収益等の状況について
経年推移を見ると、安定して黒字で推移しており、健全な経営が行われている。料金収入面で課題を挙げるとすれば、営業時間が限られていること(7時から19時(冬季は18時)まで)、町内の主要観光施設からやや離れているために他の民間駐車場に利用客が流れていることのほか、月極利用が多い点であろうが、近接する役場そのものの駐車場が狭小である中で当該駐車場があることにより来庁者や職員の駐車スペースが確保されていることを鑑みると、当該駐車場の果たす役割は大きいと言える。また、駐車場の管理をシルバー人材センターに委託しているため、固定費として生じる委託料が歳出の大部分を占める点については、今後は費用の削減に向けて無人ゲート等の採用も検討しつつ、より健全な経営を実現できるよう努めていきたい。
資産等の状況について
施設の経年劣化により都度補修が必要な箇所が生じ、設備投資見込額が多額に上るものの、敷地の地価が高いため、資産全体としての価値は高いものと思われる。設備投資見込額は、経年劣化したカーゲートや発券機、レジスター等の取り替えを予定していることによるものである。敷地の地価と比較して設備投資見込額が過小であるため、民間譲渡や他の用途への活用も考えられるが、利用者からの需要が一定数あり、特に観光シーズンには町内の交通渋滞を緩和し、観光客の安全確保にも一役買っている点をふまえ、現状は駐車場のまま活用する考えである。
利用の状況について
稼働率の値が類似施設の平均を下回っているが、この原因は、収益の低さを招いている要因として先に挙げたものと共通していると考えられる。中でも特に、当該駐車場の営業時間が日中のみに限られている一方で、24時間自由に入出庫が可能な無人のコインパーキングが町内に点在し、中には主要な観光施設により近く、観光客が限られた滞在時間で効率的に観光をしたい場合に利便性の面で優れているものもある。そのため、当該駐車場の需要が低下しつつあるものと思われる。月極利用により一台当たりの駐車時間が長くなることに伴い、入出庫の頻度低下がもたらす稼働率への影響が懸念されるものの、役場駐車場が不足する際には代替駐車場としての機能を果たすという点で、当該駐車場に対する需要は常に一定数あるものとして期待できる。
全体総括
経年推移を見ると、安定して黒字での経営ができている。今後は、稼働率を今以上に向上させて料金収入を増やすこと、歳出の大部分を占める管理委託料を削減することが課題と言える。営業時間の延長に繋がる無人料金精算システムの導入等も検討し、経営戦略の策定とともに費用の削減、収益の増加に向けて取り組んでいきたい。