地域において担っている役割
対馬医療圏の北部地区唯一の地域病院として、救急医療、急性期から慢性期にわたる医療及び、へき地医療を行っている。現在、訪問看護ステーション、通所リハビリテーションを併設し、在宅医療を支援している。また対馬医療圏の中核病院である対馬病院や長崎医療センター、大村市民病院の協力を得て特別診療を提供している。さらに、行政と連携し地域住民の健診事業も実施している。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は94.3%と2年続いて100%を下回った。経常収支100%を超えていたH29年度と比較して④病床利用率は14.4%減、昨年度と比べても8.4%減であった。これは新入院患者が減少していること(対H29年度35人減、対H30年度18人減)、また平均在院日数が短縮していること(対H29年度3.6日短縮、対H30年度2.2日短縮)、以上の2点が大きな要因である。⑤1人1日当たりの入院収益はH30年度から484円増加しているが、平均在院日数が減ったことで入院基本料が伸びでいる。また⑥1人1日当たりの外来収益についてもH30年度から349円増加、注射投与が伸びている。⑦職員給与費対医業収益比率について、H30年度と比較して5.5%上昇しているが、退職者が6人増加したためである。
老朽化の状況について
当院は昭和59年度に建築されており、令和元年度末で35年が経過する。建築当時の付属設備について更新せずに減価償却が終了している設備(耐用年数が過ぎても使用している設備)が多いため、①有形固定資産減価償却率が類似病院平均値より上回っている。器械備品についても、近年耐用年数が過ぎても使用している備品が多いため②器械備品減価償却率も増加傾向である。以上のような傾向から、今後故障や使用不能が発生する危険性が増加することが考えられるため、設備や器械備品の自主点検等をこまめに行い早めの対応を取れる体制を構築するとともに、計画的に施設・設備や器械備品の更新を行う必要がある。
全体総括
経常収支比率が94.3%で昨年度に引き続き100%を下回った。入院患者数はH30年度と比較して1,803人減少、H29年度からは3,128人減少した。これは対馬医療圏の北部地区の人口が減少していることと医師のローテーションが頻繁(4月、9月、1月の3回)におこなわれたことが要因と思われる。今後は入院及び外来患者増に結び付けることが出来る健診業務を今以上に力を入れていく。また、医療器械の保守委託や賃借契約を見直しをおこない経費削減に努めたい。そして、さらに地域へ継続的な医療を提供できるよう医師・看護師など医療スタッフの確保も力を入れていきたいと考える。