鳥取県:電気事業

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経営比較分析表(2017年度)

経営の状況について

経常収支比率と営業収支比率については、一般会計からの繰入金はなく、料金収入以外の収入への依存も小さく、いずれも毎年度黒字となっていたが、H29年度は、台風被害や水力発電所リニューアル工事等による運転停止等により赤字となり、下降している。流動比率については、H26年度の会計基準の改正により企業債と引当金が流動負債となったことで下降しているものの、目標値は超えており、短期的な債務の支払能力は有している。H29年度は、建設中の発電所に係る未払金の増加等により下降している。供給原価については、概ね全国平均に近い数値で推移しており、H29年度は台風被害等による費用の増加や発電量の減少等により増加しており、維持管理費等の削減と発電量の増加に努める必要がある。EBITDA(減価償却前営業利益)については、全国平均を下回っているものの上昇傾向にあったが、H29年度は台風被害等による収益の減少や費用の増加等により減少しており、収益性の安定に努める必要がある。

経営のリスクについて

設備利用率について、H29年度は水力発電、風力発電、太陽光発電いずれも全国平均を上回っているものの、水力発電は発電所リニューアル工事や台風被害等により下降しており、施設の効率的な運用に努める必要がある。修繕費比率について、施設全体では全国平均を上回っており、水力発電も同様であることから、水力発電施設老朽化の占める割合が高いと考えられるが、H29年度は水力発電施設の修繕費の減少等により下降している。企業債残高対料金収入比率について、H29年度は料金収入の減少により上昇しており、全国平均より数値が高いことから、投資の効率化や将来の償還財源の確保に向けて取り組む必要がある。有形固定資産減価償却率については、全国平均を下回っているものの、償却対象資産の減価償却が進んでおり、上昇している。FIT収入割合について、H29年度は非FITの水力発電の発電量の減少により増加している。H25年度以降、FIT対象の太陽光発電所と水力発電所の新規建設により高くなっており、特に太陽光発電所は全収入がFITで占められていることから、FIT調達期間終了(H45)後は、収入が大きく変動するリスクを抱えている。

全体総括

水力発電施設の老朽化については、H28年度に策定した鳥取県企業局経営プラン(H29~H38)に基づき、リニューアル事業の実施や事業化検討を計画的に行い、施設の適正管理による長寿命化を推進していくこととしている。また、FIT適用終了(H38)後の事業のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、今後、FIT終了による電力収入の変動リスクを踏まえ検討することとしている。

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