収益等の状況について
収益的収支比率は100%と±0の状況が続いているが、これは、平成30年度に基金が底をついて以来、赤字分をそのまま一般会計からの繰入金により補填しているという状況にあるということである。また、その赤字額も年々増え、他会計補助金比率も増加傾向にある。利用者数減少による「収益低下」と、経年劣化による「維持経費増加」により、経営は困難な状況にある。EBITDAの減少傾向も著しく、全国平均を大きく下回っていることから、早期の経営改善等に向けた取組が必要である。
資産等の状況について
昭和45年に建築。その後増築された新館においても昭和60年築で、施設の経年劣化による維持経費の増加は顕著である。今後多額の設備投資見込額に対し、施設の在り方を含め検討する必要がある。
利用の状況について
当該施設は観光客もさることながらスポーツ合宿としての需要が多い。しかし、宿泊者数動向を見る限り、地域の宿泊需要の低さを伺うことができる。令和2年度において新たにサッカー場も建設されたことから、さらなる地域の魅力発信と合宿利用を推し進めるする必要がある。また、令和元年度決算において、定員稼働率も大きく減少した。全国平均の動きを見る限り新型コロナウイルス感染拡大による全国的な動きと推測できるが、前述のとおりオフシーズンでの合宿利用が多いため、2・3月の利用客数減少の影響は、他の様々な指標にも影響を与えることとなった。
全体総括
様々な指標から施設経営の厳しい状況を伺うことができる。施設の老朽化や利用者ニーズの変化、利用形態等の課題を整理しながら、今後は周辺環境を生かし、合宿利用に特化した他施設との差別化を図ることを検討している。また、類似施設との経営統合や民間譲渡なども視野に抜本的な経営改善を検討しなければならない。