収益等の状況について
令和2年度については、新型コロナウイルス感染拡大の影響による臨時休館等により、定員稼働率の減少に伴い収益が大幅に減少したものの、一般会計からの繰入による休業補償により減少幅が抑えられている。当事業においては、指定管理者から特別会計に収益の一部を納入する協定を締結し、当該納入金の一部を基金に積み立て中長期的な施設の維持管理に充てる等、企業会計の収支状況は一定の安定性を有している。
資産等の状況について
企業債については、平成13年に借入を行って以降、新たな借入は行っておらず、当該借入金は平成30年度に償還が完了した。平成29~30年度にかけて耐震補強・改修工事を実施したところであり、今後、基金の残高に留意しつつ、中長期的な修繕・機器更新等を計画的に実施していくものとする。
利用の状況について
新型コロナウイルス感染拡大の影響による臨時休館等により、利用客数が大幅に減少したものの、国や県の観光需要喚起の経済対策や、本市における宿泊券発行事業などにより、夏から秋にかけては、利用客数の回復が進んだ。ただ、通年での利用状況は大幅に減少している。
全体総括
このまま新型コロナウイルス感染症が収束しなければ、経営は厳しい状況となる。当該施設は、市内でも人口減少が顕著な地域に位置しており、中長期的な地域経済の活性化を図る上で、地域の交流拠点としての役割を担っている。平成30年7月のリニューアルオープン以降については、改修工事における老朽部分の改修等で宿泊・保養環境の快適性の強化を図るとともに、休業期間を活用した地元食材の新メニュー開発やホスピタリティ向上を実施したことにより、客単価が増加しているところであり、今後においても、持続的なリピーター確保や新規顧客の開拓を戦略的に進め、収益の確保を図っていく。