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2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
前年度に対し0.2ポイント減少しているが、埼玉県平均と同数値で類似団体内では、中位より上の順位を維持している。社会保障費や公共施設の維持補修費の増加などにより、基準財政需要額が上昇傾向であり、基準財政収入額である町税なども増となったが需要には追い付いていない状況が伺える。人口減少が見込まれる中、町税の確保や、上昇する人件費や社会保障費、維持補修費への対応が課題となっている。引き続き、事務事業の見直しやDXの推進、指定管理者制度などの民間委託等による行政の効率化に努め、財政の健全化を図る。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
埼玉県平均以下ではあるが、前年度に対し7.3ポイント悪化し、類似団体内順位では下位となった。歳入は、臨時財政対策債などが大きく減額となる一方で、歳出は、職員数の増加等による人件費の増や公共施設等に係る光熱水費の増などによる物件費の増、地方債の新規償還開始に伴う公債費の増などが影響している。今後も、職員数の増に伴う人件費の増や扶助費の増に加え、物価高や公共施設の更新などに伴う大きな起債事業が予定されていることから、経常的な支出の上昇が懸念される。減債基金や施設整備基金の活用など、財政的リスクを最小限に抑制し、安定した財政運営に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口一人当たりの決算額は、類似団体内では1位である。人件費については、他の団体と比べ職員数が少ないことや、ゴミ処理、消防、学校給食業務等を一部事務組合で行っていることが大きく影響していると思われる。しかし、近年の物価高や民間賃金の上昇により、物件費については、増加傾向にある。また、退職者の減少や会計年度任用職員に係る経費も増加傾向であることから、人件費の上昇も懸念するところである。今後も会計年度任用職員制度の運用を含めた適正な職員管理と併せて、一部事務組合や民間への事務事業の委託などを活用し、費用対効果とともに経費の抑制に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
退職職員数が減少する一方で、新規職員の採用や昇給昇格等、職員構成の変動などにより、前年度と比較して1.4ポイント増加し、全国町村平均も上回っている。また、少ない職員数の中、一人一人に求めれる能力が高水準であり、職員の能力向上を図る上でも高い指数が維持されている側面もある。団塊の世代の退職後、世代交代が起こり、昇格のスピードも速まりつつある中、職員の計画的な採用と給与水準の適性化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
職員定員管理計画に基づき、定年退職者の不補充を行ってきたことにより、類似団体内順位は上位となっているが、退職者の減少、業務増加による新規職員採用などにより、指数は上昇傾向となっている。今後は、職員不足による時間外勤務の増加や、会計年度任用職員への依存とならないよう、事務の効率化やDXの推進等による行財政の運営に努めるとともに、当町にとって適切な定員管理を行う。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度に対し0.5ポイント上昇し、全国や埼玉県平均より高い数値となっている。元利償還金の額が、令和3借入れの臨時財政対策債や小学校管理運営事業債などの償還開始に伴い57,547千円増加したことも要因の一つであるが、臨時財政対策債が436,067千円減少し、標準財政規模が大幅に減となったことが大きな要因である。今後も小・中学校管理運営事業債などの償還や公共施設の改修工事等に伴う地方債発行が見込まれ、国の地方財政計画の動向からも、実質公債費比率の上昇は、継続する見通しである。施設整備基金や減債基金の活用と併せて財政措置のある有利な地方債の計画的な発行により公債費の平準化と経常経費の確保を図る。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
地方債の現在高や組合及び退職手当の負担等の見込額は全て減となり将来負担額は、807,688千円の減額となった。一方、充当可能財源等は、基金の積立ての強化により、充当可能基金は増加したものの、基準財政需要額算入見込額が臨時財政対策債分の減が大きく影響し、204,833千円の減となった。結果としては、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、指標なしという結果であったが、各施設整備基金などの特定目的基金は各公共施設の更新など、将来に発生する財政需要への充当が見込まれるため、令和4年度決算における将来負担額への備えと言えない側面もあり、注意が必要である。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
