地域において担っている役割
津軽地域医療圏東部の基幹病院として、365日24時間の二次救急医療を提供し、年間約5,000件の救急患者を受け入れている。また基幹型臨床研修病院として、初期研修医の受け入れ及び育成を行っている。
経営の健全性・効率性について
病床利用率は前年度から若干低下し、それに比例して医業収支比率も低下したが、類似病院平均等よりは高い水準であった。また、一般会計が厳しい財政状況に直面している影響により繰入金が減少し、経常収支比率は前年度に比べて大きく低下し、累積欠損金比率は上昇している。費用面については、給与費に大きな変化は無かったものの、医業収益が減少したことにより、職員給与費対医業収益比率が上昇している。一方で、入院・外来患者数の減少により材料費も減少したため、材料費対医業収益比率は低下した。
老朽化の状況について
有形固定資産及び機械備品の減価償却率が共に類似病院平均及び全国平均より高い水準にあり、固定資産の老朽化が進んでいることを表している。経営状況の悪化に伴い、必要最小限の施設・設備・医療機器更新に留めていることがその要因となっている。今後もこの傾向が続くものと思われる。
全体総括
当院では、青森県地域医療構想によって津軽地域の自治体病院においては病床規模の縮小、回復期・慢性期への機能分化等が、具体的な方向性として示されたことも踏まえ、急性期病床の削減、地域包括ケア病棟への機能転換を行ってきた。今後も地域の救急医療を担う立場に変わりはないため、これまでどおり急性期医療の提供は継続しながら、回復期リハビリテーション病棟の導入を見据えて病床利用率の改善を図り、医業収支比率100%を目指していく。また、一般会計繰入金の確保に努め、経常収支比率の改善を図る。