経営の状況について
○経常収支比率は100%以上で経年的にも上昇しているとともに、料金収入以外の収入への依存も低く、経営の健全性は確保されている。○営業収支比率は100%以上で経年的にも上昇しているとともに、更新投資等に充てる財源も確保しており、経営の健全性は確保されている。○流動比率は100%以上あるものの、経年的には比率は低下傾向にある。これは、長期貸付金によるものであるが、貸付は今後の建設改良や災害等の非常時における経営資金を確保した上でのものであり、今後もこうした点に留意しつつ短期的支払能力を確保していく。○供給原価は減少傾向にある。これは、降雨量増により年間発電電力量が増加しているとともに、効率的な発電(運用)により費用を減少させているものであり、今後も効率的な発電に努める。○EBITDA(減価償却前営業利益)は、ここ3年は増加傾向(H27は対前年比8.4%増)にあり、本業の収益が徐々に成長しつつある。
経営のリスクについて
○設備利用率は、全国平均より高い水準にあるとともに、経年的にも上昇傾向にあり、発電施設の効率的運用が行われている状態にある。○修繕費比率は、全国平均より高い水準にあるとともに、最近3年は上昇傾向にある。修繕費については、水車発電機のオーバーホール工事などで増加しているが、策定している「電気事業施設整備10か年計画(H25~H34)」に基づいて計画的な修繕を行っているところであり、今後も効果的な修繕方法等を検討しつつ、長期的視点に立って発電所の維持管理を行う。また、修繕費比率が高い場合の長期契約終了後の減収リスクについては、H35年まで現行売電契約を維持することとしており、その終了時期を見据えつつ、修繕費のコスト縮減等により改善していく。○企業債残高対料金収入比率は、企業債の新規発行抑制に努めた結果、全国平均より低く、経年的にも低下傾向にあり、着実に企業債償還を行っている。○有形固定資産減価償却率は、全国平均より高く、経年的にも上昇傾向にあり、保有資産が法定耐用年数に近づきつつある。これについては、「電気事業施設整備10か年計画(H25~H34)」に基づき、計画的に施設の更新を行っていく。○FIT収入割合は全国平均よりも低く、制度による調達期間終了後の収入減による発電事業全体におけるリスクは低い。
全体総括
○指標の分析からは、これまでのところ、経営は堅調に推移している。○策定している「第3次経営計画(H25~H30)」の収支計画に基づき、気象予測に基づくダム貯留水の有効利用や発電停止期間の抑制・短縮による効率的な発電の実施等により、安定した電力料収入、純利益を確保していく。○企業債については、新規企業債発行を抑制し、計画的な企業債残高の縮減を図っていく。○「電気事業施設整備10か年計画(H25~H34)」に基づき、計画的かつ最適な投資を行うとともに、新技術、新工法の導入や効率的な施工方法の採用等で工事コストを削減し、経費支出の効率化に努める。○水力発電所の建設やリパワリングの推進により、水力発電の供給力の向上を進めていく。