経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、給水収益などの収益で維持管理費や支払利息等の費用をどのくらい賄えているかを表しており、105.71%と前年比1.84ポイント下がりました。これは給水収益と一般会計補助金の減が影響しています。今後は更新投資の費用増加が見込まれますが、健全経営を続けてゆく為に料金回収率の向上や更なる費用の削減に努めて行きます。③流動比率は、1年以内に支払う債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示しており、164.3%で前年より25.5ポイント上がりました。今後も費用の削減に努めて行きます。④企業債残高対給水収益比率は、給水収益に対する企業債残高の割合を表しており、439.57%と前年より17.59ポイント下がりました。これは新たな借入を行わなかったことが要因です。今後も適切な投資規模を分析して企業債の削減に努めて行きます。⑤料金回収率は、給水に係る費用がどの程度給水収益で賄えているかを表しており、95.74%と前年より0.33ポイント下がりました。今後も適切な料金収入の確保及び維持管理費の削減に努めて行きます。⑥給水原価は有収水量1㎥あたりにどれだけ費用が掛かっているかを表しており、225.59円と前年より2.24円上がっています。今後は水道料金の見直し、投資の効率化や維持管理費の削減により経営改善に努めて行きます。⑧有収率は、施設の稼働が収益につながっているかを判断する指標であり、83.5%と前年より1.69ポイント下がりました。さらなる漏水等の原因を分析し対策に努めて行きます。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す指標で、61.52%と前年より1.16ポイント上がりました。今後は財源の確保に努め適切な施設の更新を行います。②管路経年化率は、法定耐用年数を超えた管路延長の割合を表しており、管路の老朽化度合いを示しています。14.64%で前年より8.34ポイント下がりました。これは固定資産台帳を精査したことによるものです。③管路更新率は、当該年度に更新した管路延長の割合を表しており、管路の更新状況を示しています。0.45%と前年より0.16ポイント下がりました。今後もアセットマネジメントによる老朽度及び重要度等を考慮し,計画的かつ着実に施設更新を行います。
全体総括
水道事業は,経常収支比率は100%以上の黒字ですが、給水収益は給水に係る費用を賄うことができておらず、他の財源に依存している状態です。将来にわたり,給水人口の減少等による水需要の減少が見込まれ,給水収益の大幅な増加が見込めない一方,施設の計画的な更新、災害対応の強化など多くの課題を抱えております。このような情勢を踏まえ,経営健全化計画を策定し、事業収入の実情に即した料金体系の適正化に向けた見直しを行い,令和2年6月からの料金改定を予定しております。今後は、施設の更新、管路耐震化及び老朽管の布設替えを進めることで施設の長寿命化に対応し、有収率の向上を図っていきます。また、人口減による有収水量の減少が見込まれることから、水道経営の見直しや施設のダウンサイジングを進めて行く必要があります。