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2011年度
人口の推移
財政比較分析表(2021年度)
財政力
財政力指数の分析欄
基準財政需要額はプラス340,259千円となったが、基準財政収入額がマイナス273,238千円となったため、わずかに減少した。また、類似団体平均値と比較したところ昨年度と同様に0.11ポイント低くなっている。今後、歳出の抑制や産業の創出、税収の確保につながる施策の推進に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
歳出においては、公債費、物件費に対する充当一般財源が増加したものの、前年と比較して人件費、補助費に対する充当額が減少した。最終的な歳出への経常一般財源は、前年度からマイナス42,086千円となった。一方、歳入についていずれの地方税、交付金においても前値度から増加しており、経常一般財源等は870,550千円増加した。特に普通交付税と臨財債が大きく増加したことが大きい(それぞれプラス506,314千円、プラス119,704千円)。上記の要因から経常収支比率は6.9ポイント改善した。ただし、いずれの収入も来年度以降で同水準収入できない可能性も高いため、引き続き今後も行財政改革プラン等に基づき、事務事業の見直しを更に進めるとともに、効果及び優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、また、公共施設管理の指定管理化等、経常経費の削減を図っていく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
物件費は118,258千円減少となったが、分母側の人口がマイナス620人となったため、人口1人当たりの決算額は、1,301円増加した。類似団体と比較すると人件費が多く、合併に伴い類似団体平均より職員数が多い傾向があるが、それに加えて、保有する公共施設を直営で行っていること等も影響している。今後も、行財政改革プラン等に基づき職員定員管理の適正化やアウトソーシングの推進等を行い、人件費、物件費等の抑制を図る。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数は、前年と同値である。また、類似団体平均との比較では、3.6ポイント高と乖離が大きく、今後も、行財政改革プラン等に基づき、給与制度の見直しにより、給与水準の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
分母側の人口がマイナス620人となったが、分子側の職員数の変動はなく、人口1,000人当たりの職員数は0.35人増加した。今後も行財政改革プラン等に基づき、早期退職制度、住民サービスを低下させないことを前提に、ICTの活用や電子化(AI、RPA等)、アウトソーシングの推進等により、職員数の削減を図りながら定員適正管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
分母側の標準財政規模がプラス260,717千円となったことに加え算入公債費がマイナス96,727となり、分母が大きく増加した。一方分子である元利償還金はプラス50,699千円であった。分子側のプラスの影響が大きく、単年度の実質公債費比率は3.0%から4.3%と、1.3ポイントの増加となったが、3か年平均である本指標は0.9ポイントの減少となった。今後、公共施設(小中学校、道路・橋梁・トンネル、社会体育・教育等)の長寿命化、広域ごみ処理場建設事業等の必要不可欠な大型事業が予定されているため、事業の必要性と公債費負担の状況を考慮し、水準の適正化に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担比率は、将来負担額を充当可能財源が上回っていることから、平成27年度以降比率無しとなっている。なお関連する数値の変動としては、公営企業債等繰入見込額が大きく減少し(2,707百万円)、充当可能基金が1,608百万円増加し、より改善した。しかしながら、今後、公共施設(小中学校、道路・橋梁・トンネル、社会体育・教育等)の長寿命化、広域ごみ処理場建設事業等の必要不可欠な大型事業が予定されており、事業の見直し・精査、義務的経費の削減等を行い、財政健全化に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)
人件費
人件費の分析欄
経常収支比率の人件費は、前年と比較して、人件費が改善され70,787千円減少したことに加え、経常経費充当一般財源等が870,550千円増加したことが影響し、2.8ポイント改善している。ただし、類似団体と比較しても7.3ポイント高くなっている。これは、保育所や各種公共施設運営を直営で行っていることや、給与制度が影響している。今後も、行財政改革プラン等に基づき、各種業務及び公共施設管理等のアウトソーシングの推進や給与制度の見直しに努める。
物件費
物件費の分析欄
経常収支比率の物件費は、プラス21,671千円となったが大きな変動はなく、分母となる充当一般財源等が増加したことで、0.6ポイント改善している。今後も、行財政改革プラン等に基づき、事務事業の見直し等を行い抑制に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
