2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
財政力指数は5年連続で減少している。一方では、単年度の財政力指数は1.020となり再び普通交付税不交付団体となった。基準財政需要額は対前年に比べ約1.1億円増のほぼ横ばいで、基準財政収入額が約6.6億円増加したことから収入額が需要額を約5.2億円上回った。基準財政収入額が伸びた要因は、市町村民税法人(1.8億円増)、固定資産税(1.6億円増)、地方消費税交付金(2.9億円増)が対前年に比べ大幅に伸びたことなどが主な要因となっている。景気回復の兆しが見えてはいるものの、個人市民税の収入が伸びなければ市税全体の大幅な増収が見込めないため、今後とも市税の伸縮に応じた弾力的な財政運営に努めていきたい。
経常収支比率は、歳入経常一般財源分が約11億円の増額、歳出経常一般財源分が約9.1億円の増額となり、ほぼ横ばいであった。歳入における主な変動要因として、地方税経常一般財源分が約8.6億円、地方消費税交付金が約3.3億円増額した。一方、株式等譲渡所得割交付金が約1.0億円減額、臨時財政対策債1.8億円が皆減した。歳出における主な変動要因として、人件費一般財源が約3.6億円、繰出金一般財源が約3.1億円、物件費一般財源が約1.0億円、および扶助費一般財源が約1.2億円増額した。本市では平成24年度から2箇年の人件費暫定削減を実施したが、繰出金の増額傾向や扶助費における国県支出金の動向によっては、さらに、経常収支比率悪化の可能性があるため、引き続きこれらの動向を慎重に見据えた事業計画の実施が求められる。
前年度と比較し人件費は職員給与暫定削減の終了による給与等の増加により、約2.9億円の増額となった。また、物件費は約2.6億円増額した。本市では職員数が多いことが主な要因で人件費が高くなっている。起伏に富んだ地形的特性により消防署が多いことなどから類似団体並みまで押し下げることは困難であるが、財政の硬直化を避けるため、「行政経営戦略プラン」に掲げる民間委託の推進等によりコスト削減を引き続き目指していく。
平成26年9月で本市において実施した平均7.7%の給与の暫定削減措置が終了した一方、平成26年10月に総合的な人事・給与制度の見直しを行ったことから、100.7となった。今後も引き続き適正な水準の維持に努める。
人口1000人当たりに対する職員数が全国平均や神奈川県平均と比較して多い要因としては、市全体が複雑な地形であるために消防署の数が多いことやごみ収集の委託化が途上にあることなどが挙げられる。職員の数については、これまでに平成11年度を始期とする第1次職員数適正化計画により平成16年度までに228人(12.7%)を削減、平成17年度を始期とする第2次職員数適正化計画により平成22年度までに146人(9.2%)を削減、平成24年度を始期とする第3次職員数適正化計画により平成26年度までに65人(4.7%)を削減している。現在は、第4次職員数適正化計画について検討を進めている。
平成19年度から継続して類似団体平均を大幅に下回っている。平成26年度は、元利償還金の額がやや増加したが、標準税収入額等が増加したことなどから横ばいであった。今後も引き続き後年度負担を考慮した事業執行及び起債管理を行い、適正な水準の維持に努める。
平成26年度は公営企業債等繰入見込額及び退職手当支給予定額が減額し、さらに充当可能財源(都市計画税)が増加したことにより、将来負担比率が21.4%改善した。今後も後年度への負担がかかる事業については慎重を期すとともに、新たな職員数適正化計画の策定を進めることにより、さらなる財政の健全化を図りたい。
人件費については、職員数の減少、人事院勧告に伴う給与支給額の減及び退職手当支給額の減、さらに平成24年8月からの暫定削減に伴い、2年続けての減となっていたが、暫定削減終了に伴い増に転じた。
一般廃棄物自区外処理委託料などによる増額があったが、歳入が増加したため、前年度より0.2ポイント改善した。今後は職員数適正化計画による職員数の減に対応した賃金の増などの要因により、微増傾向に転ずる可能性もあると考えている。
扶助費は、生活保護扶助事業に係る医療扶助費の増や障害者自立支援法の法内事業への移行が進んだことにより増加してきたが、平成25年度は、生活保護扶助事業、小児医療助成事業の事業費が減ったことにより減少に転じた。平成26年度については、平成25年度に減少に転じた生活保護扶助事業及び小児医療助成事業が増加に転じたことなどもあり、前年度より増加した。
介護保険事業特別会計や後期高齢者医療事業特別会計への繰出金が増となったことにより前年度より悪化した。今後は、国民健康保険事業特別会計や後期高齢者医療事業特別会計への繰出金は減少傾向に転ずるものと見込んでいる。
主に衛生債等の長期債元金償還金及び支払利子が減少したことにより、平成25年度までは普通会計で毎年約2~3億円の減少がみられたが、平成26年度は平成25年度とほぼ横ばいとなった。今後も継続して公債費の減額を図っていく。
人件費、扶助費および繰出金の経常収支比率が悪化したことにより、公債費以外が前年度より0.3ポイント増加した。今後は扶助費が増額傾向にあるため、公債費以外が増加していく傾向にあると分析している。