昇給・昇格や、会計年度任用職員を含めた職員の採用、人事院勧告による勤勉手当の引き上げにより、72,471千円の増、1.9ポイントの増となった。類似団体に対し、人件費の割合は低く推移しているのは、職員数が少ないことに加え、消防、学校給食業務を一部事務組合で行っていることが挙げられる。退職職員数に対し採用職員数は多い傾向であるため、人件費は上昇傾向にある。当町にとって適正な職員給与のあり方の検討に取り組むとともに、会計年度任用職員制度や民間活力の効率的な運用、DXの推進等により人件費の抑制に努める。
物件費
物件費の分析欄
類似団体平均と比較すると低く推移しているが、物件費に係る経常的支出は1.8ポイントの増となった。統合型校務支援システム調達等業務委託料の皆増や、物価高騰の影響による公共施設等に係る光熱水費の増額などが要因。多様化する業務への対応により委託料が増加傾向にあるが、委託仕様の見直しや効率化により、経常的支出の抑制に努める。また、物価高騰の影響により、今後も物件費全体の上昇が見込まれるため、職員一人一人の節減意識を高める。
扶助費
扶助費の分析欄
障害福祉サービス費や保育所の施設型給付事業負担金などが増額となる一方で、民間保育所等委託料や児童手当などの減額が影響したことにより17,748千円の減となった。なお、比率については、臨時財政対策債の減少が大きく影響し、前年度と同率となった。扶助費は増加傾向であるため、子育て世帯や高齢者、障害者への支援は町の重点施策であるが、国県の適切な役割分担のもと、単独事業の見直しなどにより抑制に努める。
その他
その他の分析欄
その他の経常収支比率は、類似団体平均と同率となり、前年度から0.8ポイント上昇している。これは、国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療の特別会計繰出金が増額となったことなどが影響している。今後は、国民健康保険については、税率改正により繰出金の抑制が見込まれる。しかしながら、高齢化率の上昇や医療費の高騰等より社会保障費全体は、増加傾向にあるため、各保険事業への繰出に関しては、引き続き加入者数の状況と保険料のバランスについて検討を行い、経費節減と適正な事業促進に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等については、類似団体内でも高い数値であり、ごみ処理や消防、学校給食業務等が一部事務組合への負担金等で担っていることが主な要因である。一部事務組合への負担金が、清掃施設や斎場施設の修繕等に伴い、35,759千円増加したことなどにより、前年度に対し1.3ポイントの上昇となった。引き続き、一部事務組合所有資産の老朽化対策等が予定されているため、補助費等の増加が懸念される。
公債費
公債費の分析欄
公債費に充当される特定財源の減や令和3借入分の臨時財政対策債、小学校管理運営事業債の元金償還開始などにより、全体で61,831千円の増となった。比率は公債費が増となる一方で臨時財政対策債が大きく減少したため、1.5ポイントの増となった。償還ピークを迎えており、今後も各種計画に基づく改修工事など、地方債発行を伴う大規模な起債事業も予定していることから、公債費は現状程度の負担の継続が見込まれる。減債基金の適切な運用などによる償還財源の確保とともに、施設整備基金の充当などにより公債費を抑制する。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外については、扶助費が前年同率となったが他の項目では増となったことから、前年度比5.8ポイント増加し、過去5年間で初めて類似団体平均を上回る形となった。会計年度物任用職員を含めた採用職員数は上昇傾向であるため、人件費の増加や、医療費の高騰や高齢化率の上昇による扶助費の増加、施設設備更新に伴う一部事務組合等への補助費の増加などが見込まれ、さらなる財政の硬直化が懸念される。財政全体のバランスに考慮し、計画的な基金への積立てや事業選択により、経常経費の抑制に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