経常収支比率の扶助費は、前年と比較してマイナス9,032千円となり、0.5ポイント改善した。分母となる経常経費充当一般財源等が増加したことも影響している。類似団体の平均と比較して0.2ポイント低くなっているものの、国・県の制度を上回るサービス及び市単独の扶助費については、事業検証・評価業務において、費用対効果を精査し見直しを行う必要がある。
その他
その他の分析欄
経常収支比率のその他の内訳は、維持補修費及び出資金、繰出金である。前年度に続いて改善傾向にあり、前年度から1.1ポイント改善している。類似団体と比較したところ、1.4ポイント高いが、前年度よりその差は小さくなっている。今後も引き続き、適切な施設管理を行うことで維持補修費を圧縮し、繰出金については特別会計の事業見直し等を行い、削減に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
経常収支比率の補助費等は、事業の縮小等により94,663千円減少したことに加え、分母となる充当一般財源等が増加したことで、1.4ポイント改善した。類似団体との比較して、6.0ポイント低くなっている。今後も、行財政改革プラン及び補助金の交付に関する指針に基づき、市単独の負担金や補助金については、必要性や有効性、使途状況の精査を行い、効果が期待できないものについては削減を図っていく。
公債費
公債費の分析欄
経常収支比率の公債費は、近年実施した大型事業における償還開始により、前年度比較してプラス106,270千円となったが、分母となる充当一般財源等が増加したことが影響し、0.5ポイント改善した。ただし、今後、公共施設(小中学校、道路・橋梁・トンネル、社会体育・教育等)の長寿命化、広域ごみ処理場建設事業等の必要不可欠な大型事業が実施されるため、各種事業の実施時期の平準化により新規債の発行抑制に努め、財政の硬直化の改善を図る必要がある。
公債費以外
公債費以外の分析欄
経常収支比率の公債費以外は、前年度と比較して6.4ポイント改善し、類似団体との乖離が小さくなり0.8ポイント高い。今後も引き続き、行財政改革プラン等に基づき、事務事業の検証・評価による見直しを進めるとともに、優先度を点検し、優先度の低い且つ費用対効果の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
目的別歳出のうち大きな割合を占めるのは、総務費、民生費、公債費及び教育費であり、全体の約73%を占める。総務費は、CATV施設整備事業(光化)等の影響により前年度に続き高い水準にある。民生費は、子育て世代、非課税世帯への特別給付の影響により、前年度に比べ35,168円増加している。教育費については、義務教育学校(小中一貫教育校)創設事業等の完了により、前年度に比べ25,240円減少している。公債費については、前年度が繰上償還の影響があったため高い水準であったが、今年度は25,919円減少した。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、前年度よりも減少し住民一人当たり約977,560円となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり157,319円となっており、人口減少の影響及び類似団体を比較して職員数が多いことが原因である。その他、主な構成要素の一つである補助費等は、子育て世代、非課税世代への特別給付金もあり、令和元年度よりわずかに高い水準となっている。普通建設事業費は、前年度に続き高い水準にある。新規整備については義務教育学校建設事業などの完了に伴い、前年度に比べ減少しているが、更新整備については前年度に続きCATV施設整備事業(光化)、観光施設整備事業、トンネル長寿命化事業、古代住居等修復事業等により増加している。最終的には、29,922円の増加となった。公債費は、前年度多額の繰上償還があったため高い値となっていたが、今年度は前年度より25,919円減少している。ただし、類団平均と比べると依然高い水準となる。投資及び出資金は、水道・下水道事業会計等への出資金が増加したことにより前年度よりも1,861円増加した。
実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)
分析欄
令和3年度の実質収支は692,841千円で令和2年度の572,088千円から120,753千円増加している。(実質収支比率5.66%)財政調整基金残高は、積立により822,086千円減少し、標準財政規模に対する比率で6.1ポイント改善した。なお、実質単年度収支は、プラス942,839千円となっている。前年度と引き続き、実質単年度収支はプラスとなった。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)
分析欄
過去5年間においては、いずれの年度でもすべての会計で黒字を計上している。現在のところ財政運営は健全であると判断できる。今後も財政の健全性を維持するよう努める。
実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄
