八戸市：八戸市民病院

地域において担っている役割

青森県南地域の中核病院として、救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療や高度で専門的な医療を提供する役割を担っている。また、地域支援病院として、地域の病院や診療所等との機能分担による連携を進め、地域完結型の医療体制づくりに努めている。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率、②医業収支比率ともに減少傾向にあるが、平成26年度以降は100％以上となり、健全な経営を維持している。③累積欠損金比率は年々順調に減少しており、今後も累積欠損金の解消に努めていく。④病床利用率は90％程度を維持しており、類似病院の平均と比較しても高い状態となっている。⑤入院患者１人１日当たり収益、⑥外来患者１人１日当たり収益については、ともに増加傾向にあるものの、類似病院に比べて低くなっていることから、診療報酬の加算等について分析・検討していく必要がある。⑦職員給付費対医業収益比率、⑧材料費対医業収益比率については、増加傾向にあるものの、類似病院と比べ低くなっていることから、経費の増加は一般的な状況であると言える。

老朽化の状況について

有形固定資産、機械備品ともに類似病院よりも減価償却率が少し高いものの、毎年同程度で推移している。今後もさらに施設の老朽化が進むことから、計画的に設備・機器の更新を行う必要がある。

全体総括

平成28年度の決算においては、入院、外来ともに患者数は減少したものの、診療単価が増加したことで入院収益及び外来収益は増収となり、前年度に続いて純利益を計上した。今後も健全な経営状況を維持しながら、必要な医療機能の更なる強化・充実に努め、質の高い医療を地域に提供し、中核病院としての責務を果たしていく。今後の取り組みとしては、委託費の見直しや診療材料ベンチマークシステムの活用による診療材料費の分析、原価計算システムを活用した診療科別の分析等を行い、経営の効率化を図るとともに、院内保育所の定員増加や専門性向上に資する研修への参加促進等により、人材の確保・育成に努めていく。