地域において担っている役割
一次救急医療施設二次救急医療施設共同利用型開放病院西都児湯地域の地域災害拠点病院
経営の健全性・効率性について
・経常収支比率及び医業収支比率は100%を上回ってきたが、令和2年度は複数の医師が退職したうえ、新型コロナの影響で、医業収益が減少し、経営が急激に悪化している。また、夜間急病センター経営の健全性を維持するためには運営費負担金が不可欠である。・病床利用率が類似病院平均値より低いのは、稼働病床数(69床)に対して、許可病床数(91床)比較による。また、3階病棟で新型コロナ陽性患者の入院受入時には、感染防止のため3階病棟(36床)への一般患者の受入れを休止したためである。1人1日当たり収益においては、入院、外来共に類似病院平均値を大きく上回っている。人件費については令和2年度は医師の退職等に伴い医業収益が悪化し、職員給与費が占める割合が高くなっている。材料費については、ジェネリック医薬品の割合を高めるなど材料費の削減に引き続き努めていく。
老朽化の状況について
昭和55年に病院が建設されており、建設後40数年が経過している。施設の所々に老朽化の影響が出てきており、空調機器や電気系統の故障などの発生頻度も増加し、それに伴う修繕等が増加傾向にある。耐震調査で外壁強度が一部基準を満たしていないため、平成30年度耐震補強工事を実施。外来の待合室や廊下も狭く、入院病室にいたっては、もともと6人部屋として使用していたが、患者1人あたりの必要面積の制限もあり現在は4人部屋として使用している。そのため、許可病床91床であるが、稼動病床は69床で運用している状況である。新病院については、市長交代で建設予定地が白紙となり、現病院維持のため、消防法施行令に基づくスプリンクラー設備の令和7年6月末までに設置が求められる。また、災害拠点病院としての要件を満たす病床・診療・備蓄の各スペースの確保が求められる。
全体総括
平成28年4月に地方独立行政法人となり、西都市の作成した中期目標に沿った中期計画を策定し、目標達成に向け職員一丸となって運営に取り組んでいる。急性期一般入院料1を堅持し、高齢化が進む地域住民の急性期医療のニーズに対応した医療の提供を行いつつ、医療機能・患者サービス向上、経営安定のために必要な医療従事者を確保していく。夜間急病センターは、常勤医師を中心に宮崎大学医学部・宮崎県立病院や周辺医師会などからの協力により、内科・外科を毎日診療できる体制構築に努めている。今後の課題として、新型コロナウイルス感染症の影響で受診控えや診療制限が発生するなか、医師の確保を喫緊の課題とし、新型コロナ陽性患者受入施設として体制の整備を行うとともに、施設及び器械備品の老朽化や新病院建設に係る費用等、多額の支出を要することが予測されるため、増収対策の検討、業務の質を確保した経費削減を図る必要がある。