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基準財政収入額では、景気が緩やかに持ち直しているため、市民税所得割及び法人税割が増額しているが、基準財政需要額は、社会福祉費や保健衛生費などが増額しており、臨時財政対策債振替相当額が大幅に減額している。景気は緩やかに回復しているものの、税収をはじめとした歳入の確保が困難な状況が続くことは避けられず、また、高齢化による福祉的経費の更なる増大が予想される中、今後とも、市税の伸縮に応じた弾力的な財政運営に努めていきたい。
経常収支比率悪化の主な原因は、臨時財政対策債発行額の減や扶助費の増によるものである。平成24年度から2箇年の人件費暫定削減を実施しているが、平成25年度までに臨時財政対策債(人口基礎方式)の発行可能額が皆減していくことや右肩上がりの扶助費の傾向が継続することが予想されることから、それに比例して経常一般財源等が減額していくことが考えられるため、今後も予断を許さない状況である。
職員数が多いことが主な要因で人件費が高くなっているが、職員数適正化計画に基づく職員数の減少や、人事院勧告に伴う給与支給額の減などにより、前年度に引き続き人件費は減少し、ピークであった平成19年度決算と比較すると、減少傾向である。起伏に富んだ地形的特性により消防署所が多いことなどから類似団体並みまで押し下げることは困難であるが、財政の硬直化を避けるため、「行政経営戦略プラン」に掲げる民間委託の推進等によりコスト削減を目指していく。
平成24年8月から本市において実施している平均7.7%の給与の暫定削減措置の影響で、指数は前年度と比較して6.2減の104.7となり、類似団体平均を2.8下回ることとなった。国の給与減額措置がなかったとした場合の指数は96.7となり、採用や退職などの職員構成の変動等による増加分を含めても、前年度と比較して5.7の減となっている。次年度については、臨時特例法による国家公務員の給与減額支給措置が終了するため引き続き指数は減少するものと見込まれるが、今後も給料表の構造や昇任・昇格制度、諸手当の見直し等を通じて給与の適正化を図っていく。
人口1000人当たりに対する職員数が全国平均や神奈川県平均と比較して多い要因としては、市全体が複雑な地形であるために消防署の数が多いことやごみ収集の委託化が途上にあることなどが挙げられる。職員の数については、これまでに平成11年度を始期とする第1次職員数適正化計画により平成16年度までに228人(12.7%)を削減し、平成17年度を始期とする第2次職員数適正化計画により平成22年度までに146人(9.2%)を削減している。現在は、平成24年度を始期とする第3次職員数適正化計画を策定し、平成23年4月1日の職員数を、平成27年4月1日までに103人削減する取組みを進めている一方で、平成27年以降の職員数適正化計画についても検討を進めている。
平成19年度から継続して類似団体平均を大幅に下回っている。平成24年度は、高金利地方債の償還が進んだことにより元利償還金の額が減額したことや標準税収入額等がほぼ横ばいであったことなどから下落した。今後も引き続き後年度負担を考慮した事業執行及び起債管理を行い、適正な水準の維持に努める。
平成24年度は地方債現在高・債務負担行為に基づく支出予定額・退職手当負担見込額で減額したため、将来負担比率が2.4%改善した。類似団体平均と比較すると53.6ポイント下回っているが、今後も後年度への負担がかかる事業については慎重を期すとともに、新たな職員数適正化計画の策定を進めることにより、さらなる財政の健全化を図りたい。
人件費については、平成23年度の勧奨退職者数の増加に伴う悪化を除いて、近年、職員数の減少、人事院勧告に伴う給与支給額の減及び退職手当支給額の減などにより、継続して減額傾向にあり、平成24年度についても、前年度より1.9ポイント改善した。本市においては平成24年8月から2年間、平均7.7%の給与の暫定削減措置を実施しており、平成25年度も指数は減少すると見込まれる。
予防接種医薬材料費や税総合システム更新業務委託等の増額により、前年度より1.4ポイント悪化したが、今後も職員数適正化計画による職員数の減に対応した賃金の増などの要因により、微増傾向が継続するものと考えている。
国民健康保険事業特別会計や後期高齢者医療事業特別会計への繰出金が増となったことにより前年度より悪化した。今後も、国民健康保険事業特別会計や後期高齢者医療事業特別会計への繰出金増加傾向にある。
平成24年度は過去の高利債償還が進んだため公債費は減額しているが、分母の経常一般財源等が公債費の減額を上回る減額となったため、0.2ポイント悪化した。今後も継続して公債費の減額を図っていく。
経常収支比率が95.9%から97.6%へ悪化したことにより、公債費以外が前年度より1.5ポイント増加した。今後は、公債費が減少傾向にあることと、臨時財政対策債(人口基礎方式)の発行可能額が減額することから、公債費以外が増加していく傾向にあると分析している。