令和4年度の大きな特徴としては、前年度と比較して、コロナ支援策としての地域応援商品券の発行事業の皆増やふるさ納税に係る返礼品代の増などにより、商工費が79.5%の増額。神流リバーサイドロードや児玉工業団地線の築造工事費の増などにより、土木費が26.5%の増額。コロナ支援策としてのキャッシュレス決済推進事業の皆増などにより、総務費が11.4%の増額。上里北中学校の大規模改修工事や統合型校務支援システムの導入による増などにより、教育費が10.2%の増額となった。減額となった主なものは、子育て世帯への臨時特別給付金の皆減などにより、民生費が6.7%の減額。新型コロナウイルスワクチン接種委託料の減などにより、衛生費が6.6%の減額などとなった。目的別歳出においては、臨時的支出の大小が主な増減要因であり、それぞれ臨時的な特定財源を伴うものが多く、義務的経費の確保に大きな支障とならず、また事業終了後は平準化すると考えられる。しかしながら、土木費や教育費は道路整備や教育施設の更新などの普通建設事業の増加に伴い、増加傾向にあり類似団体平均値に近づいている。また、民生費は、高齢化率の上昇や医療費の高騰に伴う医療費に対する繰出金の増や、障害者福祉サービスの充実や普及により、経常的支出についても増加傾向となっている。公債費は、今後も、公共施設再配置・維持保全計画等に基づき、各施設の改修や複合化工事等が計画されていることから、財政需要の継続が見込まれる。建設事業に関しては国県補助はもとより、施設整備基金や交付税措置のある地方債の活用と併せて、減債基金の適切な運用など、公債費の抑制と負担への備えが必要である。また、ほぼすべての項目について、類似団体の平均値を下回る結果は、上里町の人口に対する財政規模がコンパクトであり、効率の良い行財政運営を示すものとなっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
当町の特徴として、ごみ処理、消防、学校給食業務を一部事務組合で行っていることや、人口に対する職員数が少ないことにより、人件費や物件費は類似団体平均を大きく下回っている。他の性質別歳出においても概ね平均を下回るものとなっており、人口に対するコストが低いとことを示している。維持補修費についてのみ、類似団体内平均値を上回っており、今後も、施設設備に係る管理費や修繕費等の上昇が懸念される。扶助費は、子育て世帯への臨時特別給付金や、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の減などの影響で減額となった。補助費等は、降雹被害に係る農業災害対策特別措置事業補助金や新型コロナウイルス感染症対策関係の交付金充当事業の増などの影響で増額となった。普通建設事業費は、上里北中学校の大規模改修工事や神流リバーサイドロード及び児玉工業団地線などの道路工事費の増などにより増額となった。アセットマネジメントに基づく公共施設の改修や複合化、駅北まちづくり事業など新たなまちづくりに向けた都市整備への備えが必要となっている。公債費は、令和3借入分の臨時財政対策債や小学校管理運営事業債の元金償還開始などにより増となっている。今後も、公債費は現状程度の負担が見込まれる。積立金は、財政調整基金積立金150,541千円、公共施設等用地取得及び施設整備基金325,094千円、教育施設整備基金積立金150,040千円、当初予算での取崩しの回復と交付税再算定における起債償還分として減債基金積立金304,088千円を中心に積立を行った。繰出金は国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療事業に係る特別会計が前年度に対して増額となった。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄
財政調整基金は、総合振興計画により「標準財政規模の20%を目標とする」としている。令和4においては、コロナ支援対策や降雹被害対策の財源として245,408千円の取崩しと、150,541千円の積立てを行った。実質収支額の減は、町税や株式等譲渡所得割交付金の減の影響と翌年度に繰り越すべき財源が46,476千円の減となったことによる。実質単年度収支は、コロナ支援対策や降雹被害対策の財源として積立金を取り崩したことによりマイナスとなっている。引き続き、実質収支額が過大とならないよう、執行状況を注視した予算編成の適正化に努める。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄
全会計を合わせた標準財政規模に対する連結実質赤字比率は22.87%の黒字となり、昨年度から1.15ポイント上昇している。一般会計については、当初及び補正予算編成の時点での、決算や執行状況等を踏まえた予算計上を徹底し、実質収支額の圧縮に努めた。国民健康保険特別会計については、社会保険への加入促進や後期高齢への移行などにより被保険者数は減少傾向であり、給付は抑制はされたものの、医療費の高騰等に伴い結果としては前年度に対し微増となった。介護保険特別会計は、介護予防事業などの効果もあり、保険給付は抑制されており、収支は良好な状況を維持している。ただし、実質収支額は前年度から約2倍となり0.9ポイント増となったため、圧縮に努める。水道事業会計については、令和4.10月の料金改定に伴い、給水収益は増加し安定した収益となっているが、管路を含めた水道施設が老朽化等に伴い更新時期を迎え、改修費用の増加が見込まれている。下水道事業会計についても、町からの補助や出資が必須となっている状況から、水道事業同様に経営健全化に向け事業計画の見直しを行う必要がある。その他の特別会計等については、概ね例年並みの比率となっている。
