地域において担っている役割
津軽地域医療圏東部の基幹病院として、365日24時間の二次救急医療を提供し、年間約5,000件の救急患者を受け入れている。また基幹型臨床研修病院として、初期研修医の受け入れ及び育成を行っている。
経営の健全性・効率性について
病床利用率の低下に比例して、医業収支比率が平成26年度から100%を割り込み、それに合わせて累積欠損金比率の解消速度も鈍化している。診療報酬改定を重ねるごとに急性期患者の定義が厳格化され、当院のような中規模病院においては、従来の急性期病棟のみでは入院患者の確保が難しい状況となっていることも病床利用率の低下に拍車をかけている。
老朽化の状況について
有形固定資産及び機械備品の減価償却率が共に高く、老朽化が進んでいる状況にあるが、経営状況の悪化に伴い、優先順位をつけて計画的に更新を進めているところである。必要最小限の施設・設備・医療機器更新に留めていることから、1床あたり有形固定資産については全国平均及び類似病院平均を下回っている。
全体総括
当院では、青森県地域医療構想によって津軽地域の自治体病院においては病床規模の縮小、回復期・慢性期への機能分化等が、具体的な方向性として示されたことも踏まえ、従来からの7対1看護配置による急性期病床を削減して、平成26年4月から地域包括ケア病棟へと機能を転換し、平成28年10月までの間に段階的に増床している。地域の救急医療を担う役割に変わりはないため、これまでどおり急性期医療の提供は継続しながら、構想で求められる回復期、慢性期医療も担える体制の構築を見据えて病床利用率の改善を図っていく。