地域において担っている役割
旧御津町時代に開設された町立金川病院が合併により岡山市に引き継がれ、現在も御津地域を中心とする地域医療を担っている。「再編・ネットワーク化」の一環として、平成24年4月に新築移転し、国立病院機構(岡山医療センター)が指定管理者としてして運営している。患者ニーズに合わせ、平成26年9月に地域包括ケア病床(20床)を導入している。
経営の健全性・効率性について
利用料金制の指定管理者制度により国立病院機構が運営しており、市側は新築に伴う企業債の償還を行なうことを主としている。病床利用率については、90%前後で推移しており、高い利用率を維持している。入院患者・外来患者1人1日当たり収益については増加傾向となっている。また、職員給与費対医業収益比率、材料費対医業収益比率は、指定管理者の効率的な運用により、類似病院平均値より低い水準にあるとともに年々減少傾向となっている。以上のことから経常収支比率、医業収支比率については年々改善傾向にある。
老朽化の状況について
新築移転から年数がそれほど経過していないため、有形固定資産減価償却率は類似病院平均値に比べ低いものとなっている。また、新築移転する前に市が保有していた備品類については、使用可能なものを指定管理者へ無償貸与しているが、これらについては償却済であるため器械備品減価償却率は95%となっている。建設を低コストで行ったことや高額な医療機器を保有していないことなどから、1床当たり有形固定資産については、類似病院平均値より低いものとなっている。
全体総括
指定管理者制度による運営を行っているが、一般的な公費負担(繰出基準)の考え方とは異なる運用をしていることもあり、統計資料に基づく類似病院との比較などによる経営分析では判断が難しい側面がある。しかしながら、経年比較でみると、指標は概ね改善傾向にあることから、指定管理者による運営が効率的に行われていると判断する。