実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄
元利償還金の上昇は、小学校管理運営事業債等の大規模起債事業や、令和3借入分の「臨時財政対策債」の償還開始によるもので、前年度に対し54,856千円の増加となった。一方、地方債残高は、令和4発行額が臨時財政対策債や起債対象事業の減により、前年度に対し420,760千円の減額となった。今後も各種計画に基づく建設工事や改修工事等が予定されているが、施設整備に係る基金の活用と、基準財政需要額への算入割合などを考慮し、有利な財源の確保に努め、後年度の財政負担の軽減を図る。
分析欄:減債基金
満期一括償還に係る積立なし。
将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄
充当可能財源等は、基準財政需要額算入見込額の370,718千円の減が影響し、前年度に対し総額で204,833千円の減額となったものの、将来負担額は、臨時財政対策債や起債対象事業の減により、地方債現在高が前年度に対し420,760千円の減など、他の数値も減少したことにより前年度に対し総額で807,688千円と大きく減額となったため、将来負担比率は、さらに改善した。しかしながら、充当可能基金の多くは特定目的基金として今後発生する財政需要の財源であって、現在の債務への充当財源ではない。さらに、一部事務組合所有資産の老朽化対策等の実施が予定されているため増加への懸念もある。将来負担比率の分子がマイナスとなった状況にあっても、財政健全化の取組みを継続し、持続可能な行政運営にむけ、基準財政需要額の確保と地方債の適切な管理運用に努める。
基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)健全な財政状況を反映し、基金総額は増加傾向にある。各事業への充当額に対し、積立額が上回ったことにより、基金残高は166,540千円の増額となった。(今後の方針)財政調整基金や減債基金については、財源調整や公債費の状況にあわせ、一定程度の残高を維持する必要がある。また、特定目的基金は公共施設再配置・維持保全計画に基づく公共施設等の維持更新を見据え、計画的な積立てを行う。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和4年度においては、コロナ支援策や降雹被害対策の財源として245,408千円の取崩しと、第5次上里町総合振興計画に掲げる目標値に向け、決算見込による余剰分として150,541千円の積立てにより、年度末残高は、前年度から94,867千円減額の14,087,002千円となっている。(今後の方針)財政調整基金は、コロナ支援策や降雹被害対策の財源として取り崩した為、減少したが、令和4決算後も14億円台を維持することができた。経済事情や災害等による臨時的な財政需要にも的確に財源補填できたことは、目標に向けた積立てを継続してきた成果である。上里町総合振興計画により「標準財政規模の20%を目標とする」とし、現在13億円程度の基金現在高が目標額となっているため、引き続き目標額を維持しつつ、残高が過大とならないよう具体性を持った特定目的基金の活用も重視していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)令和4年度においては、令和3借入分の臨時財政対策債や小学校管理運営事業などの起債償還財源として200,000千円の取崩しに対し、今後の公債費の償還財源として304,088千円の積立てにより、年度末残高は、前年度から104,088千円増額の1,018,712千円となっている。(今後の方針)減債基金は、公債費が令和2からの公共施設等適正管理推進事業債や災害対策事業債に加え令和3借入分の臨時財政対策債や小学校管理運営事業などの償還開始により前年度から54,547千円の増加となったことから、令和4年度は前年度から50,000千円増額の200,000千円の取り崩しを行った。引き続き、公共施設の大規模な更新工事等が計画されているため、財政措置のある有利な地方債の活用と併せて施設整備に係る基金の運用による起債の抑制に努め、基金残高は現状程度を維持する。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)「公共施設等用地取得及び施設整備基金」道路事業や庁舎など公共施設全般の新規取得、更新、維持管理に充当する。「いきいき福祉基金」保育所や保健センター等の整備事業や、福祉の増進や健康づくり・生きがいづくりの推進を図るために実施する事業に充当する。「教育施設整備基金」小・中学校の教育委施設整備に充当する。「森林環境譲与税基金」森林環境整備及びその促進に関する施策に充当する。