前年度と比較して、元利償還金はプラス99百万円となったが、公営企業の元利償還金に対する繰入金がマイナス49百万円、算入公債費がプラス133百万円となったことにより、実質公債費比率の分子はプラス134百万円となっている。実質公債費比率は3カ年平均で4.5%となり、前年度と比べ0.9ポイント改善している。しかし、単年度の実質公債費比率は3.0%から4.3%と、1.3ポイントの増加であった。今後、広域ごみ処理場建設事業や老朽化した施設の改修等に対する財源として地方債の発行が予定されていることから、実質公債費比率の上昇が予想される。
分析欄:減債基金
該当なし。
将来負担比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄
将来負担比率は、平成29年度以降充当可能財源が将来負担額を上回っているため、比率無しとなっている。その内訳の変動を見ると、充当可能基金において大きく改善がみられ、現状は健全な状態にあると思われる。おおむね減少傾向にあるが、今後、公共施設(小中学校施設、道路・橋梁・トンネル、社会体育・教育施設等)の長寿命化や広域ごみ処理場建設事業等の必要不可欠な大型事業が予定されており、予断を許さない状況である。
基金残高に係る経年分析(2021年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政調整基金への運用益等の822百万円の積立や、減債基金への積立433百万円の増、ふるさと応援基金の積み立て差額337百万円の増が要因となり、いずれ基金の区分においても増加の結果となった。(今後の方針)財源を確保するため財政調整基金を一定程度確保しながら、老朽化した施設の更新や除却に対応するための公共施設整備基金、CATV施設整備事業や広域ごみ処理場建設事業等の大型事業を実施したことによる地方債の償還に備えるための減債基金の積み立てを行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)運用益等822百万円を積み立てたことによる増。基金からの繰入は発生していない。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の20%以上を維持するよう努めることとしている。
減債基金
減債基金
(増減理由)基金からの繰入は発生していない。運用益等433百万円を積み立てたことによる増。(今後の方針)地方債償還及び繰上償還の財源として積み立てる。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・ふるさと応援基金:贈られたふるさと応援寄附金を活力あるまちづくりの施策を推進するために活用する。・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興等のための事業に活用する。・公共施設整備基金:公共施設等の整備、改修、更新及び除却に要する経費に活用する。・地域福祉基金:長期的な展望に立って地域福祉の充実化を図るため積み立てた基金の運用益を活用する。・過疎地域自立促進基金:過疎地域自立促進計画に基づく事業に活用する。(増減理由)・ふるさと応援基金:ふるさと応援寄附金の積み立て等により1,078百万円の増であったが、保育料の軽減等の65事業の経費に充当したため742百万円の減。・地域振興基金:運用益の積み立て等により26百万円の増。図書館費寄附金により1百万円の減。・公共施設整備基金:運用益の積み立て等により16百万円の増、観光施設整備事業に充当したため40百万円の減。・地域福祉基金:積立金の運用益を事業に活用する果実運用型の基金のため増減なし。・過疎地域自立促進基金:運用益の積立てを実施。(今後の方針)・ふるさと応援基金:贈られた寄附金は必要経費を除いた全額を積立てながら、「子育て」や「定住」等の施策の経費に取り崩していく。・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興等の事業のため必要な額を積み立てる。・公共施設整備基金:公共施設管理計画に基づく施設整備に対応するため必要な額を積み立てる。・地域福祉基金:今後も地域福祉の向上のため現状を維持していく。・過疎地域自立促進基金:過疎地域自立促進計画に基づく事業に対応するため必要な額を積み立てる。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
当市が保有する有形固定資産の老朽化が進んでおり、一貫して有形固定資産減価償却率が上昇している状況である。また、全国・類似団体・大分県平均を上回っている。これは本市の資産の中でも大きな割合を占める道路の減価償却率が高いことが要因と考えられる。令和2年度末に改訂した公共施設総合管理計画において、今後36年間で公共施設の延べ床面積総数を30%縮減するという目標を引き続き掲げている。令和元年度末には公共施設個別管理計画を策定し、施設ごとに今後の方針を定めている。老朽化した有形固定資産の状態や活用状況を踏まえ、長寿命化や複合化、除却等の対策を計画的に進めていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率については、当市は類似団体と比較して低い水準ではあり、令和2年度決算から大幅に指標が低下した。これは令和3年度に基金を積み立てることができた点が大きいと考えられる。ただし、今後、広域ごみ処理場の建設、ケーブルテレビ施設整備、老朽化した公共施設(特に、学校、道路・橋梁・トンネル等)の更新(長寿命化)等に伴う大規模な起債の発行により、地方債残高の増加が見込まれており、本指標も上昇していく見通しとなっている。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
