地域において担っている役割
一次救急医療施設、二次救急医療施設、共同利用型開放病院、西都児湯地域の地域災害拠点病院
経営の健全性・効率性について
・経常収支比率及び医業収支比率は毎年度100%以上となっており、健全な経営が維持されていることが示されているが、経営の健全性を維持するためには運営費負担金が不可欠である。・病床利用率が類似病院平均値より低いのは、許可病床数(91床)比較であるためで、稼働病床数(69床)で算定すると、利用率は85.3%となり、夜間及び休日救急分を考慮するとほぼ満床に近い状態となっている。・収益においては、入院、外来共に類似病院平均値を大きく上回っており、安定した収益を確保している。・人件費については類似病院平均値と比較して、比率は高くはない。しかし、材料費については類似病院平均値より若干効率性の低い値となっている。前年度比で多少抑えられたが、徹底した価格交渉による更なる材料費の削減に取り組み、単価の上昇を抑えるコスト削減に引き続き努めていく。
老朽化の状況について
昭和55年に病院が建設されており、建設後40年が経過している。施設の所々に老朽化の影響が出てきており、空調機器や電気系統の故障などの発生頻度も増加し、それに伴う修繕等が増加傾向にある。耐震調査で外壁強度が一部基準を満たしていないため、平成30年度耐震補強工事を実施。外来の待合室や廊下も狭く、入院病室にいたっては、もともと6人部屋として使用していたが、患者1人あたりの必要面積の制限もあり現在は4人部屋として使用している。そのため、許可病床91床であるが、稼動病床は69床で運用している状況である。
全体総括
平成28年4月から、地方独立行政法人へ運営形態を変更し、西都市の作成した中期目標に沿った中期計画を立案し、目標達成に向け職員一丸となって運営に取り組んでいる。急性期一般入院料1を堅持し、高齢化が進む地域住民の急性期医療のニーズに対応した医療の提供を行いつつ、医療機能・患者サービス向上、経営安定のために必要な医療従事者を計画的に採用している。夜間急病センターは、常勤医師を中心に宮崎大学医学部や周辺医師会などからの協力により、内科・外科を毎日診療できる体制構築に努めている。患者数は、入院患者、外来患者ともに徐々に増加しており経営状態も安定してきている。今後の課題として、施設及び器械備品の老朽化や新病院建設に係る費用等、多額の支出を要することが予測されるため、増収対策の検討、業務の質を確保した経費削減を図る必要がある。