(増減理由)公共施設等用地取得及び施設整備基金は、三田中通り線路線測量や神流リバーサイドロード事業、公園管理事業などの財源として211,372千円を取り崩し、今後の用地取得費用や公共施設の再配置、維持管理の財源として304,251千円の積立てを行った。また、町営上里ゴルフ場用地取得分として、20,842千円の積立てを行い、用地取得は無かったため取崩しは行わなかった。教育施設整備基金は、上里北中学校体育館等改修工事や各小・中学校の修繕工事などの財源として106,964千円の取崩しを行い、小・中学校の長寿命化や大規模改修を見据え、150,040千円の積立てを行った。いきいき福祉基金は、運用利子21千円の積立てを行い、取崩しは行わなかった。森林環境譲与税基金は、令和4に新設し、森林環境譲与税の充当事業費の残額500千円の積立てを行った。(今後の方針)令和2年3月策定の「上里町公共施設再配置・維持保全計画」に基づき、各公共施設の更新等に係る事業が執行されている中、特定目的基金は公共施設等の維持更新や老朽化対策の財源とするものであるため、重要な財源機能を果たしている。「公共施設等再配置・維持保全計画」では、2029年度までの10年間の複合化や改修、修繕工事等に係る総事業費は51.2億円、年平均5.1億円と試算されている。安定的な行財政運営のためには、計画に基づいた各公共施設の適切な更新等により長寿命化を行い、財政負担の平準化を図るとともに、財源については補助事業を最大限に活用することを基本とし、併せて財政措置のある有利な地方債や基金の有効活用により、一般財源の充当を抑制する必要がある。このような背景から、今後も発生する多額な公共施設更新経費等への備えとして、特定目的基金の積立てを強化していく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
当町では、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を20%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めている。有形固定資産減価償却率については、上昇傾向にはあるものの、類似団体平均と比較するとその伸びは緩やかであり、これまでの取組の効果が表れていると考えられる。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は類似団体平均を下回っており、主な要因としては、地方債元金償還額が減少する一方、新しい起債の抑制をしていること、臨時財政対策債が大幅に減少したことが要因と考えられる。なお、債務償還比率については、350%を上限の目安と捉えており、引き続き、350%を上回らないよう、取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は類似団体と比べて低い水準にあり、有形固定資産減価償却率も類似団体よりやや低い水準となっている。これは、公共施設等総合管理計画において、令和38年度までに公共施設等の延べ床面積を20%減少するという目標を設定し、老朽化した保育所2箇所を1箇所に集約化するなど公共施設等の集約化・複合化を積極的に進めてきたことにより、老朽化した施設の除却が進んだためであると考えられる。公共施設等総合管理計画に基づき、今後、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は類似団体と比較して高いものの、将来負担比率は低くなっている。これは、地方交付税措置を有する有利な起債を起こす一方、各種基金にも積極的な積立を実施しているためである。将来負担比率は現状数値は出ていないが、引き続き公共施設等総合管理計画に基づく大規模な改修等が実施されるため、予断を許さない状況であると考えている。
施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、児童館、公民館であり、特に低くなっている施設は、保育所である。令和2年3月に公共施設再配置・維持保全計画を策定したところであり、同計画に基づいて令和5年度に長幡児童館と長幡公民館を、令和6年度に七本木児童館と七本木公民館、男女共同参画推進センターを複合化し老朽化対策に取り組んでいくこととしている。保育所については、令和2年度に老朽化していた中央保育所と長幡保育所を複合化し、新しい施設を建設したため、有形固定資産減価償却率が低くなっている。保育所については、複合化事業により、一人当たり面積についても若干ではあるが減少しており、今後の維持管理費用の減少も見込んでいる。
施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
