団体平均値より低く、また、前年度よりも低い数値となりました。これは、人口減少や、不明水対策等により処理水量が減少したためと考えられます。今後は、農業集落排水等の施設統合や下水道への接続勧奨等により施設利用率を上昇させること必要があります。⑧水洗化率については、令和3年度全国平均は下回りましたが、類似団体平均値より高い状態となっています。今後も接続率の向上の取組を推進し、水洗化率の向上を図ります。
老朽化の状況について
現在は法定耐用年数を経過した管路や施設がないことから、更新投資が必要な時期が到来していない状況にあります。今後については、管路や施設の法定耐用年数を踏まえて更新していくこととなりますが、ストックマネージメント計画に基づき、投資額の平準化を考慮しながら、更新する予定としております。
全体総括
昨年度と同様に、企業債残高が高く、流動化比率が低い等、経営の健全性に関する指標が劣っている状態となっています。魚津市においては、面的整備は概成に向かっていますが、今後は施設の耐震化対策を実施していく必要があります。起債については、事業債の平準化を図りつつ、世代間の負担の公平性を担保するため、資本費平準化債活用しますが、起債残高が平均値と比べ高い水準にあることから、徐々に減少させるよう事業費の平準化を考慮し、今後も資金管理の徹底を図ってまいります。他の指標については、特段劣っているものはありませんが、引き続き維持管理費の削減、施設規模の適正化等による効率的な汚水処理、水洗化率向上による有収水量の増加に努めてまります。また、経営戦略については、国から令和7年度までの見直しを求められていることもあり、適切な時期に見直してまいります。