2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
基準財政収入額では、景気が緩やかに持ち直しているため、市民税所得割及び法人税割が増額しているが、基準財政需要額は、社会福祉費や保健衛生費などが増額しており、臨時財政対策債振替相当額が大幅に減額している。東日本大震災の影響により、依然として景気は厳しい状況であるため、税収をはじめとした歳入の確保が困難な状況が続くことは避けられず、また、高齢化による福祉的経費の更なる増大が予想される中、今後とも、市税の伸縮に応じた弾力的な財政運営に努めていきたい。
経常収支比率悪化の主な原因は、臨時財政対策債発行額の減によるものである。平成25年度までに臨時財政対策債(人口基礎方式)の発行可能額が皆減していくことから、それに比例して経常一般財源等が減額していくことが予想されるが、平成24年度から2箇年の人件費暫定削減を実施しており、また、公債費は着実に減額傾向にあるため、今後は、横ばいか改善が見込める状況である。
職員数が多いことが主な要因で人件費が高くなっているが、職員数適正化計画に基づく職員数の減少や、人事院勧告に伴う給与支給額の減などにより、前年度に引き続き人件費は減少し、ピークであった平成19年度決算と比較すると、類似団体との差は4割強減少した。起伏に富んだ地形的特性により消防署所が多いことなどから類似団体並みまで押し下げることは困難であるが、財政の硬直化を避けるため、「行政経営戦略プラン」に掲げる民間委託の推進等によりコスト削減を目指していく。
臨時特例法による国家公務員の給与減額支給措置の影響で、指数は大きく上昇し110.9となったが、類似団体平均との差は0.2と縮まった。国の給与減額措置がなかったとした場合の指数は102.4となり、職員の年齢構成の変化等により0.1増加している。本市においては平成24年8月から2年間、平均7.7%の給与の暫定削減措置を実施しており、次年度以降の指数は減少すると見込まれるが、今後も年功的な要素の強い賃金体系となっていないか検証を行い、給料表の構造や昇任・昇格制度、諸手当の見直し等を通じて給与の適正化を図っていく。
類似団体平均を上回っている原因は、地理的特性による支所や消防署所の数の多さ、ごみ収集の委託化が途上にあることなどが挙げられる。職員数の削減については、平成11年度を始期とする第1次職員数適正化計画により平成16年度までに228人(12.7%)を削減し、平成17年度を始期とする第2次職員数適正化計画により平成22年度までに146人(9.2%)を削減した。現在、平成24年度を始期とする第3次職員数適正化計画を策定し、民間委託の推進や事務事業の見直し等を行うことにより、平成23年4月1日の職員数を、平成27年4月1日までに103人削減する取組みを進めている。
平成19年度から継続して類似団体平均を大幅に下回っている。平成23年度は、算入公債費がほぼ横ばいを保ちながら、高金利地方債の償還が進んだことにより元利償還金の額が減額したことや標準税収入額が増額であったことなどから、大幅に下落した。今後も引き続き後年度負担を考慮した事業執行及び起債管理を行い、適正な水準の維持に努める。
平成23年度は地方債現在高・債務負担行為に基づく支出予定額・公営企業債等繰入見込額・退職手当負担見込額の全項目で減額するとともに、充当可能基金が増額したため、将来負担比率が10.9%改善した。類似団体平均と比較すると55.7ポイント下回っているが、今後も後年度への負担がかかる事業については慎重を期すとともに、新たな職員数適正化計画の策定を進めることにより、さらなる財政の健全化を図りたい。
人件費については、近年、職員数の減少、人事院勧告に伴う給与支給額の減及び退職手当支給額の減などにより、継続して減額傾向にあったが、平成23年度については、勧奨退職者数の増加等により前年度より0.8ポイント悪化した。しかし、本市においては平成24年8月から2年間、平均7.7%の給与の暫定削減措置を実施しており、次年度以降の指数は減少すると見込まれる。
指定管理料の増額等により、前年度より0.3ポイント悪化したが、今後も指定管理者制度の推進による委託料の増や職員数適正化計画による職員数の減に対応した賃金の増などの要因により、微増傾向が継続するものと考えている。
国民健康保険事業特別会計や下水道事業特別会計への繰出金が増となったことにより前年度より悪化した。今後も、国民健康保険事業特別会計や後期高齢者医療事業特別会計への繰出金増加傾向にある。
類似団体平均と比較すると、やや高い水準にあったが、平成23年度は過去の高利債償還が進んだため0.5ポイント改善し、類似団体より2.3ポイント下回っている。今後も、この傾向を継続するよう努める。
経常収支比率が94.2%から95.9%へ悪化したことにより、公債費以外が前年度より2.2ポイント増加した。今後は、公債費が減少傾向にあることと、臨時財政対策債(人口基礎方式)の発行可能額が減額することから、公債費以外が増加していく傾向にあると分析している。