類型団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、体育館、保健センターであり、特に低くなっている施設は、市民会館(総合文化センター)、消防施設である。保健センターについては、令和2年3月策定の公共施設再配置・維持保全計画に基づき、保健センター、老人福祉センター及び福祉町民センターの3館複合施設を、令和5年度に設計、令和6年度から令和7年度にかけて本体工事の予定であり、老朽化対策に取り組んでいくこととしている。市民会館については、令和2年3月策定の公共施設再配置・維持保全計画に基づく大規模な安全改修工事が令和3年度に完了し、有形固定資産減価償却率は減少した。なお、市民会館は、令和4年度中央公民館機能を付加し、機能の複合化を図った。
財務書類に関する情報①(2021年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等については資産総額が前年度に比べ219百万円、0.52%の減となった。追加交付に伴う普通交付税の増により現金預金が361百万円、令和3年度発行分の臨時財政対策債償還に備えた減債基金の積み増しにより基金(流動資産)総額が228百万円の増となったものの、各資産の減価償却が進んだため減となっている。有形固定資産については将来に向けた維持管理や更新により支出が見込まれるものであるため、公共施設等総合管理計画等に基づき施設の集約化・複合化を進め、公共施設等の適正な管理運営に努める。負債については前年度に比べ123百万円、1.32%の増となった。変動の大きいものは地方債(固定負債)で、臨時財政対策債などの地方債借入額が償還額を上回ったことにより113百万円の増となった。水道事業、下水道事業会計を加えた全体では、資産総額は前年度に比べ230百万円、0.45%の減、負債総額は前年度に比べ72百万円、0.47%の減となった。資産総額は上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していることにより、一般会計等に比べ8,976百万円の増となった。負債総額についても施設整備や更新に係る借入の計上により、6,083百万円の増となった。土地開発公社、社会福祉協議会などを加えた連結では資産総額は前年度に比べ444百万円、0.77%の減、負債総額は前年度に比べ93百万円、0.57%の減となった。土地開発公社の保有する現金預金や児玉郡市広域市町村圏組合、本庄上里学校給食組合などの一部事務組合の資産を計上したことにより、一般会計等に比べ資産総額は15,315百万円の増、負債総額についても一部事務組合の借入金等により6,905百万円の増となった。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等については経常費用が9,778百万円となった。人件費等の業務費用は4,956百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は4,823百万円であり、移転費用は前年度と比較し2,411百万円の減となっている。これは特別定額給付金の減が影響しており、移転費用の内、補助金等が前年度と比較し3,225千円の減となっている。また、業務費用については最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等の3,314百万円である。公共施設の集約化・複合化を見据え、施設の適正管理により経費の圧縮に努める。全体では、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため一般会計等に比べ経常収益が581百万円の増となったが、国民健康保険特別会計などの負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が4,376百万円の増となり純行政コストは4,707百万円の増となった。連結では、連結対象企業との事業収益を計上しているため、一般会計等に比べ経常収益が848百万円の増となった。人件費や移転費用などにより経常費用が9,017百万円の増となり、純行政コストは8,169百万円の増となった。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等については税収等の財源9,732百万円が純行政コスト9,604百万円を上回ったため、本年度差額は128百万円となったものの、上水道事業会計及び下水道事業会計出資金の計上区分の見直しにより、本年度純資産残高は342百万円の減となった。純行政コストや財源等のうち国県等補助金は前年度と比較し大きく減少しているが、これは特別定額給付金の減が影響したものである。補助費や社会保障経費等の経常経費は引き続き増加傾向であり、地方税の徴収業務の強化にも継続して取り組み、自主財源の確保に努める。全体では、国民健康保険などの特別会計の税収や保険料が含まれることから、一般会計等に比べ財源が4,884百万円の増となり本年度差額は176百万円の増、純資産残高は1,830百万円の増となった。