地域において担っている役割
塩江地域唯一の医療機関としての責任を果たすため、住み慣れた自宅で家族の負担を軽減しながら安心して療養できるよう、「在宅療養支援病院」として、医師、看護師が患者の在宅療養を支援している。また、訪問診療や訪問看護により、歯科医師や理学療法士等、多職種が地域に出向き、専門性を活かした活動の充実のほか、交通手段を持たない地域住民のための患者送迎バスの運行など、職員全員で地域を支える「地域まるごと医療」を実践している。
経営の健全性・効率性について
平成30年度に引き続き、塩江地区人口の減少などの影響等により、患者数が減少し、④病床利用率は、経年比較においても更に減少し、40%を下回るに至っている。これにより医業収益が更に減少しているが、①経常収支比率、②医業収支比率、⑦職員給与費比率については、ほぼ横ばいとなっており、これは給与費や経費といった医業費用についても、減少したためである。今後とも経営の健全化に向けて、患者数確保及び費用の削減についても進めて参りたい。
老朽化の状況について
平成30年度に引き続き、①有形固定資産減価償却率、②器械備品減価償却率については、類似病院平均値を上回っており、老朽化が進んでいることが分かる。③1床当たり有形固定資産についても、類似病院平均値を大きく下回っており、施設設備への投資が平均よりも少ない。塩江分院は、みんなの病院の附属医療施設として、観光施設と一体的に整備しているところである。整備完了までは、現有設備の適切な維持管理に努めたい。
全体総括
人口減少、高齢化が進んでいるという地域の特性上、大幅な患者数の増加は困難と思われるが、できる限りの患者確保や費用の縮減に向けた取組が必要である。また、第3次高松市病院事業経営健全化計画(平成30年度~令和2年度)において、高松市立みんなの病院の附属医療施設として、再編・ネットワーク化を行うこととしている。令和元年度は整備候補地を自然休養村センターの跡地及びその隣接地とし、道の駅及び浴場施設と一体的な整備を行うため、基本計画の策定に着手した。速やかに整備を進めるとともに、「地域まるごと医療」をスローガンに、健全経営に努め、保健、医療、福祉が一体となって地域包括ケアに貢献していきたい。