経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、100%を越え黒字となっているが、使用料収入では賄えず、一般会計繰入金を前提としているため、更なる経費縮減を図る必要がある。④企業債残高対事業規模比率は、事業開始からの経過年数が短く、起債残高が大きいことや営業収益が少ないことで類似団体より高い数値を示している。使用料改定を視野に入れた経営改善を行う必要がある。⑤経費回収率は、類似団体より高い数値を示しているが、修繕費が増加傾向にあるため、更なる経費節減に努めていく必要がある。⑥汚水処理原価は、維持管理費の経費が抑えられているため、類似団体よりも低い数値となっており、低コストで処理されている。今後は施設の老朽化に伴い、徐々に上がっていくものと考えられる。⑦施設利用率について、平成24年までは段階的に供用開始していたため、類似団体より低い数値を示していたが、平成25年度以降は全施設が稼働しており、類似団体と近い数値を示している。⑧水洗化率について、対象施設全体が稼働しているため、100%となっている。
老朽化の状況について
浄化槽設置事業のため、管渠の埋設はなく、管渠改善率はない。事業開始から12年が経過し、徐々に施設の老朽化が進んでいくことから、今後も適切な維持管理を行い、一度に多額の修繕や更新費用が生じないように平準化していく必要がある。
全体総括
本市の個別浄化槽事業は、事業開始から12年が経過しているが、維持管理費は比較的少額に抑えられている。今後は施設の老朽化による修繕費の増加が見込まれるため、更なる経費節減に努める必要がある。また、将来の人口減少を見据え、使用料の改定も視野に入れた、市全体の汚水処理計画の見直しを検討していく必要がある。