当市の将来負担比率は、令和3年度に地方債残高以上に基金が増加したこともあり、類似団体と比較して財政状況が比較的良いように見える。ただし、一方で合併前の旧団体が保有していた公共施設等の数、規模とも大きく、老朽化も進行していることから、有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較して高い水準にある。今後、広域ごみ処理場の建設、老朽化した公共施設の更新(長寿命化)等が控えており、財源確保対策や効率的な執行が必要とされる。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
近年は、両指標とも順調に推移している。次年度以降においても、繰上返済を予定していることから実質公債費比率は下がる予定ではあるが、それ以上に広域ごみ処理場の建設、老朽化した公共施設の更新(長寿命化)、ケーブルテレビ施設整備等に伴う大規模な起債の発行が見込まれていることから、上昇していく見込みである。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
当市は、半島中心の山間部から放射状に丘陵地と谷間が海岸に向かって広がり、特に北部では小さな入り江と岬が連続するリアス式海岸を形成しているため、道路・橋梁・トンネル・港湾・漁港といったインフラ施設は多く、一人当たりの保有量においても平均を上回る。また、そのインフラ施設については、有形固定資産減価償却率が全国平均、大分平均を大きく上回っており、老朽化が進んでいる。今後、長寿命化計画によって対策を進めていくことになる。公営住宅については、有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して差は小さいものの高い水準を示しているため、老朽化が進んでいることが分かる。人口に対しても供給数が多いことから、計画的に老朽化対策や除却等、適正管理を行っていく。幼稚園・保育所及び学校施設では、他の施設ほど、有形固定資産減価償却率は高くないものの、人口減少を加味すると、施設の再編が必要となってくる。児童館・公民館は、有形固定資産減価償却率が高く、全国平均、大分県平均、類似団体平均ともに大きく上回っている。インフラ資産を廃止することは現実的ではないことから、今後は老朽化が進んでいる施設の再編等が必要となってくる。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
本市において、全国平均、県平均、類似団体平均と比較して、有形固定資産減価償却率が高い施設は、体育館・プール、福祉施設、消防施設となっている。体育館・プールについては、スポーツ施設整備計画により、計画的に更新(長寿命化)等を進める。福祉施設については、人口減少を加味すると、施設の再編が必要となってくる。消防施設は消防団の再編等により、機庫等の施設整備を進める。
財務書類に関する情報①(2021年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等の資産総額は、前年度末から1,124百万円の増加(1.1%)となった。大半は基金の増加(1,603百万円)となっておりその点で将来のリスクに対する積立が出来ているものと考えられる。一方で減価償却による有形固定資産(償却資産)の価値の減も続いており、点検・修繕等による予防保全に努める必要がある。一般会計等の負債総額は、前年度から708百万円増加(3.1%)しているが、負債の増加額のうち最も金額が大きいものは、地方債の増加(914百万円)である。令和3年度はケーブルテレビ施設整備事業に係る起債が増加(1,375百万円)しており、今後の公債費償還の負担となることから、引き続き地方債の抑制に努める。特別会計を加えた全体について、資産総額は前年度末から696百万円増加(0.5%)し、負債総額は前年度末から186百万円減少(▲0.4%)した。特別会計で見た場合は令和3年度は特に市民病院事業会計で資産形成が行われた(606百万円の資産増)。また連結について、資産総額は前年度末から325百万円増加(0.2%)し、負債総額は前年度末から411百万円減少(▲0.9%)した。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等行政コスト計算書の経常費用は21,275百万円となった。今後も大きな金額の計上が予定されるのは減価償却費(4,761百万円、前年度比180百万円)であり、純行政コストの23.5%を占めている。今後も施設の集約化・大規模修繕事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費全体(トータルコスト)の圧縮に努める。純行政コストを経年で比較した場合は2,993億円減少しているが、大半は特別定額給付金の減によるものと考えられる。全体では、最終的な純行政コストは一般会計等と比べて7,255百万円多くなっている。また連結では、最終的な純行政コストは一般会計等と比べて12,421百万円多くなっている。どちらの区分も経年で見た場合は純行政コストが減少している。