2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
財政力指数は4年連続で減少している。単年度の財政力指数は1を下回って0.999となり、制度創設以来初めての普通交付税交付団体となった。一方では、人件費が約8.4億円、公債費が約3.1億円の減少など、経常的経費が減少となり、数値的な財政状況としては前年より改善されている。基準財政収入額では、景気が緩やかな持ち直しが未だ個人市民税にまでは届かないまでも、法人市民税は増額し、また固定資産税やたばこ税なども増収となった結果、前年に比べ約0.5億円増加した。基準財政需要額は、社会福祉費や保健衛生費などが増額しており、臨時財政対策債振替相当額が大幅に減額している。景気回復の兆しが見えてはいるものの、個人市民税の収入が伸びなければ市税全体の大幅な増収が見込めないため、今後とも市税の伸縮に応じた弾力的な財政運営に努めていきたい。
経常収支比率が改善した主な原因は、人件費が約8.4億円、公債費が約3.1億円減少となったことによるものである。本市では平成24年度から2箇年の人件費暫定削減を実施したが、平成26年度の臨時財政対策債の発行可能額が皆減していくことや右肩上がりの扶助費の傾向が継続することが予想されることから、それに比例して経常一般財源等が減額していくことが考えられるため、今後も予断を許さない状況である。
前年度と比較し人件費は約8.4億円、物件費は約0.2億円減少した。本市では職員数が多いことが主な要因で人件費が高くなっているが、職員数適正化計画に基づく職員数の減少や、人事院勧告に伴う給与支給額の減などにより、前年度に引き続き人件費は減少している。起伏に富んだ地形的特性により消防署所が多いことなどから類似団体並みまで押し下げることは困難であるが、財政の硬直化を避けるため、「行政経営戦略プラン」に掲げる民間委託の推進等によりコスト削減を引き続き目指していく。
平成24年8月から本市において実施している平均7.7%の給与の暫定削減措置が継続している中で、国家公務員の給与減額支給措置が終了したことにより、指数は前年度と比較して8.0減の96.7となった。暫定削減措置が終了したことにより、次年度については指数の大幅な増加が見込まれていたが、平成26年10月に総合的な人事・給与制度の見直しを行い、給料表の改正等を行ったため、その伸びは多少抑制されるものと考える。
人口千人当たりに対する職員数が全国平均や神奈川県平均と比較して多い要因としては、市全体が複雑な地形であるために消防署の数が多いことやごみ収集の委託化が途上にあることなどが挙げられる。職員の数については、これまでに平成11年度を始期とする第1次職員数適正化計画により平成16年度までに228人(12.7%)を削減、平成17年度を始期とする第2次職員数適正化計画により平成22年度までに146人(9.2%)を削減、平成24年度を始期とする第3次職員数適正化計画により平成25年度までに42人(3.0%)を削減している。現在は、第3次職員数適正化計画により、平成23年4月1日の職員数を、平成27年4月1日までに103人削減する取組みを進めている一方で、平成28年以降の職員数適正化計画についても検討を進めている。
平成19年度から継続して類似団体平均を大幅に下回っている。平成25年度は、高金利地方債の償還が進んだことにより元利償還金の額が減額したことなどから下落した。今後も引き続き後年度負担を考慮した事業執行及び起債管理を行い、適正な水準の維持に努める。
平成25年度は地方債現在高及び退職手当支給予定額が減額したため、将来負担比率が12.2%改善した。全国平均と比較しても28.1ポイント下回っており、今後も後年度への負担がかかる事業については慎重を期すとともに、新たな職員数適正化計画の策定を進めることにより、さらなる財政の健全化を図りたい。
人件費については、職員数の減少、人事院勧告に伴う給与支給額の減及び退職手当支給額の減などにより、継続して減額傾向にあり、また平成24年8月から2年間、平均7.7%の給与の暫定削減措置を実施したことにより平成25年度についても、前年度より1.9ポイント改善した。
緊急雇用創出事業や深沢地域整備事業などの減額によって前年度より0.5ポイント改善した。今後は職員数適正化計画による職員数の減に対応した賃金の増などの要因により、微増傾向に転ずる可能性もあると考えている。
扶助費は、生活保護扶助事業に係る医療扶助費の増や障害者自立支援法の法内事業への移行が進んだことなどにより増加してきたが、平成25年度は、生活保護扶助事業、小児医療助成事業の事業費が減ったことにより1.0ポイント減少に転じた。
前年度に引き続き国民健康保険事業特別会計や後期高齢者医療事業特別会計への繰出金が増となったことにより前年度より悪化した。今後は、国民健康保険事業特別会計や後期高齢者医療事業特別会計への繰出金は減少傾向に転ずるものと見込んでいる。
平成25年度は主に衛生債等の長期債元金償還金及び支払利子が減少したことにより、公債費は減額しており、分母の経常一般財源等も増額となったため、0.9ポイント改善した。今後も継続して公債費の減額を図っていく。
経常収支比率が97.6%から93.7%へ改善したことにより、公債費以外が前年度より3ポイント減少した。今後は、公債費が減少傾向にあることから、公債費以外が増加していく傾向にあると分析している。