経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率については、上昇傾向とはなっていない。一般会計からの繰入金に依存しているところもあり、農業集落排水への接続推進と使用料の確実な徴収をしていく必要がある。④企業債残高対事業規模比率は、類似団体と比較してかなり低い状況であるが、今後は設備等の更新事業を行っていく必要があるため残高が増加する可能性がある。⑤経費回収率は、上昇傾向とはなっていない。今後、人口減少に伴う使用料収入の減少も想定されるため、引き続き農業集落排水への加入促進を図る必要がある。併せて使用料額の妥当性を検討する必要が出てくる。⑥汚水処理原価は、類似団体と比較しても低い数値で推移しているが、人口減少に伴う有収水量の減少も考えられるため、農業集落排水への加入促進し加入者を確保する必要がある。⑦施設利用率は類似団体と比較すると高い状況であり、接続の推進を続けるとともに、今後の改修、更新時期に合わせ、将来を見据えた適正規模を検討していく必要がある。⑧水洗化率については、類似団体と比べると依然として低い状況である。特に高齢者世帯などは、農業集落排水等への転換にかかる費用や維持管理費等の負担が多く進まない状況である。
老朽化の状況について
現在稼働中の4地区の処理場は、野井倉地区24年、松山地区22年、通山地区21年、蓬原地区16年経過しており、経年劣化による機器類の不具合や故障が多い状況である。マンホール部分については、硫化水素の原因による蓋・蓋受け枠の多少の劣化は見られるが、管路においては特段の劣化は見受けられないことから、現在更新は行っていない。令和4年度より最適整備構想に基づき施設における機械設備等について機能強化事業を実施し、長寿命化を図っていく。
全体総括
志布志市の農業集落排水事業は、面的整備は既に完了し、現在は施設の維持管理を行っているが、4施設のうち3施設が供用開始後20年以上経過しているため設備機器等の老朽化が進んでいる。そのため、今後は設備の更新が必要であり、多額の費用が必要になっていくと予想されるため、平成27年度に策定した最適整備構想等を基に計画的な更新事業を行っていくことが必要である。また、加入者数の減少に伴う使用料収入の減は経営を更に厳しくしていくため、更新計画と合わせて施設の適正規模や再編等を検討し、令和5年度より経営管理の向上を図るため公営企業会計の導入する。