ただし、減価償却費については増加傾向にあることから、償却資産の総量が特別会計・一組とも徐々に増加傾向にあるものと考えられ、特別会計等についても公共施設マネジメントを進めていく必要がある。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等や国県補助金等からなる財源(20,593百万円)が純行政コスト(20,261百万円)を上回っており、純資産残高は最終的に416百万円増加した。令和2年度から令和3年度にかけてはふるさと納税額がやや減少したものの、本市にとっての貴重な財源となっていることから、今後も引き続きふるさと納税制度の活用等による税収等の増加に努める。特別会計を加えた全体では、純資産残高は最終的に883百万円増加した。また連結では、純資産残高は最終的に737百万円増加した。令和3年度はこれまでと異なりすべての区分で前年度に比べ純資産残高が増加している。地方債の増加以上に基金等の資産形成を行えたことが要因と考えられ、今後も将来の財政リスクと見越した行財政運営に努める。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等資金収支計算書における業務活動収支は2,970百万円であったが、投資活動収支については▲4,349百万円となった。前年度からすると投資活動収支のマイナス幅が大きくなっている。これは令和2年度は基金の取り崩しを行いながら他資産形成を行ったため最終的なマイナス幅が小さかったことに対して、令和3年度は基金取崩を最小限にしつつ基金や光ケーブル等公共施設整備等の資産形成を行うことができたためである。ただし、財務活動収支を見ると、公共施設整備等により起債を行った影響で最終的にはプラスになっており、今後は地方債の抑制についても検討を進める。全体では、業務活動収支は4,263百万円となっている。投資活動収支は、特別会計における基金積立などの資産形成等を実施したため▲4,924百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を下回ったことから528百万円となった。連結では、業務活動収支は3,744百万円となっている。投資活動収支は、一般会計等から連絡に至るまでの資産形成等が計上されており▲4,957百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を下回ったことから871百万円となった。
財務書類に関する情報②(2021年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は、合併前の自治体単位で整備された公共施設等があるため、類似団体平均を上回っており、その差が拡大している。経年で見た場合は前年度末に比べて13.4万円増加しているが、これは人口減と資産増どちらも影響している。令和3年度は基金の増が資産増につながった主な要因と考えられる。歳入額対資産比率については、類似団体平均を上回る結果となった。また、前年度と比較すると、0.29年増加することとなった。有形固定資産減価償却率については、昭和50年代に整備された資産が多く、類似団体より高い水準にある。また、これらの公共施設等の老朽化に伴い、前年度より0.8ポイント上昇している。公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は、類似団体平均よりも高いが、前年度から0.4ポイントとわずかながら下落している。これは純資産の増加以上に負債が増加したことによるものである。今後も安定した行財政運営を行えるよう、起債の抑制と適正な規模の基金積立に努める。将来世代負担比率は、類似団体平均を下回っているものの前年度から比べると比率が上昇している。新規に発行する地方債の抑制を行う等、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。純行政コストのうち23.5%を占める減価償却費が、行政コストが他団体に比べ高くなる要因の一つと考えられる。今後も、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っており、前年度から4.6万円増加している。これはケーブルテレビ施設整備事業に係る起債が増加したことと、人口が減少したことに要因がある。地方債については、起債する場合も可能な限り有利な条件となるよう情報収集に努める。基礎的財政収支は、投資活動収支の赤字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた業務活動収支の黒字分を下回ったため、279百万円となっている。黒字ではあるものの類似団体平均を下回っており、前年度から見ても黒字幅が縮小している。本市の場合は令和2年度は起債にやや頼った行財政運営が行われたと考えられ、今後本指標の黒字幅を拡大できるよう、経常的なコスト等の圧縮にも努める。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体よりも高くなっている。経常費用の中でも減価償却費の占める割合は大きく4,761百万円となっていることから、老朽化した施設の集約化・複合化等で総量を圧縮し、減価償却費や物件費(光熱水費等)をはじめとした経常費用の削減に努める。また、歳入側についても適正な受益者負担の在り方について検討を進める。