経営の状況について
○経常収支比率は、100%以上であり、前年度に比べ、本郷川発電所及び小瀬川発電所がFIT適用となったこと等により増加するとともに、料金収入以外の収入への依存度も低く、経営の健全性は確保されている。○営業収支比率は、100%以上であり、前年度に比べ、本郷川発電所及び小瀬川発電所がFIT適用となったこと等により増加するとともに、建設改良積立金など更新投資等に充てる財源も確保しており、経営の健全性は確保されている。○流動比率は、100%以上であり、定期預金(2年)の運用による固定資産の減少に伴う流動資産の増加等により増加しており、経営の健全性は確保されている。○供給原価は、前年度に比べ、修繕費の減等により減少しており、全国平均とほぼ同じ水準にある。引き続き、効率的な発電等により費用を削減していくように努める。○EBITDA(減価償却前営業利益)は、前年度に比べ純利益の増加等により増加しており、今後も効率的な発電等により本業の収益が増加していくよう努める。
経営のリスクについて
○設備利用率は、前年度に比べ、オーバーホールのための稼働停止期間が減少したこと等により増加しており、今後も発電施設の効率的運用に努めていく。○修繕費比率は、全国平均より高く、上昇傾向にある。これは、施設の老朽化に伴い修繕費が増加したものによるが、「電気事業施設整備10か年計画(2019~2028)」に基づいて計画的かつ効率的に修繕を行っていく。○企業債残高対料金収入比率は、企業債の新規発行抑制及び着実な企業債償還に努めた結果、全国平均より低く、経年的にも低下傾向にある。○有形固定資産減価償却率は、施設の老朽化に伴い、全国平均より高く、横ばいの傾向にあり、保有資産が法定耐用年数に近づきつつある。これについては、「電気事業施設整備10か年計画(2019~2028)」に基づき、計画的かつ効率的に施設の更新を行っていく。○FIT収入割合は、本郷川発電所及び小瀬川発電所がFIT適用となったことから増加しているが、全国平均よりも低く、制度による調達期間終了後の収入減による発電事業全体におけるリスクは低い。
全体総括
○指標の分析からは、これまでのところ、経営は堅調に推移している。○「第4次経営計画(2019~2028)」に基づき、気象予測に基づくダム貯留水の有効利用や発電停止期間の抑制・短縮による効率的な発電の実施等により、安定した電力料収入、純利益を確保していく。○企業債については、新規企業債発行の抑制と着実な償還により、計画的な企業債残高の縮減を図っていく。○「電気事業施設整備10か年計画(2019~2028)」に基づき、計画的かつ最適な投資を行うとともに、新技術、新工法の導入や効率的な施工方法の採用等で工事コストを削減し、経費支出の抑制に努めていく。○新たな水力発電所(平瀬発電所)の建設やリパワリングの推進等により、水力発電の供給力の向上を進めていく。