連結では後期高齢者医療広域連合の国県等補助金が財源に含まれることから、一般会計等に比べ財源が8,148百万円の増となったものの、純行政コストが8,169百万円の増となったことが影響し本年度差額は22百万円の減、純資産残高については7,347万円の増となった。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等については、業務活動収支は1,241百万円であったが、投資活動収支については令和3年度発行分の臨時財政対策債償還に備えた減債基金への積立てや公共施設等の維持管理、更新に係る公共施設等用地及び施設整備基金への積立てといった基金積立金などへの支出により△1,049百万円となった。財務活動収支については地方債の発行額が償還額を上回ったため170百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から557百万円増加し、918百万円となった。全体では、国民健康保険などの特別会計の税収や保険料、水道料金等の使用料などが含まれるため業務活動収支は一般会計等と比べ338百万円の増となり1,579百万円となった。投資活動収支については水道管や下水道管の更新などにより△1,124百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が償還額を上回ったため44百万円となった。連結では、後期高齢者医療広域連合などにより業務活動収支は一般会計等と比べ332百万円の増となり1,573百万円となった。投資活動収支では児玉郡市広域市町村圏組合の施設整備などの支出により△1,124百万円となった。財務活動収支は地方債の償還額が発行額を上回ったため14百万円となった。
財務書類に関する情報②(2021年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額が類似団体を大きく下回っているが、公共施設等の維持管理に係る基金の積立を行っているものの、減価償却が進んでいることに加え、取得価格が不明な小中学校の設備や防火水槽などの工作物を備忘価額1円で評価していことによるものである。歳入額対資産比率については類似団体を0.14年上回り、有形固定資産減価償却率が類似団体を1.4%下回っているが、概ね近い数値となっている。老朽化した公共施設の複合化や長寿命化を検討し、適正管理に努める。なお、歳入額対資産比率が大きく増加しているのは分母となる歳入総額が特別定額給付金の減により減少したためである。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率については類似団体を1.7%上回っている。純資産については令和3年度発行分の臨時財政対策債償還に備えた減債基金の積み増しにより基金(流動資産)総額が228百万円の増となったものの、各資産の減価償却が進み資産合計が219百万円減少したことから、純資産比率は前年度から0.4%減少している。将来世代負担比率は類似団体平均を4.6%下回っている。今後見込まれる公共施設の改修や更新については、対象となる地方債を厳選した上で積極的に基金を活用し、将来世代の負担の減少に努めていく。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体を8.9万円下回っている。特に、純行政コストのうち、社会保障経費が増加していく一方で、行政コスト全体額に対する人件費の割合が小さいことが影響し類似団体と比べ住民一人当たり行政コストが低くなる要因と考えられる。しかしながら今後、新採用職員が増加していくことが見込まれるため、人件費の上昇や児玉郡市広域市町村圏組合での施設の更新に係る補助金の増加などにも注視していく必要がある。なお、当該値が大幅に減少しているのは分子となる純行政コストが特別定額給付金の減により減少したためである。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人あたり負債額は類似団体を10.6万円下回っている。前年度との比較では0.6万円増加しているが、これは令和3年度の借入額が償還額を上回り、負債合計が1億2,276万円増加したためである。基礎的財政収支については、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため583百万円となり、類似団体を上回っている。投資活動収支が赤字であるのは、国県等補助金収入187百万円に対し、長幡小学校などの大規模改修工事や道路新設改修工事の推進などにより公共施設等整備費支出が850百万円であることが要因となっている。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
類似団体との比較では1.1%下回っているが、物件費や維持補修費などの経常費用の削減に努め、受益者負担比率の引き上げに努める。特に維持補修費については今後、老朽化した施設の集約化や長寿命化により、費用の削減を行う。
類似団体【E】
鳥取県
島根県
高知県