経営の健全性・効率性について
経常収支比率、流動比率ともに100%を上回り、累積欠損金もないことから、経営は健全であるといえる。企業債残高対事業規模比率は類似団体平均値と比較して低い水準となっている。初期投資に係る償還を既に終え、適正な水準となっていると考える。今後老朽化に伴う施設更新が増えると予測されるが、企業債償還額の平準化を図っていく。汚水処理原価は、人口が少なく有収水量が少ないこともあり類似団体平均値よりも高く、施設利用率は類似団体平均値よりも低くなっている。更なる維持管理費の削減に取り組み、また関連市町において未普及地域の水洗化率向上の対策を講じ、スケールメリットによる汚水処理原価の低減を図る必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、地方公営企業法適用に伴い、過去の減価償却費が反映されない計上方法となっていることから、類似団体平均値よりも低い水準となっている。管渠については、法定耐用年数を超過したものはないものの、供用開始から37年が経過しており、更に平成28年10月の鳥取県中部地震以後、大雨の後などに不明水が発生したため、管渠調査を実施。不明水の発生箇所を優先的に修繕し、劣化が進行し機能が損なわれる可能性がある箇所についても、計画的に適宜改築更新を行っている。
全体総括
経営・資産状況を正確に把握して安定的な事業運営を行うため、令和2年度から公営企業会計に移行した。管理運営に係る経費については、流域関連市町からの負担金で賄える状況を維持しており、現状としては概ね健全な経営状況と言える。今後、人口減少等により流入汚水量の減少が見込まれる中、持続可能な事業運営ができるよう、令和2年度に策定した経営戦略及びストックマネジメント計画に基づく計画的な改築更新や、省エネ機器・省エネ運転の導入等による維持管理費の更なる経費削減などにより経営の健全性の確保に取り組んでいくとともに、市町との広域化・共同化について、具体的な取組を検討していく。