経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は100%を上回っているが,総収益の大半が一般会計繰入であり健全な経営とはいえない。なお,令和2年度に率が下がっているのは,ダウンサイジング検討に伴う委託料が増加したためである。④企業債残高対事業規模比率は0%となっているが,これは企業債残高の全部を一般会計において負担するためである。⑤⑥経費回収率及び汚水処理原価ともに類似団体と比べると,経費回収率は大幅に低下し,汚水処理原価については大幅に高い水準となった。令和3年度は企業債の償還を基金の取り崩しにより賄ったため,一般会計からの繰入金が大幅に減少し,公費負担分を除く汚水処理費の金額が大幅な増加となっていることが原因である。なお,事業費用の総合計は減少している。⑦施設利用率は類似団体と比べると低い水準である。今後は施設規模の縮小など検討していかなければならない。⑧水洗化率は類似団体と同じ水準となったが,100%の状況になっても使用料収入では賄いきれないため,今後料金改定等により経営健全化を図っていく必要がある。
老朽化の状況について
③管渠改善率は平成21年の供用開始から約13年経過しており0%であるが,今後計画的な更新事業に取り組みたい
全体総括
漁業集落排水施設は全国的にも経費回収率は100%を下回っている団体が多く経営が非常に厳しい。本市も収益が少なく費用が過大であるため一般会計繰入に頼らざるを得ない状態である。集落の地域は高齢者が多く,また人口密度も低いため,今後も水洗化率の上昇は非常に難しい状況である。今後施設において,処理能力及び処理方式を見直すことにより,更新工事費及び電気料等の維持管理費の削減を図っていく必要があると考える。